前回、取材していただいたときは専門学校の2年生でしたが、あの後受験した介護福祉士の国家試験に合格し、無事希望の施設に就職することもできました。この施設を選んだ理由は、従来型の特別養護老人ホームを探していたことが一つ。従来型（※）の方がたくさんの利用者さまと出会い、働きながら多くのことを学び、広い視野を持てると思ったからです。もうひとつの理由は、施設見学のときに離職率が低いと聞いてこの施設は職員の人間関係も良いのではないかと思いました。実際、先輩もいい人ばかりで、困ったことや悩みごとがあると快く相談にものってくれますし、すごく働きやすい職場だと実感しています。 　
　私が担当するフロアは特別養護老人ホームとショートステイがあるので、先輩に付いて両方担当しています。夜勤は月3回あり、今は先輩がいてくれますが、いずれは一人で見ることになるのでまだ不安です。回数を重ねて慣れることも大事だと思うので、日々覚悟というか心構えを持って取り組むようにしています 。

　小学校5年生のときからの夢をかなえて介護の仕事に就き、今は楽しくてしょうがないですし、やりがいもすごく感じます。例えば会話でのコミュニケーションをとるのが難しい利用者さまと関わるときに、身振り手振りで意思疎通しようとして相手の気持ちが分かり、利用者さまの笑顔が見られたときは本当にうれしいです。介護の仕事は小さなことでも達成感を感じられることがたくさんあります。専門学校の実習のときも「ありがとう」と言ってもらえてすごくうれしかった思い出がありますが、今もたくさん言ってもらえます。「ありがとう」を連発されて、自分はたいしたことしていないのにと思ってしまうくらいです。

　働き始めて、思っていたのとは違うこともありました。一番辛かったのは、新人に介助されるのが好きではない利用者さまから「あんたは、いいやー」と言われてしまったことです。自分も初めて関わる利用者さまに接するときは緊張しますし、不安な気持ちが伝わってしまったのだと思います。誰でもやらせてもらえるわけではないんだなと痛感しました。でもそこで諦めず、日々信頼関係を築くことができるようコミュニケーションを取り続けることが大事だと思っています。苦手意識を持つとそこで終わってしまいます。私にもやらせてもらえるよう、辛抱強く関わっていきたいです。

　専門学校では介護職に必要な基本的な技術や知識を学ぶことができたので、学校に行っておいてよかったと思うことがよくあります。土台がありますから、ゼロからではなく施設独特のやり方やコツ、工夫を学ぶところからスタートできます。就職して間もないので不安もありますが、何も学んでいないより心強い。自信を少しは持てるかなって感じています。

　まだ新米の私ですが、ケアをするとき心がけていることは笑顔と敬語です。人生の大先輩ですから、尊敬の気持ちを持って対応したいです。今後はケアマネジャーの資格も取りたいと思っていますが、資格を取っても現場にいたいです。利用者さんの笑顔が見える、「ありがとう」が聞けることが一番のやりがいだと思っているので現場を離れたくないです。
　介護の仕事は、自分を見つめ直すことができる仕事です。自分だったらどうケアしてもらったらうれしいか、どうされたら恥ずかしいか、といったことを考えながら、ケア一つで自分を見つめ直し、自分の取り柄は何だろうと考えることができます。私の取り柄は笑顔だと思うので、笑顔で接して利用者さまに心から「ありがとう」と言ってもらえるようなケアをしたいと毎日思っています。利用者さまの純粋な気持ちの「ありがとう」を聞けるのは介護の仕事が一番だと思います。介護の仕事に興味のある方は、そんな「ありがとう」の言葉をぜひ聞きに来てください。