近年の水害による被害実態を見てみると、地域コミュニティが弱体化したことで、水害に対する地域防災力が低下しています。また、情報面においては、これまで、地域・家族のなかで「暗黙知」として共有されてきた水害の知識が継承されることがなく、水害の知識と判断力の低下を招いています。
さらに、河川整備の進展により、水害の頻度が低下したことで、水害を他人事であると思い、行政依存度の強い、水害に対する「無関心な住民層」が大きく拡大する状況も招いています。
このため、今後は、無関心層への"気づき"を与え、"気づき"を得た住民が、地域の危険度や水災プロセスを理解し、避難のタイミング、安全な避難ルート等を判断できるようにし、さらには、自助・共助の視点から正しい避難行動ができるように、段階的に上位層が拡大していくような取組みを進めていく必要があります。
愛知県河川情報周知戦略は、こうした問題認識に立ち、人材育成、地域防災力の強化の視点を含め、住民意識の底上げ、理解・判断の高度化に寄与する情報周知を、地域住民と一体となって進めていくものです。