ここから本文です。

働く人のゴカイ インタビュー

まったくの異業種から介護の道へ 介護職員 榎窪 悠樹さん(25) 医療法人 としわ会/北区複合型介護施設 介護老人保健施設

取材:2016年12月20日

自分は何がしたいのか?将来見つめ直し介護の道へ

 宮崎の高校を出て愛知県にある自動車の製造工場に7年勤めましたが、ゆくゆくは宮崎に帰って生活したいという思いがありました。しかし特別な資格を持っているわけでもなく、宮崎に帰っても何をすれば、と将来について考えたことが今の仕事に就いたきっかけです。それを考え始めたのがちょうど1年前のこと。その時、母が老人保健施設で看護師をしていることもあって介護職に興味を持ちました。ボランティアで母の職場に行って仕事を見た上で、工場で機械相手に仕事をするのではなく、人と接する仕事に魅力を感じ挑戦してみることにしました。そのため、ここで働き始めてまだ半年くらいです。
 きつい仕事だと母や周りの人からは言われていましたが、どんな仕事もきつい時はあると思います。そのため特別悪い印象はありませんでした。普段無口な利用者さんが、僕が相手だと話してくれると先輩から言われると、やはりうれしいですし、充実しているなと感じます。

おむつ交換だけが仕事ではない。転職組にも生かせる経験がある。

 介護職の仕事の中には汚いイメージを持たれる業務があります。それは食事介助やおむつ交換のことだと思いますが、食事介助やおむつ交換が仕事のすべてかというと、決してそうではありません。利用者さんとの触れ合いは本当に毎日充実していますし、汚いイメージにばかり執着しすぎているのではないかと思います。そこしか見ず、いいところが注目されていないのが残念です。他の仕事だったら、いいところしか見ずに、やってみたいと思うわけですからね。

榎窪 悠樹さん

 高校を出て別の職種で働いていた経験が今の仕事に役立っていることはたくさんあります。仕事に対する考え方や冷静な判断など、しっかりと周りを見て仕事をするというようなことです。今の仕事を始めてからも、利用者さんと対話していて自分の思うようにいかないとき、どうしたら反応してくれるのかと考えたり、仕事の流れを自分で工夫しようと行動することで、いろんな場面での対話力が身についています。他の世界でいろんなことを経験した上で介護職を目指すのも遅くはありません。むしろ反対に経験を生かして働くことができると思います。

介護の現場で働きながら資格取得を目指す

 介護職の魅力は人との触れ合いと対話です。前の職場では先輩から感謝されることはあっても、お客さんから言われることはクレームがほとんどでした。なので僕にとって直接感謝の気持ちを交わせることは新鮮です。迷っている方がいたら、とにかく見学でも何でも行ってみればいいと思います。行動することが大事です。僕も見学して現場を知ることで、やってみようかなという気持ちになりました。実際に見るまでは介護に対して悪い印象もありましたから。自分で見て、経験してみて、違うと思ったら別の道を行けばいいんじゃないでしょうか。

榎窪 悠樹さん

 将来の目標は介護福祉士の資格を取ること。少しずつですが勉強しています。学校に行って資格を取る道もあると思いますが、僕は現場が一番だと思います。仕事は主任に付いて教えてもらえますし、先輩の仕事や行動を見て、なぜこう動いているのかと疑問に思えば聞いて覚えていくこともできます。介護職に興味を持った始まりは宮崎に帰りたいというのがきっかけでしたが、今は帰る帰らないは別として、資格取得を目指しながら働いています。
 介護の道へ進むか迷っていらっしゃる方には、悪い面だけを見ないで、良いところにも目を向けてみてほしいです。給料も前職と比べても変わらないくらいもらっていますし、認知症の方を相手にするのは大変じゃないかとよく聞かれますが、認知症だと分かって接していたら別に怒ることもありません。異業種からの転職もハンデではなく生かせることがたくさんありますよ。

閉じる トップページ