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働く人のゴカイ インタビュー

やりたかった仕事は看護でも保育でもなく介護 介護職員 荻野郁美さん(25) 社会福祉法人 愛知県厚生事業団 愛厚ホーム岡崎苑 介護福祉士

取材:2018年8月28日

やってみて分かった、「いわれているほど辛くない」

 私が小学生のころ、ホームヘルパーの仕事をしていた母を通じ、利用者さんに絵葉書を描いて渡していたことがあります。何気ない日常を絵にしただけでしたが、利用者さんが喜んでいたことを聞いたり、返事をいただくこともあったりと、子どもながらにすてきな交流だなと思っていました。
介護の仕事に就こうと決めたのは、高校2年生のころ。同じく資格を取って働く仕事として、保育士や看護師も頭に浮かびましたが、中学や高校のときに特別養護老人ホームなどへボランティアに行ったこともあり、自分がやりたいことは介護福祉関係だと思ったのです。高校卒業後は、介護福祉について学べる短大への進学を決めました。
世間で介護の仕事は大変で辛いといわれていることはもちろん知っていましたし、私自身が気にしたこともあります。でも、具体的にどう辛い気持ちになるのかをイメージすることができなかったのと、何よりやってみないと分からないし、慣れもあるはずという気持ちの方が勝っていました。実際現在の施設に入職してからは、当初気にしていた大変さはほとんどなかったです。

利用者さんの感情に触れるのが仕事であり、やりがい

 介護の仕事は人との関わり合いがそのまま仕事になっているので、その人である利用者さんの喜怒哀楽に触れられるのがやりがいだと思っています。寝たきりの方でもご飯が食べられる日もあれば、食べられない日もある。今日は食べられたとか、いい表情をしているとか、「喜」や「楽」に触れられたときは、ちょっとしたことでもうれしくなります。

荻野郁美さん

 以前担当した利用者さんから動物園に行ったときの写真をもらったことがありました。それを画用紙に貼り、小学生のときのように絵を描いて渡したところ、すごく喜んでくれたことも忘れられません。たとえ「怒」や「哀」の感情だったとしても、接していくうちに利用者さんのことが分かってくるのは、心が通じ始めた証拠。また外出行事に出掛けて、「今日は楽しかった」「ありがとう」といった言葉がいただけるのも、この仕事をしていて良かったと思う瞬間です。

待遇面が充実してきた介護の仕事

 今勤めているのは岡崎の高齢者施設ですが、他の地域にも高齢者施設や障がい者施設があり、総合職で転勤もあるので、将来的には他の施設でも働きたいです。特に障がい者施設は、高齢者施設の仕事とは違うとはいえ、研修で会う同僚や転勤してきた先輩によると違ったやりがいがあるようですし、せっかく福祉の仕事に就いたので経験してみたいと思っています。

荻野郁美さん

 介護福祉の仕事は、給与や福利厚生など待遇面で他の仕事に劣るイメージがあるかもしれませんが、それは一昔前の話。今は給与面、休日面とも充実していると思います。実際、介護の現場を離れて転職したものの、介護職の方が厚遇だったという人は多いです。介護の現場で働くことを少しでも考えている人には、長く続けられる仕事で、女性も活躍できる職場だとぜひ伝えたいですね。

愛厚ホーム岡崎苑
特別養護老人ホーム 愛厚ホーム岡崎苑

特別養護老人ホーム愛厚ホーム岡崎苑は、木々に囲まれた自然豊かな環境の中、里山の家の集まりである「丘の上の集落」をコンセプトに、2014年に改築されました。入居者の尊厳を守り、福祉サービスを必要とする入居者が、心身共に健やかな生活ができるよう、また、個々の能力に応じた適切なサービスを提供し、自立した日常生活を営むことができるよう支援します。

【施設でのひとコマ】
【施設でのひとコマ】

季節を感じる行事を積極的に開催していて、8月は「流しそうめん」を行いました。そうめんを流す竹のレーンは職員のお手製。準備を終えると早速利用者さんらが集まり、スタンバイします。職員の合図とともに水の中を涼しげに流れてくるそうめんを、タイミング良くすくい上げる利用者さんたち。周囲で見守る職員や他の利用者さんたちから歓声が上がり、大いに盛り上がった夏のひとコマです。

問い合わせ先:愛知県厚生事業団 愛厚ホーム岡崎苑
愛知県岡崎市竜泉寺町松本34-6

TEL:0564-52-7715

FAX:0564-58-7220

URL:http://www.ai-kou.or.jp/home_okazaki/2012022614510947.html

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