知事の記者会見
メインメニュー
知事のマニフェスト 知事の発言・寄稿 知事記者会見 県議会知事提案説明 知事からのメッセージ 知事交際費の執行状況 プロフィール トップページ 写真で見る主な活動


令和元年11月25日(月) 午前10時
1 知事発言
(1)本県の養豚農場で発生したCSF(豚コレラ)の防疫措置の完了及びCSFワクチンの接種完了について
 皆さん、おはようございます。11月25日月曜日午前10時の定例会見を始めさせていただきます。
 西尾市で発生をいたしましたCSF(豚コレラ)のですね、防疫措置につきましては、23日の土曜日午後11時に終了いたしました。これはもう既に報告をさせていただいたとおりであります。引き続き全力を挙げて取り組み、感染の拡大をですね、蔓延(まんえん)防止に全力で取り組んでいきたいというふうに思っております。
 それから、これもですね、23日土曜日に発表させていただいておりますが、10月、このCSF(豚コレラ)のワクチン接種完了についてということでございます。
 10月25日金曜日から実施をしておりましたCSFのワクチン接種につきましては、23日土曜日、対象となる全ての豚飼養施設における接種が完了したということであります。接種の実績としては、199農場、19万9,236頭。まあ、20万頭ですね、20万頭を打ち終えたということでございます。ちょうど4週間ということですかね、4週間プラスアルファということで打ち終えたということでございます。
 なお、この状況については御報告してあると思いますが、この時期は豚の成長がよくて出荷が早まるということもあってですね、予定していたものより出荷が早まってですね、ワクチン接種の豚が減ったということでございますが、全頭打ち終えたと。これから年内はですね、子豚についてですね、また数万頭打っていきたいということでございますので、よろしくお願いをいたします。
 
(2)台風第19号の被災地に対する本県の支援状況について
 長野県への災害対応につきまして、昨日今日といいますかね、24日・25日で岡崎市社会福祉協議会さんがボランティアバスを派遣をしております。これは第1陣ということでございます。
 それから、災害廃棄物処理の応援職員といいますかね、災害廃棄物の収集のですね、車については、今、各市の廃棄物処理の収集運搬車が5台、現地で活動中ということでございます。
 それから、災害廃棄物のですね、この受入れにつきましては、現在もですね、現地から愛知県産業廃棄物協会の会員企業さんが受け入れておりまして、先週は、廃タイヤ、畳、木くずなど約206トンが本県に搬入をされ、先々週の51トンと合わせて約257トンが搬入されております。容積ベースでは、搬入予定量1,500立方メートルの5割程度、ちょうど半分ぐらいをもう受け入れたということでございまして、今週で大体予定は、1,500立方メートルは全部受け入れるというふうに聞いております。引き続きですね、着実に進めていただきたいというふうに思います。愛知県産業廃棄物協会によりますと、今回処理を行う会員企業は、収集運搬のみを行う企業さんを含めて30社程度が協力をして受け入れるということでございますので、よろしくお願いを申し上げたい。
 県からは、もう既に土木職、農業土木職の職員は派遣をしておりますし、また、市町村課から皆さんに御報告をしておると思いますが、愛知県内のですね、各市から、それぞれの市、長野県内の市へのですね、長野市、千曲市、佐久市、上田市などへですね、職員の派遣が8名確定をいたしておりまして、引き続き、さらにですね、調整をしているということでございますので、よろしくお願いいたします。
 引き続きですね、この災害復旧・復興の応援をしっかりとやっていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いをいたします。
 
(3) 「G20愛知・名古屋外務大臣会合」を終えて
 G20の外務大臣会合がですね、終了いたしましたので、その結果等について御報告をさせていただきます。お手元に資料をお配りしておりまして、随時ですね、御報告をしておりますので、もう既に報告済みのことでありますが、改めて御報告をさせていただきたいというふうに思っております。
 先週末、11月22日・23日に開催されましたG20愛知・名古屋外務大臣会合は、合計29の国・地域の外務大臣等が一堂に会して、自由貿易やSDGsなど国際社会が直面する様々な課題について議論が交わされた後、無事に閉幕をいたしました。
