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働く人のゴカイ インタビュー

未経験で飛び込んだ介護職は思った以上に自分にぴったり 介護職員 倉地 伸和さん(27) 社会福祉法人 知多学園 / 論地がるてん 特別養護老人ホーム 介護福祉士

取材:2017年5月1日

尊敬されるより先に尊敬する仕事を

 学生時代は国語の教師を目指していました。教育実習にも行きましたが、自分の内向的な性格は教師に向いていないかもしれないと思い、断念したんです。福祉の道に興味を持ったのは、卒業して半年ほど経ってからのことです。新聞の求人欄でたまたま見た、介護職員の募集広告がきっかけです。
 このときは、介護の仕事に対して「高齢者のお世話」というぼんやりとしたイメージしかありませんでしたが、教師よりも、人生の先輩方に尊敬の念を持って教えを乞うように接する介護の仕事の方が、自分には合っていると思いました。私は、「男は仕事をすればいい。家事をする必要はない」と口癖のように言う祖母のいる家庭で育ってきて、お世話どころか入職当初は洗濯機のかけ方も知りませんでしたが、今となっては笑い話。掃除や洗濯も、利用者さんが快適に過ごせるようにするための大切な仕事の一つとして取り組んでいます。

小さな喜びが日々積み重なっていく

 介護の仕事のやりがいは、小さな喜びが日々積み重なっていくところにあると感じています。ある方は普段レクリエーションに参加されていなかったのですが、無地のうちわに絵を描くプログラムのときにクレヨンを一緒に握ってみたんです。すると、乗り気になって描いてくれて、「すまんな」と声を掛けてくれました。本人がどういうつもりでおっしゃったのか聞いたわけではありませんが、感謝の言葉だったのかなと思っています。初めて参加していただけた上に、ご自身からは滅多に話すことのない方だったので、この何気ない一言が今でも忘れられません。他にも、施設に入った当初は帰宅願望の強かった方が、私たちに心を開いてくれたのか、今では外出先から戻る時、「早く施設に帰りたい」とまで言ってくれるようになりました。散髪した私に「髪切ったね」と声を掛けてくれた方もいて、いつも自分を見ていてくれたことに感激したのを覚えています。

伊藤 智美さん

 現在の施設で介護の仕事に携わるようになって4年目になります。辞めたいと思ったことは一度もありません。それどころか休みの日にも、利用者の皆さんを思い浮かべてしまいます。「田舎のおじいちゃんは元気かな?」というのに近いでしょうか。出勤後の仕事内容ではなく、「今頃食事かな?」「風邪気味だったけど大丈夫かな?」など、純粋に気になるんです。こう考えるようになったのは、職場や周りのスタッフのサポートもあって、自分に少し自信がついたからなのかなと思います。

大切なのは相手を思う気持ち

 介護福祉士の資格を取得してからは、心の在り様が変わりました。食事や排泄など身の回りのお世話をするときはもちろんのこと、常に利用者さんの尊厳を大切にしながら接するようにしています。また、利用者さんにとって何が最善かを、それまで以上に考えながら動けるようになりました。おかげさまで利用者の皆さんから掛けていただく言葉の数も日増しに増え、施設の先輩方や同僚たちからは、入職した当初に比べて笑顔が増えたと言われています。

伊藤 智美さん

 介護の仕事というと、大変なことばかりがクローズアップされがちですが、福祉の道へ進んでみようと少しでも考えている方には、そこだけを見ないでくださいと伝えたいです。実際大変なこともありますが、冷静に見れば他の仕事の大変さと質が違うだけでしょうし、人との関わりの中で、その人の力になりたいと考えることができればきっと乗り越えられます。ぼんやりとしたイメージしかないまま福祉の道に進んだ私や、私と同様に未経験で37歳まで工場で働いていた同僚が、介護の仕事に文字どおり励むことができているのは、「『介助』ではなく『〇〇さんの介助』」を意識しているからなのだと思います。

社会福祉法人 知多学園
特別養護老人ホーム 
論地がるてん
社会福祉法人 知多学園

「がるてん」とはドイツ語で「庭」。地域密着型特別養護老人ホームの論地がるてんは木造平屋建ての中庭を有するどこか懐かしさを感じる施設です。利用者様に「我が家」と思っていただける、生まれ育った高浜市で最期までその人らしく生活していただける施設を目指します。

問い合わせ先:社会福祉法人 知多学園 特別養護老人ホーム論地がるてん

〒444-1314 高浜市論地町3-7-117

TEL:0566-53-3300

URL:http://www.chita-gakuen.or.jp/

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