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働く人のゴカイ インタビュー

デイサービスで生活相談員としても活躍中! 生活相談員 田口 永子さん 社会福祉法人 和敬会/なごみの郷 デイサービスセンター 介護福祉士

取材:2016年12月28日

祖母の看護を通して知った介護福祉士という資格

 祖母は生まれつき肝臓が弱く、私が小さな頃から入退院を繰り返していました。小学校4年生の時症状がひどくなったため、入院の付き添いをしていた母が家を空けがちになり、寂しい思いをしたことを覚えています。ただ父は一生懸命面倒をみてくれましたし、そういう思いをしたからこそ、自分は人の役に立ちたい、お年寄りの方と関わる仕事をしたいと考えるようになりました。
 当時、毎週日曜日は祖母の病室で介護を手伝いながら一日を過ごしており、それが私の楽しみでもありました。食事の世話やおむつ交換にまったく抵抗はなかったですね。そこまで分かっていなかったということもありますが。看護師さんが「お孫さんですか?」と訪ねたとき、はっきり私の名前を言ってくれたことが大変うれしく心に残っています。病院での看護の現場を見て看護師に憧れていたのですが、介護をする母の姿や介護福祉士という資格があるということをこの時知り、それが私の介護職を目指すきっかけになりました。

尊敬する気持ちが自分自身を成長させる

 これはよく母親に言われたことですが、「自分が看てあげているのではなく、看させてもらっているという気持ちでやりなさい」と教えられてきました。そうした心持ちで仕事に携わると気付かされることが多く、勉強させてもらっているなと実感します。戦争の話、食べ物がなかった頃の話、風習などもそうですが、利用者さんたちの話してくれるこれまでの体験は、本当に貴重な知識なのだと感じます。また、皆さん、体型や趣味、趣向も当然異なり、現場では常に考える力が養われます。そのため、介護の現場は自分を成長させてくれる場所だと私は考えています。経験を重ねていくうちに自分の成長を感じられると、すごく嬉しく仕事が楽しくなっていきました。

田口 永子さん

 やはり入ったばかりの頃は先輩についていくだけで精一杯でした。特別養護老人ホームだったので、早番や遅番、夜勤もあり、仕事がエンドレスで続いているのかと思ったこともあります。つらいと思うこともありましたが、それはどんな職場でも言えることであって、自身の成長とともに感じなくなるものです。利用者さんをはじめ、上司や先輩にも恵まれていたのでしょうね。結婚などを期に何度か介護職を離れましたが、資格もありましたし、またこの現場に戻ってきたいという気になりました。今は産休や育休制度もありますし、子育てしながらという方でも、働きやすい職場だと思います。

自分のコンプレックスが認めてもらえた喜び

 現在はデイサービスの現場にいます。当施設は機能訓練に特化している所が特徴ですが、他にはご飯メインやレクリエーションメインの施設もあり、デイサービス一つ取っても内容は様々。 自分の生活に合わせて、働き方を考えることは大切なことだと思いますし、それができる職種だと思います。働きながらステップアップにつながる資格も取れますので、今後は資格取得を目標にしていきたいと思います。

田口 永子さん

 介護職に就くことに、何の不安もありませんでしたし、周りからも今ほど聞こえてくる声はありませんでした。私が高校を卒業した時代は資格社会で、進学先の専門学校でも介護福祉士は人気の職業だったんですよ。やりがいのある仕事と言われるように、喜んでもらえる、感謝してもらえるということが、本当に力になっています。私は昔から手汗をかくほうで、小学校のころはコンプレックスでした。それを施設の利用者さんたちはプラスに捉えてくれて、「あなたの手は温かくていいね」と言ってくれます。その温かさは悪いことではないと言ってくれる方のおかげで、自分のコンプレックスが悪いことではないと思えるようになりました。自分の特徴で安心感や穏やかな時間を過ごしてもらえるのであれば嬉しいなと思い、今は仕事に励んでいます。自分には何もないと思っている方も、介護の現場では自分の知らない魅力を感じられるかもしれませんね。

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