 この貴重な機会に、私自身も、22日にインドネシアのルトノ外務大臣、トルコのチャヴシュオール外相、アルゼンチンのフォリー外相、ベトナムのソン筆頭外務次官と面談をし、在名古屋トルコ総領事館の開設決定記念式典に出席をしたほか、23日には中国の王毅外交部長とも面談をいたしました。もう既に御報告してあるとおりでございます。
 まず、インドネシアのルトノ外務大臣とはですね、本県にはインドネシアの方が全国最多であることなどを紹介し、改めて総領事館の開設も要望いたしました。大臣からはですね、「検討したい」という発言がありました。そのほかにもね、そのときに申し上げましたが、ガルーダ・インドネシア航空の直行便が就航しておりますので、これをやはり維持・運航していただくために、我々もしっかりとですね、観光関係のね、連携・協力も進めていきたいということを申し上げ、是非よろしくお願いしたいという話でもありました。引き続きですね、日本とインドネシアの関係をですね、深めていきたいと思っております。
 それから、アルゼンチンのフォリー外務大臣とはですね、本県から進出している企業を紹介するとともに、アルゼンチンの愛知県人会との交流について私からもお話をいたしました。フォリー大臣からはですね、愛知県から企業が14社アルゼンチンに進出していると、向こうからそういう数字が出てきまして、大変感謝しているという発言がありました。
 特にですね、昨年、ちょうど5年に1回、私はアルゼンチンとブラジルの県人会の総会に出席をいたすわけでありますが、昨年アルゼンチンの愛知県人会総会に出席をしたことと併せて、アルゼンチンのトヨタの工場もね、視察をさせていただきました。ハイラックスを中心にですね、生産をし、年間15万台を生産をし、ほとんど輸出で外貨を稼いでいると。雇用も、1万人ぐらいは雇用しているということなので、今、ハイパーインフレというか、ハイパーとまでは言わないか、大変なですね、経済危機にある国としては、これだけ有り難い企業はないのではないかということだと思います。私が行ったときに、ちょうど20年前、1999年だったと思いますが、20年前に進出をして、進出したらいきなりアルゼンチンがデフォルトに陥ってですね、どうなるんだと。年間、最初1万台のノックダウンから始めてですね、いつ撤退するかみたいなことをずっと考えてたのをしのいでしのいでしのいでしてですね、こう増やしてきて、サプライヤーも入れてきて、南米の関税同盟でメルコスールというのがありますけれども、それを活用して、ブラジルとか各国とサプライチェーンを作ってですね、そこまで持ってきたというのは、話を聞いただけでも感動いたしまして、まさに日本の国益を体現しているというか代弁している、まさに現しているというプロジェクトではないかというふうに思っております。
 いずれにしてもですね、アルゼンチンは、ちょっと、ちょうど地球の裏側で遠いっていえば遠いんですが、いろんな機会を捉まえてですね、関係を深めていければというふうに思っております。
 それからですね、ベトナムのソン筆頭外務次官とはですね、私からは、9月にベトナム訪問したときにですね、副首相にも申し上げましたが、ベトナムの有料道路コンセッション方式、PPPのですね、ノウハウを、国土交通省と愛知県とでベトナムとの協力をしてですね、ホーチミンの環状道路、高速道路を是非建設に結びつけていきたいということを申し上げておりまして、そのことについて外務次官からは、来週の国会でも議論し議決をすると、決定するという予定だということを言っていただいて、「愛知県は重要なパートナーであって、フック首相からも感謝の気持ちを伝えてほしい」という話がありました。
 別ルートで、国土交通省の関係で、先々週、ベトナムに行ったデリゲーションがありましたが、フック首相からは、前回大村知事と会えなくて申し訳なかったと、よろしく伝えてもらいたいという発言をいただいているところでございます。また引き続きですね、ベトナムとの関係は深めていきたいと思います。
 それから、次に、トルコのチャヴシュオール外務大臣との会合に合わせましてですね、在名古屋トルコ総領事館の開設決定記念式典にも出席をいたしまして、あわせてですね、テープカットもさせていただきました。お祝いも申し上げました。
 外務大臣と面談をし、愛知県には日本最大のトルコ人コミュニティーが形成されているということ、また、愛知県企業がトルコの経済に貢献していることを大変うれしく思っているということを申し上げました。大臣からは、「総領事館開設に向けた愛知県の協力に感謝をする。今後、在住トルコ人がより快適に暮らし、働けるよう支援をいただきたい」という発言がありました。
 また、今年6月にエルドアン大統領が、稲沢市にね、G20サミットの後に来られて、1,000人以上のですね、在住トルコ人の方を集めた大きな会合があって、その場で、名古屋市に領事館を開設するということを表明をされて以来、5か月でですね、開設をしていただいたということは異例のスピードでありまして、心から感謝を申し上げたいというふうに思います。
