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スペシャルコラム

オラキオさん

オラキオさんプロフィール
1977年9月5日、佐賀県生まれ。2003年にお笑いコンビ「弾丸ジャッキー」を結成。元体操選手の経験を生かした体操選手のモノマネで人気を博す。2016年にコンビ解散後も芸人、俳優としてテレビ、映画、舞台に出演し活躍。2019年に実務者研修を修了。介護職のケア活動も行う。

更新日:2026年8月
取材日:2026年5月21日

芸人としてバラエティー番組などでお茶の間に笑いを届け、俳優としてもキャリアを重ねるタレントのオラキオさんにお話しをうかがう後編。2020年からは介護人材の定着支援サービス「kaigo FIKA」の活動を始め、現在は介護啓発ユニット「介護&ピース」を結成して全国の学校、自治体などで出前授業やトークイベントを展開するオラキオさんに、介護現場での思い出や目標を語ってもらいました。

認知症利用者さんの同じ話も大げさな反応で続きが聞けた

 僕の少ない介護現場での経験の中で、面白い出来事がありました。特別養護老人ホームにいた認知症の利用者さんで、何度も同じ話をされる方がいらっしゃいました。僕はお笑い芸人として、同じネタでも毎回フレッシュなリアクションができるというスキルがあります。なのでその利用者さんが同じ話をしても、毎回初めて聞いたかのようにオーバーリアクションをしていました。普段、介護職員さんたちは忙しいので仕方ないのですが、なかなかそこまで同じ話に付き合うことができません。僕はヘルプでシフトに入って、その利用者さんから何度同じ話を聞いてもとことんオーバーに「えーっ!」とか「そんなことあるんですか!」とかリアクションしていたら、ある日、いつも同じところで終わっていた話の続きが聞けたんです。
 僕は「この話、続きがあったんだ」と驚きました。多分、僕が変わった反応をするので、その利用者さんも嬉しかったんじゃないでしょうか。僕も、認知症が進行し、物忘れが激しい利用者さんが僕の顔を覚えてくれて、たまにヘルプで入ったときに「また来てくれたんだー」と言われたときは、とても嬉しかったです。
 お笑い芸人はリアクションも声も大きいし、はっきり喋るので、高齢の方にとっては理解しやすいし、脳の活性化にもなるのかもしれません。お笑い芸人と介護自体がとても相性がいいと感じています。体操をやっていた経験も、体幹がしっかりしていて移乗で腰を痛めにくいという点で役に立っているはずです。

オラキオさん

若手お笑い芸人に勧めたい、バイトするなら介護の現場

 若いお笑い芸人は9割くらいの人がアルバイトをしながら芸能活動を続けています。僕は普段から、若手お笑い芸人は全員介護のバイトをやればいいって言いたいです。介護現場に明るい風も吹かせられますし。芸人の立場からしてもシフト制が中心なので時間の都合もつけやすいです。禊なんかではなく、芸人がバイトするなら介護の仕事、っていうのが当然みたいな世の中になればいいなって思います。
 介護の仕事は大変な仕事だとは思いますが、直接「ありがとう」と言ってもらえて、自分の人間力がアップする仕事です。どうやったらこの利用者さんが人生の最期の時期を笑って過ごせるかを考えて実践するためにみんなでアイデアを出し、人間力フルパワーで取り組む本当にやりがいのある仕事です。排泄や食事介助は世間からしたら大変なイメージだろうから、きれいごとだけで「いい仕事ですよ」と発信するわけにもいきませんが、意外に若い介護職員さんと話をすると、排泄ケアが嫌で辞める、排泄介助だけが本当に嫌なんです、っていう話は聞いたことがありません。辞める介護職員さんは他の理由で悩んでいる方が多いです。なので、介護の仕事はクリエイティブでやりがいのある仕事になり得るもので、その土台を築くための最初の数年間は特に若手職員さんたちのサポート、応援が必要だと感じています。

オラキオさん

国語、算数、理科、介護。子どもが当たり前に勉強する

 現在、柳沼さんと介護&ピースというユニットを組み、全国で活動しています。柳沼さんとよく話すのは、小さいときから介護についてもっと知る機会をつくるべきだということです。僕は小中学校で、国語、算数、理科、介護みたいな感じで、当たり前のことのように介護を勉強していけば、いざ自分が介護する側になったときや、職業選択の際に役立つと思うし、これだけ日本が高齢化して介護が大問題になっているからこそ、もっと日本全体で介護のことを考えるべきだと思っています。僕一人では現状を変えることはできなくても、少しずつでも介護に対する理解を広めていきたい。授業の中に週1回、介護の授業がある。壮大な話になってしまいますが、そうしなければいけないなと感じています。
 今、介護の最前線で働いている方には、このままやりがいを持ってお仕事を続けていただきたい。僕もできることをお手伝いしたいと思っています。これから介護の仕事に就こうとしている方には、初めは苦労も多いと思いますが1年目、2年目くらいを乗り越えたら全然違う世界が見えてきます。なんとか目先の忙しさや人間関係などの悩みに負けず、ぜひ続けていってほしい。そうすればその先に他の仕事では経験できないような感動体験に出会えると思います。
 僕も介護業界全体にもっと明るいイメージを持ってもらえるよう、介護職が素晴らしい職業であることを知ってもらえるよう活動を続けます。不祥事起こして禊にならないよう(笑)頑張ります!

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