取材:2017年12月25日
祖母の介護をしていた母が急に亡くなったため、私が離職して自宅で祖母の介護をすることになりました。在宅で1年くらい介護をしたころ、祖母のケアマネジャーさんからここを紹介していただきパートで午前中だけ働き始めたのが仕事としての介護のスタートです。在宅介護をしながら午前中のパートを半年、その後週3日勤務を半年続け、祖母が亡くなってから正規職員になり約3年が経ちました。
介護離職する前は名古屋で一人暮らし。事務や開発の仕事で正社員として働いていたので、どうやって母が介護していたのかも知りません。最初は本当に何をするにも手探りで、ケアマネジャーさんやヘルパーさんから教えてもらいながらの毎日でした。
介護の仕事は体力的に大変な面もあります。利用者様一人ひとりで対応が違いますし、変化も見ていかなければならず、責任の重い仕事でもあります。ただ、私は自宅で祖母を介護していたからか、気持ちの面でそこまで介護の仕事がキツいという思いはありませんでした。
利用者様とご家族様に「ありがとう」と言ってもらえるたびに、この仕事をしていて良かったと思いますし、介護の仕事は自分の将来を考えるための材料をたくさんもらえる仕事だと思います。自分が誰かの役に立っていると日々実感できる仕事でもあります。

介護の仕事を始めるのは社会人経験を積んでからでも遅くはありません。私も専門的な知識はここに来てから勉強しました。働きながら初任者研修を修了し、職場の先輩にピッタリついてもらって学ぶことができました。
全く違う職種でしたが社会人の経験が介護の仕事に活かされた点もあります。常に笑顔でお客様に接することを心掛けていたことが介護の現場でも役立っているように思います。最近は事務業務もデジタル化してきているので、パソコンが使えるのも助かっています。
1月に介護福祉士の試験を受験しますが、将来はケアマネジャーの資格も取りたいです。祖母の介護中、外部との接触が途絶えて辛い思いをしていたとき、ケアマネジャーさんは祖母と私のスケジュール帳を2つ管理してくれて、少しの時間でも外で働くことを勧めてくれました。今私がこうやっていられるのはその方のおかげです。介護の仕事をするようになり、ご家族様にも心を配ることが利用者様の幸せにも繋がるということがよく分かるようになりました。私も祖母のケアマネジャーさんのように利用者様はもちろん、ご家族様も助けてあげられるような仕事をしていくことが目標です。

介護をされているご家族様は本当に大変だと思います。でもご家族様に気持ちのゆとりが無いと、ご本人様も幸せではいられません。私の場合、在宅介護だけを続けていたときは、祖母に対する言葉がついきつくなってしまい、自分を責めてしまうこともありました。
介護の仕事に就いて周りを見てみると様々なケースがあり、参考になると思いますし、自分のことを客観的に見られるようにもなります。外に出て他の人とお話するだけでも気が楽になります。ですから在宅介護をされている方が無理のない範囲でお仕事をしてみるのは私からもお勧めしたいです。そしてもし介護の仕事に興味があって、それが自分に合っていると思ったら、専門性を身に付けどんどん自分を高めていっていただきたいです。それができるのが介護の仕事だと思います。