 トルコの総領事館としては、日本で唯一。これは東京以外初めてということでいいんだな。
 外務大臣も言ってたんだけど、大阪市か名古屋市かどっちにしようかってやって、名古屋市にしたということでありましたということでございます。
 新たに総領事になる方は、外務省のですね、査察の責任者ですから、結構偉いさんですけど、初めて来て2人でしゃべってたら、本音を言うと、普通はやっぱり在住トルコ人が五、六万人になると大体領事館を開くんだけど、はっきり言って、今愛知県在住者1,500人ぐらいなんで、それで、これは異例中の異例ですけどね、と言っておりましたが、それだけ愛知・日本にはね、期待してるんだという言い方でありました。確かにそうだと思います。この領事館の開設を機にですね、やはり更に関係を深めていければというふうに思っております。
 ただ、これもですね、トルコにやはりトヨタの主力工場がありましてね、今26万台作る。26万台生産している工場って、愛知県では高岡工場と田原工場。26万台って、堤工場ぐらいかな、もうちょっと大きいかもしれませんね。そこでカローラを作って、EUにどんどんこれも輸出して外貨を稼いでるんですね。雇用は1万何千人だと聞きましたけども。これも、だから多分トルコの国内で最大の工場じゃないですかね、きっとね。そりゃうれしくてしようがないと思いますよ。有り難い限りだと思いますね。外貨を稼いでくれてるもんね。ということでありますので、そういうことも含めてだというふうに思っております。
 ちなみに、エルドアン大統領と私は30分面談しましたけども、大統領はひたすら、アルファードはいい車だと、あれで防弾仕様はないのかと言われたのが非常に印象に残っておりますけどね。
 いずれにしても、そういうことで、これを機会にやはりしっかりとですね、関係を深めていきたいと思います。
 ちなみに、あと名古屋市で総領事館開設が決定しているのは、フィリピンがですね、決まって、今、場所を探しているということでございまして、インドネシアには私の方からお声掛けをしているという状況でございます。
 次に、23日ですね、土曜日は、高校生のプレゼンテーションが終わった後にですね、ワーキングランチの前に中国の王毅外相と会場内の一角でですね、面談をいたしまして、私の方から、江蘇省・広東省との友好提携や、中国の国内の大学とのMOUの締結などについて話をさせていただいたということでございます。王毅さんからはですね、私は名古屋市に久しぶりに来て、名古屋の街が大きく変わっているので驚きましたと、大変ビルがたくさん建ちましたね、とか言われてますが、王毅さんが在日本の中国大使のときにですね、2005年愛知万博のときに私は開会式で御一緒したのを覚えてますのでね、あれ以来ですねって言ったら、そうなんですと言っておりました。
 いずれにしてもですね、是非愛知県が日中友好をリードしてほしいという話もいただいて、若い人の、学生の相互交流も重要ですねって言われたので、高校生の交流をやってますよと言ったら、大変喜んでいただいておりました。しっかりとですね、また引き続き日中友好を進めていきたいというふうに思います。
 そして、同じく23日、会合の公式行事の一つとして、県内4校12名の高校生の皆さんが参加各国の大臣に提言を行いました。私もこの高校生の皆さんを引率をして、議場内で紹介をいたしました。「遠隔教育システムの構築」、「支援情報共有のための専門機関の設置」という、教育格差の解消、教育格差の解消をですね、4人の高校生が英語でプレゼンテーションをして、大変好評を博しました。
 4人の代表、12人のね、高校生の皆さんが手作りで作ったプレゼンテーション、大変貴重な機会だったと思っております。またこれからもね、しっかりと頑張っていただきたいなと思います。
 最後にですね、これを機に愛知・名古屋のPRをするために、会合会場には有松・鳴海絞、名古屋友禅、尾張七宝、瀬戸焼、常滑焼などの伝統工芸品や、テクノロジー&トラディションをPRするパネルの展示、「花の王国あいち」をPRするための愛知の花を使ったモニュメントやテーブルフラワーなどの花装飾を行いました。
 また、海外メディアの拠点となった国際メディアセンターには、自動車産業、航空機産業、ロボット産業などの先端技術の展示・体験、ロボットがたてた抹茶や愛知の地酒、お菓子でおもてなしをする「愛知・名古屋魅力発信スペース」を設置をいたしました。
 さらに、外相夕食会、ワーキングランチでは、絹姫サーモン、名古屋コーチン、八丁味噌などの愛知の食材やフルーツ、地酒などが提供され、各国外相には御堪能いただきました。
