平成16年度地盤沈下調査結果
☆尾張地域において、1p以上の沈下を示した水準点が15点観測され、1p以上の沈下域が約6km2見られました。
全般的に、県内の地盤沈下は引き続き沈静化の傾向にありますが、過去5年間の累積沈下量を見ると、一部地域においては沈下が進行する傾向が見られます。
1 地下水揚水量と地下水位の状況
(1)地下水揚水量の状況
本県の地下水利用状況は、工業用水 及び水道用水としての利用が約7割を占めており、地域別の揚水割合は、尾張地域では県内総揚水量の約4割、次いで東三河地域で約3割、西三河地域で約2割、知多で約1割となっています。
昭和50年当初に約2,500千m3/日であった揚水量は、尾張地域での揚水規制などの効果により順次減少し、最近では約1,000千m3/日となっています。揚水規制の効果は工業用水道への転換による工業用で顕著に見られますが、その他の用途では削減率が小さく、特に水道用水はほとんど削減されていない状況となっています。
尾張地域の地下水揚水量は、昭和49年、51年に施行された愛知県公害防止条例(現:県民の生活環境の保全等に関する条例)の揚水規制等により減少傾向を示し、昭和55年には木曽川用水(農業用水)が全面通水を開始し、また昭和60年〜61年には工業用水法による尾張21市町村への工業用水道の給水開始により地下水揚水量は大幅に減少しました。その後、地下水使用合理化指導等により緩やかながら揚水量は減少しており、平成16年度は前年度に比べ約6千m3/日の減少となり、昭和50年度当時の約26%の揚水量となっています。
○地下水揚水量の地域別推移
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用 途 |
工業 |
建築物 |
農業 |
水産 |
水道 |
計 |
尾張地域
|
105,149
(28.5)
|
37,033
(10.0)
|
10,829
(2.9)
|
8,830
(2.4)
|
206,973
(56.1)
|
368,814
(100.0)
|
知多地域
|
66,070
(64.1)
|
22,505
(21.8)
|
2,648
(2.6)
|
2,634
(2.6)
|
9,181
(8.9)
|
103,038
(100.0)
|
西三河地域
|
99,229
(43.2)
|
22,429
(9.8)
|
3,794
(1.7)
|
14,895
(6.5)
|
89,296
(38.9)
|
229,643
(100.0)
|
|
矢作古
川流域 |
17,913
(38.4)
|
5,135
(11.0)
|
1,359
(2.9)
|
8,236
(17.7)
|
14,009
(30.0)
|
46,652
(100.0)
|
東三河・渥美 地域
|
57,155
(19.7)
|
21,415
(7.4)
|
23,064
(8.0)
|
132,985
(45.9)
|
55,233
(19.1)
|
289,852
(100.0)
|
計
|
327,603
(33.0)
|
103,382
(10.4)
|
40,335
(4.1)
|
159,344
(16.1)
|
360,683
(36.4)
|
991,347
(100.0)
|
(注)集計対象は、名古屋市及び三河山間部を除く63市町村。
尾張地域は、県民の生活環境の保全等に関する条例の規制区域で名古屋市を除く24市町村。
知多地域は、知多半島と尾張地域の規制区域を除いた地域。
矢作古川流域は、西尾市、一色町及び吉良町の1市2町。
矢作古川流域の揚水量は、西三河地域の内数。
( )内は、用途別の割合を示す。単位:%
(2)地下水位の状況
尾張地域の地下水位は、G1帯水層ではほぼ全域で水位が低下し、G2、G3帯水層では一部の地域で若干の低下が見られたものの、総じて、ほぼ全域で上昇した。
西三河地域の地下水位は、北部で深層、浅層とも水位の低下が見られたが、過去に地盤沈下を生じた矢作古川流域河口部付近では地下水位が上昇した。
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井戸数 |
水位上昇数 |
無変動 |
水位下降数 |
無効数 |
変動量(m) |
尾張地域 |
64 |
41(61) |
0(0) |
23( 3) |
0(0) |
0.09( 0.28) |
西三河地域 |
14 |
10( 9) |
0(1) |
4( 4) |
0(0) |
0.03( 0.12) |
東三河地域 |
10 |
5(10) |
0(0) |
5( 0) |
0(0) |
-0.30( 0.32) |
渥美地域 |
4 |
1( 4) |
0(0) |
3( 0) |
0(0) |
0.10( 0.19) |
知多地域 |
13 |
6( 8) |
0(2) |
6( 3) |
1(0) |
0.02( 0.72) |
|
(注)1 尾張地域から東三河地域までは、地盤沈下観測所における観測結果であり、渥美地域及び知多地域は、民間既設井戸における観測結果である。
2 変動量は、年平均水位の前年比で、単位はmである。
3 ( )内は、前年の数値である。
4 「無効数」とは、調査対象井戸を変更したため前年との比較ができなかった井戸の数を示す。
1 地下水揚水量と地下水位の状況