ここから本文です。

働く人のゴカイ インタビュー

正規職員で働く2児のママ 介護職員 佐藤 秀美さん(32) 社会福祉法人 西春日井福祉会/清州の里 特別養護老人ホーム 介護福祉士

取材:2016年12月27日

介護求人の多さに興味を抱き職業訓練校へ

 アパレルの販売職をパートでしていましたが、転職したいと思い職探しをしていました。求人雑誌を見ていて気付いたのが、介護の求人が多いということ。なぜこんなに多いのか疑問に思ったのが興味を持ったきっかけです。1回勉強してみて、それでもできると思ったら挑戦してみようと失業給付を受けながら介護の職業訓練校に通いました。2年間、専門学校に通っている間、とても楽しく勉強できましたが実習は辛かったです。
 それでも介護職を選んだのは、施設によって差があると思ったからです。実習はグループホーム、特養など様々な施設で行います。探せば自分に合った施設や働き方ができるのではないかと介護職を選び、今の施設に正社員として入社して1年弱働いています。
 10歳と6歳の子どもがいますが、子育てしながら正社員として働くことに不安はありませんでした。学校に通う前から、近所に住んでいる両親を含めた家族と卒業したら正社員で働きたいという話をしていたからです。学校での実習も8時間受けないと単位がもらえませんので、通っているときから実際に働き出したらどうするかという話し合いをしていました。今は夜勤もありますし、遅番のときは夜10時までです。保育所の送り迎えなど両親と夫婦でローテーションを組んで担当している状況です。

子どもを産んでからでも積める介護のキャリア

 子育てしながら正社員として働いていけるかどうかは、職種ではなく、どれだけ家族の協力が得られるかではないでしょうか。普段から家族とコミュニケーションを取り、自分の生き方を理解してもらえているか。家族の協力が得られたからこそ、正社員で働くことと子育ての両立ができるのだと痛感しています。

佐藤 秀美さん

 私は21歳で結婚したので、正社員でしっかり働く期間がありませんでした。その代わり早く子どもを産んだので、子どもが落ち着いてからキャリアを積んでも遅くはないのではないかという思いがあり、それには介護の仕事がとても合っているように感じます。
 介護の仕事はある程度年齢を重ねても続けることができます。例えば特別養護老人ホームで勤務して体力的に厳しくなったと思えば、デイサービスや通所施設に転職してもいいですし、ケアマネジャーの資格を取得してケアプランの作成をする職種に変わることも可能です。介護の仕事は自分のライフプランに合わせて色々な働き方ができるのではないかと思います。今後この業界は更に利用者さんのニーズに応えるべく、事業者がさまざまなサービスを提供するようになってもおかしくない。これまでの重労働イメージとは違う多様な働き方ができるようになるのではないかと予測しています。

家族の協力を得てこそ仕事と子育ての両立が可能に

 今、働きながら思うのは、介護もそうですが子どもを育てるとき、もっともっと周りの人を巻き込んでもいいのではないかということです。子どもを産んだばかりのころは全部自分でやらなければいけないと自分で自分を追い込んでいました。働いていることで、もう少し大きな気持で子育てできるのではないかと思います。子どもと一緒にいる時間が少ない分、一緒にいるときは中身を濃くするよう気をつけています。一緒に思いっきり遊び、スキンシップを楽しんでいます。

佐藤 秀美さん

 子育てと両立できるかどうか悩んでいる人には、最初から無理だと決めつけず、前に進むための相談や話し合いをしてみることをお勧めします。ここをこうしたら働けるようになるというポイントを家族との話し合いで明確にして、自分に合った就職先、働き方を探してみてはどうでしょう。

閉じる トップページ