 このG20愛知・名古屋外相会合という世界に向けてPRする絶好の機会を生かして、今後、さらにですね、国際交流の拡大につなげていきたいというふうに思っておりますし、今後ともこうした大規模な国際会議等の誘致に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 なお、名古屋市の都心部を交通規制をさせていただいて、多くの方に御不便をおかけしたわけでありますが、多くの関係の皆さん、市民の皆さんの御協力に感謝を申し上げたいというふうに思っております。
 なお、とある新聞にですね、昨日、外国人のツーリストの声として、こういう街なかでの開催はなかなか難しいんじゃないかというコメントがあったのをちょっと見ましたけども、確かにですね、名古屋の街なかの道路、一般道路をああやって完全にバリケードを立てて閉鎖したのは初めてではないかと思います。
 そういうことをつらつら考えますとね、やっぱり東京都はですね、皇居があって、赤坂御所があってですね、天皇陛下なり皇太子殿下なり皇族の方が移動するときにしょっちゅう止めますからですね、しょっちゅう止めるし、外国の賓客がいっぱい来るのでですね、しょっちゅう止めますので、そういう意味では慣れとるといえば慣れとるんですね、これはね。みんなそんなものだと思ってるのでですね、あれですけども。
 前回の6月の大阪でのG20サミットも道路封鎖したということで大変だったということを聞いております。今回、名古屋市もですね、こういう形で封鎖したのは初めてなんでしょう。ということでありますが、そういう意味ではですね、そういった声はしっかり、真摯に受け止めていかなければならないというふうに考えておりますし、その上で、これからも大きな国際会議は積極的に引き受けていきたい、誘致をしていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
  
(4)新時代に対応した県立工業高校の校名変更と学科改編について
(https://www.pref.aichi.jp/soshiki/kotogakko/koukakoukou.html)

 新時代に対応した県立工業高校の校名変更と学科改編についてでございます。
 愛知県では、グローバル化、デジタル化の進展に伴う産業界のニーズの変化を踏まえ、2021年4月から県立工業高等学校に未来を見据えた新たな学科・コースを創設するとともに、学科の募集単位を見直すことといたしました。また、この工業高校の再編により、工業教育の内容が大きく進化することを機に、新たな時代にふさわしい学校名に改称いたします。
 まず、校名変更につきましては、全ての工業高校など14校の名称を「工科高等学校」といたします。その中で4校は、市の名称などを用いて、広く全県にわたって分かりやすい名称に変更します。「名南工業高等学校」は「名古屋工科高等学校」に、「瀬戸窯業高等学校」は「瀬戸工科高等学校」に、「起工業高等学校」は「一宮起工科高等学校」に、「佐織工業高等学校」は「愛西工科高等学校」に校名を変更いたします。
 工業高校から工科高校へとしたねらいは、これからの時代のモノづくりの担い手となる「工学」と「科学」の両方の知見を生かすことのできる技術者を育成する学校にしていくとの思いを込めて「工科高等学校」といたしました。
 資料を見ていただきますと、1が校名変更でございまして、こういう形で変更をいたします。
 続いて学科改編、2でございます。
 また、今回の大規模な改編におきまして、産業界のニーズの変化に対応するため、工業科を設置する全ての全日制高校において、学科・コースの新設などを行うことといたします。
 具体的には、愛知総合工科高校に理数工学に関する高度な知識・技術を学ぶ「理工科」を新設します。名古屋工科高等学校など4校には、AI・IoTを活用した自動運転システムなどの技術を学ぶ「IT工学科」を新設します。小牧工科高校など4校には、環境に優しい工業製品の品質検査や分析などの技術を学ぶ「環境科学科」を新設します。また、来年度、豊橋工業高校に新設する「ロボット工学科」を、2021年度、要は1年遅れてですね、瀬戸工科高校など7校に拡大をいたします。ということでございます。
 それから、さらに、2015年に「女性活躍推進法」が施行され、モノづくり現場では女性の力が求められていることから、春日井工科高等学校など8校には、将来「モノづくり女子」として活躍できる人材、また男女共同参画の視点から、モノづくりをしながら、仕事と生活を両立できる人材を育成するために、「家庭総合」などの科目を多く履修する「生活コース」を新設をいたします。
