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スペシャルコラム

加藤綾菜さん

加藤綾菜さんプロフィール
1988(昭和63)年4月12日、広島県出身。東京で大学在学中に加藤茶さんと知り合い、23歳だった2011年6月25日、当時68歳の茶さんと45歳の年の差婚。茶さんに健康で長生きしてもらいたいとの気持ちから食育インストラクター、生活習慣病予防アドバイザー、介護食アドバイザーの資格を取得。20年には介護職員初任者研修、介護福祉士実務者研修を修了。22年3月にはコミックエッセイ「加藤茶・綾菜の夫婦日記『加トちゃんといっしょ』」を発売。タレントとして活動しながらYouTubeチャンネル「加藤家の日常」で簡単レシピや減塩料理の作り方などを発信している。

更新日:2022年8月
取材日:2022年6月29日

23歳のときに45歳年上の加藤茶さんと結婚した加藤綾菜さん。タレント活動を続けながら夫の茶さんが長く芸能活動を続けられるようにとの思いから、栄養や料理、介護の学びを続け、介護職員初任者研修、介護福祉士実務者研修を修了。茶さんの活動を心身両面から支えています。6月には結婚生活12年目に突入した綾菜さんに、介護の研修を受講した理由や、介護を学ぶことで気付いたことなどを伺いました。

介護職員初任者研修に続き、介護福祉士実務者研修も修了

 介護について前から興味はあったのですが、資格を取ろうとまでは思っていませんでした。その考えが変わったのは、コロナ禍で身近な人が急にいなくなることを経験し、恐怖を感じたのがきっかけです。
 加トちゃんは何回か大きな病気を経験しています。私はその時、病院で付き添うことしかできなくて自分が情けなかったんです。さまざまな職種の方が加トちゃんのサポートをしてくださったおかげで元気になって舞台復帰することができました。その姿を見て、自分も知識を身に付け、加トちゃんをサポートできるようになりたいと思いました。
 初めは介護職員初任者研修(旧ヘルパー2級)を修了。学校で学んでみたら介護は自分に向いていると思うところもあって、更に学びを深めて介護福祉士実務者研修(旧ヘルパー1級)を修了しました。
 自分に介護職が向いていると思った理由はいくつかあります。長女なので弟や近所の子どもの世話をするのが好きでしたし、困っている人がいたら必ず助ける性格です。それに介護を学びながら色々な人と触れ合うことに喜びややりがいを感じました。加トちゃんからも学校に通っているとき、すごく楽しそうだと言われたことがあります。「最近、イキイキしているよ」って。言われてみて気付かされた部分もありました。

加藤綾菜さん

デイサービスでボランティアも利用者さんに「120点」もらって感激

 研修修了後にデイサービスで働き始めたところで緊急事態宣言が出され、やむなく中断。今年の8月から再開する予定です。働くといってもボランティアで、お金をもらうにはまだ力が無さすぎると思っています。
 教科書に載っている知識は詰め込んで、ちゃんとできると思ってデイサービスの施設に行きました。でも実際の現場は全然違い、コミュニケーションの大切さを思い知らされました。認知症の症状が少しある利用者さんと一緒に買い物に行ったとき、大量に買い込もうとされるので、話しながら買わない方向に持っていかなくてはなりません。でも、両手いっぱいに荷物を持ち車椅子を押していたので、周りが見えなくて利用者さんの足が壁にぶつかってしまったんです。思っていた以上に、うまくいかないものだと落ち込みました。
 反省すべき点はいっぱいあるのですが、全体を振り返ると利用者さんと話が盛り上がって楽しい経験でした。終わった後に「次のデイサービスも、あなたが来てくれるの?あなたにやってほしい」と言われて嬉しかったです。「至らない点はあるけど、なんか楽しそうにやってくれたから、あなた120点」って言われて感動しました。次の機会があれば、もっとスムーズにやりたい。楽しんでもらえるように頑張ろうと、新たな目標ができました。

加藤綾菜さん

加トちゃんを鼓舞し、減塩・運動を習慣化

 加トちゃんが病気になった後、生活習慣病予防アドバイザー、介護食アドバイザー、食育インスタラクターの資格を取りました。介護の研修を修了する前のことです。食事や介護のことを学んだことは健康づくりにとても役立っています。
 例えば、以前の私は加トちゃんのために、何でもやってあげて過保護な感じでした。しかし、それは本人のためにならないと介護の先生に怒られたんです。なかなか自分から動かない人を、ちょっと動いてみようかなーと思わせることが大事だと。このままではダメだと反省しました。家にいたら加トちゃん、一切動かないんですよ。
 そこで、お水を飲みたいと言われたら「自分で取ってきて」から始まり、散歩も運動もしたくない加トちゃんに、愛犬を口実にして「散歩、一緒に行きたがってるよ」と誘いました。そうすると「ちょっと歩くか」となるからです。
 食事も随分変わりました。以前は喜んでもらえる料理を作ってあげたいとの思いが基本にあり、脂っこいものや味の濃い料理が多かった。今は1日6グラム以下の塩分で作るようにしています。食事を変えてしばらくは「味が薄い」とよく言われました。そこでニンニクや生姜、ネギなどの薬味を使うなど工夫しています(笑)すごく血圧が高かったのですが、食事を変えてから驚くくらい血圧が下がりました。加トちゃんも薄い味に慣れて、病気にかかりにくくなりました。
 それもこれも加トちゃんには長生きしてもらいたいから。でもただ長く生きればいいということではなく健康寿命を伸ばさないと。今では週に1回は自分からジムに出掛けてトレーニングもしているので、周りの人から若返ったと言われるほどです。(10月末公開の後編に続く)

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