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働く人のゴカイ インタビュー

子育てがひと段落し、介護の現場で働くことを決意  医療法人 宝会 老人保健施設 七宝園
 介護福祉士 大津直美さん(57)

取材:2019年9月6日

親の介護に備えて取得したヘルパーの資格を生かして

 私は、いずれ必要になる親の介護で慌てないようにと、20年ほど前にヘルパーの資格を取得しましたが、当時は介護の現場で働こうとは考えていませんでした。それが数年後、子育てがひと段落したところで、資格が生かせる介護の仕事をしようと決めて、療養型の病院に勤務しました。現在勤務している老人保健施設は、引っ越したのを機に入職しました。ここでの仕事で、「車いすからベッドに介助の必要なく一人で移れるようになった」など、利用者さんの日常生活動作が向上・回復し、気持ちも前向きになっているのが目に見えて分かるところは、やりがいに他なりません。
 利用者さんのケアについては、普段から看護師さん、理学療法士さんや作業療法士さん、ケアマネジャーさんと連携しながら進めていますが、利用者さんと最も接しているのは私たち介護スタッフ。医療的なことは看護師さん、リハビリに関することはリハビリ職の方と、都度に指示を仰ぎつつ、現場では介護スタッフが主体となって一人一人に合わせたケアを実践しています。

スタッフとの関わりも、利用者さんのケアも平等に

 今年から介護主任になり、普段心掛けているのはスタッフを平等にみることです。仲が良いから嫌なことは言いづらい、スタッフをまとめる立場である以上、そうあってはいけませんし、逆に私自身が何かあれば言ってもらえる姿勢を持ち続けたいです。

大津直美さん

 利用者さんとも平等に関わりたいと思っています。「利用者さんの家族のように」という気持ちを持ちながら、且つ自分に合う利用者さん・合わない利用者さんを作ってしまうことがないようケアを実践します。例えば、利用者さんの中には「のどが渇いた」など、したいこと・してほしいことを自分から発信できる方はたくさんいらっしゃいます。しかし忘れてはならないのが、発信できない利用者さんもいるということ。そういう方の表情こそよく見て、声なき声を拾うのも私たち介護スタッフの役目ですし、ひいては平等なケアにつながっていくのではないでしょうか。

身に付けた知識や経験は、親孝行にもなりうる

 介護の仕事と聞いてイメージするのは、お年寄りの話し相手になったり、一緒に散歩をしたりする他には、おむつ交換くらいでしょうか。少なくとも私はそうでしたし、介護の仕事に就こうと考える入り口としては、それで十分だと思っています。あらかじめ勉強しておくのに越したことはありませんが、どんな仕事も実際に働いてみないと、楽しさや大変さは分からないもの。もちろん介護の仕事も同じです。介護の仕事を戸惑う理由に、認知症の方への対応がよく挙がります。私も最初は不安でしたが、認知症の方と関わって大声を出して笑い合ったとき、大丈夫だと思いました。介護の現場では、案外利用者さんが私たちの仕事を楽しく、魅力的なものにしてくれているのです。

大津直美さん

 魅力といえば、仕事を通じて身に付く知識や経験は、いざ自分が親の介護をするときの備えになっている点も見逃せません。いつかは誰もが直面する問題に慌てない自分でいることは、親を楽にさせてあげられることにつながる、いわば親孝行。この仕事ならではの、ステキな成果です。

老人保健施設 七宝園
老人保健施設 七宝園

認知症を専門的に診察・治療している七宝病院をはじめ、あま市や海部郡蟹江町で6つの施設を運営する医療法人「宝会」の老人保健施設です。レクリエーションやリハビリを通して「からだ」を援助し、敬愛の念を持って「こころ」を支援。医療・介護・福祉の「安心ネットワーク」を生かし、利用者の方が自宅復帰できるよう努めています。すぐに復帰の難しい方に対しても、無理のない楽しいプログラムで、老いと向き合いながらどう生きるかを考え、学びながら、ご家族と共に支援しています。

問い合わせ先:医療法人 宝会 老人保健施設 七宝園
愛知県あま市七宝町下田矢倉下1433

TEL:052-445-5411

FAX:052-445-4555

URL:http://takarakai.or.jp/facilities/sippouen

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