 そして、情報・建築・土木に関する学科名も変更し、男女が共に学びやすい教育環境を整備をして、工業教育の魅力向上を図ります。
 ということで、2の学科改編は今申し上げたことが書いてあるわけでございます。
 学科名の変更として、「情報技術科」、「情報システム科」を「情報デザイン科」、「建築科」を「建築デザイン科」、「土木科」を「都市工学科」というふうに変えるということにいたしております。ということでございます。それが2番目。
 それから三つ目でですね、なお、生徒の募集方法につきましてはですね、中学生の進路ニーズを踏まえ、入学時には学科を選択せず、2年次から学科を選択できるよう、複数の学科をまとめて「括り(くくり)」で募集をするということでございます。
 今回の工業高校における学科名の変更と学科改編などによって、急速に進む技術革新に対応できる人材を育成し、日本一のモノづくり県である愛知県の更なる発展につなげてまいりたいと考えております。
 なお、少し補足をさせていただきますと、愛知県の工業高校の現状はですね、どうかといいますと、何点か申し上げます。
 一つは、就職状況は、全体の82パーセントの生徒が就職しており、就職者数は全国第1位であります。3,034名ということですね。離職率もですね、非常に低く、即戦力であって企業からの需要、ニーズは非常に多いと。一方で、女子の比率は8パーセントということでありまして、極めて低く、女性の活躍を推進するモノづくり企業の要望に応えられる数の生徒が少ないということ。そして、募集状況は、工業高校への志望者は近年減少傾向にありまして、工業高校の魅力化と志望者の確保が課題となっております。ということでございます。
 そして、産業界からはですね、世の中からは、現在、産業現場が高度化しているということと女性の活躍が求められているということなので、それでもって、人材不足、人手不足なので、工業高校では、より多くの先端技術に対応できる技術者、それからモノづくり女子となる人材を育成・輩出してほしいという強い要望があるということでございます。
 その二つ。それを今回踏まえてのですね、校名変更と学科の改編ということで、やるならもうダイナミックに思い切ってやろうということでですね、今年の春先ぐらいからいろいろずっと議論をしてですね、やってきて。やはり名前というのは、「名は体を表す」ということで、できるだけコンパクトで、できるだけ簡便でできるだけ分かりやすい、簡素で合理的で分かりやすい名前にしてですね、そしてもって今の、現代のですね、状況に対応できるような形の改編をしようということで進めてきたわけでございます。
 そういう意味で、今後到来する「Society5.0」と呼ばれる超スマート社会ではですね、これまでの工業社会から脱却をして、先端技術や女性の活躍促進など、未来を見据えたモノづくり教育を取り入れ、工業高校は生まれ変わる必要があるということでありまして、今回は、工業科を設置する全ての全日制高校に関わる大変大きな変革でありまして、学制改革、1948年に、戦後、工業高校が学制改革でできましたが、それ以来のですね、大変革ということでございます。日本一の産業県である愛知県はですね、全ての工業高校を工科高校に変えて、日本一の工業教育、工科教育を進めてですね、全国の工業高校、工業教育をリードをしていきたいというふうに思っております。
 そして、その中でも少し触れましたが、愛知総合工科高校についてでありますが、この本科は、昨年度初めての卒業生を輩出したわけでありますが、多くはですね、トヨタ、デンソー、アイシンなど本県のモノづくり企業に数多く就職をいたしておりますし、また進学につきましても、昨年度はですね、京都大学を始め国公立大学に16名が合格をしているということで、基本ですね、就職が191名、進学が173名ということでございました。就職の方がもちろん多いんですけどね、ということ。それから、高校生初の東京モーターショーへの出展や、若年者モノづくり競技大会でも数多く入賞するなど、実績を上げているということでございまして。工科高校という名前は、愛知総合工科高校で初めて使いましたが、これをですね、全県に広げるということで、工科高校という名前にしてまいります。
 それから、校名変更につきまして、愛知県内の工業高校に、日本全国どこもそうですが、明治時代のですね、本県の伝統産業である繊維や窯業の職工に必要な教育を行う地域の徒弟学校から始まり、1948年の学制改革で工業高校となったということでありまして。学生数の割合はですね、1970年にですね、13パーセント、全体のね、募集の13パーセントまでいきましたが、その後、やはり募集定員がぐっと増えましたので、それも入れて今は大体10パーセントという状況でございます。
