ここから本文です。

スペシャルコラム

レギュラーさん

レギュラーさんプロフィール
吉本興業株式会社所属。松本康太さん(1979年5月16日京都府生まれ)、西川晃啓さん(同年8月11日京都府生まれ)が1998年にコンビ結成。2004年「あるある探検隊」ネタでブレークし一躍人気者に。05年「NHK上方漫才コンテスト」最優秀賞受賞。14年、介護職員初任者研修資格を取得。17年、レクリエーション介護士2級を取り、漫才師として活躍しながら介護イベントなどで認知症への理解を広める活動や施設でのレクリエーションも行っている。

更新日:2019年8月30日
取材日:2019年6月

吉本興業の人気お笑いコンビ、レギュラー。独特の動きに乗せてリズミカルに歌う「あるある探検隊!あるある探検隊!」のフレーズは、一度聞いたら忘れられないインパクトで一世を風靡しました。そんなレギュラーの2人が5年前、介護職員初任者研修の資格を取得。一昨年にはレクリエーション介護士2級を取り、“笑いと介護の融合”への取り組みを始めています。2人が介護に興味を持ったきっかけや目標などを聞きました。

きっかけは先輩芸人からのアドバイス

松本さん:
介護の世界に興味を持ったきっかけはいろいろあります。一つは、同じ事務所の先輩の次長課長の河本さんに誘われて岡山の介護施設でボランティアをやっていたんですけど、そのとき河本さんが「松っちゃん、すごいお年寄りの反応ええなー。向いてるんちゃう?勉強してみたら」って言ってくれて。番組の企画で宮古島に1年間いたときも沖縄のお年寄りによくしてもらったんです。僕らも年配の人に向けたネタを作りたいけど、何が失礼に当たるのか分からへん。分からへんから勉強しに行こうと介護職員初任者研修を受けに行きました。
西川さん:
松本くんに誘われたとき、1回勉強してみてもいいなーと。でも勉強を始めてみたら思っていたのとは全然違いましたね。
松本さん:
一番ビックリしたのは、最初の授業で介護は手助けじゃない、自立支援だと言われたことです。自分で食べられへんかったら食べさせてあげるのが介護やと思ってたら、しんどいかもしれないけどその人が自立できるようサポートするのが介護だと教えてもらったとき、へーそうなんや!とびっくりしました。

久しぶりの勉強に四苦八苦

西川さん:
机に座って勉強したのは高校以来。勉強するのが嫌で芸人になったようなもんなのに、まさか2か月間ガッツリ学校に通って勉強することになろうとは。真面目に勉強しました。
松本さん:
2か月間がんばれた理由は、時間がありすぎて何かやっていないと不安だったから。あんなに忙しかったのに、どんどん仕事がなくなっていったんです。僕らの行った学校は、学校が夏休みになる2か月間でした。夏休みって芸人にとって稼ぎ時。マネージャーさんに怒られる覚悟で、介護を学ぶ学校に通いたいと申し出たら、「仕事入っていないから大丈夫です。1件、仮で入っていますけど、断れますよ」と。イヤ、それ断らないでくださいって(笑)。結局通えましたね。
西川さん:
宮古島でのこともあって、経験しておけば人として話せる材料になりますし、自信にもなると思って頑張りました。
松本さん:
まったく知らん土地で友達もいない状況の中、皆さんに助けてもらってやりきれたことが自分らのプラスになった。違う世界に身を投じるとこれだけ幅が広がるんやと分かりました。介護を勉強した僕らが一番怖かったのは、実際に介護をやったことないでしょって言われること。かといって半端な気持ちでやってはいけないものだと分かっています。だから僕らは介護の知識はあるけど介護職ではありません。そんな自分らができる介護って何かな?と考えていたころに出合ったのが介護レクリエーションです。

スタッフさんにも笑顔になってほしい

松本さん:
レクリエーションをするとき、利用者さんをイジるのって素人さんにとって難しい。例えば髪型がむっちゃ面白い利用者さんがいたとして、かわいい髪型していますねーって声を掛けたとき、本人が笑えばオッケーです。でもその人がちょっとでも怪訝な顔をしたらダメ。芸人はその空気感が分かるので、そこが僕らならではだと思いますね。
西川さん:
いろんな施設で介護職の方を見ますが、本当に大変やなと感じます。利用者さんにはもちろん楽しんでいただきたい。それだけでなくスタッフさんの日々のストレスを発散してもらって、楽しい時間を過ごしてほしいと思ってやっています。
松本さん:
スタッフさんの大変さも僕らは分かっています。何よりスタッフさんが笑えば、利用者さんにも笑顔や楽しい空気が伝わるんですよね。

(10月公開予定の後編に続く)

閉じる トップページ