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働く人のゴカイ インタビュー

家族のように一緒に暮らしお年寄りの日常をサポート 介護職員 生駒哲也さん(34)社会福祉法人成祥福祉会/岩崎あいの郷 特別養護老人ホーム 介護福祉士、社会福祉士

取材:2017年9月7日

“一目惚れ”で理想の施設へ就職

 高校2年生で一緒に住んでいた祖父が亡くなったとき、祖母が一時的に鬱のような状態になってしまったのを目の当たりにして、放ってはおけない、自分にも何かできることがあるはずだと福祉系の大学に進学することにしました。それまでは、なんとなく大学へ行ってなんとなく就職するのかなーくらいに考えていたのですが、今思うと、祖父のことが自分の転機になったように思います。福祉の道に進むのであれば、資格も大切だと思ったので4年制大学へ進み、卒業と同時に社会福祉士の資格、働きながら介護福祉士の資格を取得しました。
 大学卒業後、「岩崎あいの郷」に就職して10年目です。この施設に入ったきっかけは一目惚れ。ユニットケアという手法でお年寄りの生活をサポートしながら、お年寄りと職員が一緒に生活する様子を見学して、家庭の雰囲気をすごく感じました。お年寄りと職員がテーブルを囲んで楽しそうに話をしていて、僕もここで働きたい!と思い、翌日には「働かせてください」と電話をしたほどです。これまで続けてこられているのも僕にとって今でもここが本当に理想の施設であるからだと思います。
 僕もお年寄りと一緒に生活する中で、笑ったり喜んだりすると同時に、ときには喧嘩をすることもあります。お互いに思っていることを言い合える関係性が築けることがやりがいにもなっています。この関係性は決して、お世話してあげる側、してもらう側という気持ちではできないものだと思っています。

尊重し、気持ちを込めてサポートすることが大事

 5年前からユニットリーダーをしています。新しく加わるスタッフを指導する立場でもあるわけですが、仕事を覚えてもらうときに注意していることは、相手を尊重し、気持ちを込めてサポートすることが大事だということです。業務をこなす意識で流れ作業をしていると信頼関係も築けません。一緒に過ごす中で、その方ができないことをお手伝いするという思いが大切。例えば言葉遣い一つでも「〜しませんか?」と声掛けします。「〜してください」ではお年寄りも、そうしなければいけないのかなという気持ちになるからです。

生駒哲也さん

 今のユニットの担当になって5年、その間にお年寄りが今までできたことができなくなることもあります。それでも職員は少しでもできることを見つけて、できるだけ長く自分でやってもらえる方法を考えます。その結果、自分でできているのを見るとサポートできて良かったと思いますし、それがお年寄りの笑顔ややる気につながることが僕達の仕事を続けるモチベーションにもなっています。
 また、僕はちょくちょく子どもを連れて来ることもあるのですが、人付き合いがあまり得意ではない男性がいらっしゃって、普段は口数も少ないその方が子どもを見るとすごく笑顔になるんです。かわいがってくれるのを見ると嬉しいですし、本当にありがたい。子どもを一緒に育ててもらっているような気持ちになります。

景気に左右されない安定した収入が魅力

 就職先が社会福祉法人ということもあり、収入は世間の製造業や一般企業のような浮き沈みがなく安定しています。家族は妻と小学校1年生と年少の子どもがいて、十分家族を養っていくことができると感じています。
 また、ここでお年寄りの日常を支える仕事をしているので、ご飯を作ったり掃除をしたりといった家事が普通にこなせるようになりました。学生のときも実家暮らしで元々家事をやるタイプではなかったのですが、今では家でもちゃんとやりますよ。他の男性職員も家で家事をやる人が多く、夫婦で一緒に家庭のことができるのが強みかなと。それは一概に給料だけでは計れないメリットだと思っています。

生駒哲也さん

 介護の仕事というと食事、排泄、入浴だけとイメージしている方も少なくないですが、僕らの仕事はそれもひっくるめて、人の生活を作り直し一緒に支えていく仕事です。やりがいも喜びもありますし、自分を成長させてもくれます。僕も今は現場で経験を積んでいるところですが、この経験を生かして、いずれは相談業務にも関わっていきたいですし、地域福祉や施設の運営にも携わってみたいと思います。チャレンジできる環境もここには整っています。福祉の仕事はいろいろな選択肢があります。福祉の道を目指す皆さんも、ぜひ自分が描いた介護像を実現できる場所を見つけてください。

※ユニットリーダーとは
10名以下のグループをひとつの生活単位(ユニット)として、専用の居住空間と専任の介護職員を固定する方法で行う介護ケアを「ユニットケア」といい、ユニットケアを行う際に配置された介護職の方々をまとめる役割を担う。これに加え、臨機応変な対応や柔軟に仕事をこなすことが求められるため、知識・経験・スキルが必要である。

高齢者福祉施設 岩崎あいの郷
高齢者福祉施設岩崎あいの郷

岩崎あいの郷では、お年寄りと生活支援員がもう1つの家族のようにふれあいながら地域と共に過ごせるよう努めています。少しでもご自宅で営んできたままの生活に近づける工夫を凝らしています。またセラピー犬のあいちゃんはお年寄り・職員みんなのアイドルです。

問い合わせ先:社会福祉法人 成祥福祉会 高齢者福祉施設岩崎あいの郷

〒485-0017 小牧市岩崎原三丁目292番地

TEL:0568-75-2700

URL:http://www.seisho-fukushi.org/iwasaki/index.html

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