 それから、愛知県内、今回14校全てを工科高校といたしましたが、他県には「工科高校」は全部で、全国で18校あるということでございます。
 それから、今回の学科改編でですね、将来を見据えて最先端の学科を作っていくということにしていきたいと思いますし、「生活コース」などですね、女性の活躍促進を目指したコース・学科は全国初だということでございます。
 それから、科名変更する学科についてですね、情報デザイン科については「メディアデザイン」や「ウェブデザイン」、建築デザイン科はですね、「建築物の内外装」や「インテリア」、都市工学科は「都市設計」や「都市環境」、「防災」。そういう形で、今の流れ、現代のトレンドにですね、合わせていくような学科改編にするということでございます。ということですね。
 そして、募集単位を「括る(くくる)」ということはですね、学科ごとで今まで募集しておりましたが、今回、「機械・電気系」と「建設系」と「環境・デザイン系」の3つの系列に括って、2年次にその学科を選択するという形にしていきたいと思います。なお、愛知総合工科高校は、全学科一括募集ということでございます。
 そして、学校名が変わることについてですね、これは既に工業高校のそれぞれの校長さん始めですね、学校側には伝えておりまして、前向きに受け止めていただいております。そして、同窓会にもですね、学校側が事前に伝えて了解を得ており、工科高校になることによって教育内容が更に進化し、母校が発展していくことを期待する、そういう前向きな受け止め方をしていただいているところでございます。
 ということで、具体的な、どういうふうな変革になっていくかはですね、この資料にそれぞれの学校が、2ページ、3ページ以降にずっと書いてありますので御覧をいただきたいと思います。そして4ページにですね、資料の、工科高校の名称についてのねらいということで、「工学」と「科学」を融合した名称であり、モノづくりの「工み(たくみ)」だけでなくて、科学的に、モノづくりを理解し、Society5.0と呼ばれる超スマート社会の技術革新にも対応できる若者の育成を目指すということでございます。
 これを目標とすることと、もう一つはやはり女性の活躍、モノづくり女子が是非ね、増えていただきたいということで、産業界からのその二つの大きな大きな御要請をいただいて、今回、工業高校を工科高校という形にし、学科の改編をしていきたいということで決めたということでございます。しっかりと取り組んで、進めていきたいと思います。
 私からは以上です。

2 質疑応答
(1)新時代に対応した県立工業高校の校名変更と学科改編について
【質問】 県立工業高校の校名変更と学科改編の中で、「モノづくり女子」として活躍できる人材や、仕事と生活を両立できる人材を育成するために「生活コース」を新設するとありました。仕事と生活の両立について女子学生だけに目を向けさせることは何か違うのではと思いますが、どのように捉えればよいですか。
【知事】 その点はね、おっしゃるとおりだと思いますね。
 これは一つのあれであってね、生活コースを作るのは、これどこだったっけ。
8校だろ。これ、元々何科だったっけ。
【学習教育部長】 元々は化学工業や電子工学などです。学科名を変更し、その中に「家庭総合」などの科目を多く履修する「生活コース」という「コース」を作ります。
【知事】 だから、それは一つの面であって、一番のね、モノづくり女子を一番増やしたいということのあれは、いわゆる一つは、まず、工業高校という名前から工科高校って、工学と科学の両方を広くね、時代に合わせて広く、特にIT系。IT時代なので、IT系をどんどんあれするという、そういう「名は体を表す」ことに変えていくということと、あとは、むしろですね、学科の改編でですね、理工科とかIT工学、特に環境科学とかですね、そういう形のですね、より何かこう、何でしょう、いわゆる今までの工業高校だと工場現場をすぐ連想されるような感じがあったんですけど、そうじゃなくて、できるだけこう幅広く入りやすい、そういう形のですね、学科の改編をしていくということで、女性の、モノづくり女子をといいますか、女性の進学のね、規模を増やしたいということなんですね。
 生活コースはそのほんの一つということで御理解いただければというふうに思ってます。だから、正直言ってメインじゃないということであります。
 こういうふうに生活コースを新設するから何か女性がどうのこうのというと、それは抵抗あるわな。それはメインじゃない。端牌(はじぱい)だと思って結構です。
 そんなに重点を置いてないということで御理解いただければいいと思います。