取材:2020年10月27日
一緒に暮らすお婆ちゃんの体がだんだん悪くなってきたことで、自分が少しでも手伝えることがないかと思い、介護の道を志すことにしました。両親が共働きだったので、自分の面倒を見てくれたのがお婆ちゃん。自分が介護を学ぶことで少しでも助けられたらいいなと考えたからです。
介護を学ぶため専門学校に行きたいと家族に言ったとき、両親は自分がやりたいのならそれでいいと賛成してくれましたが、友達は「ストレスかかるんじゃない?」という反応でした。でも自分の目で見てみないと分かりません。自分で体験して、入学してから考えても遅くないと進学を決めました。
この学校に決めたのは、オープンキャンパスでの先輩方の雰囲気が一番良かったからです。他にも個別指導に力を入れているということで、学びやすいし、友達も作りやすいと思って選びました。実際、担任の先生が、学生から「お母さん」と呼ばれているくらい、とても先生との距離が近く、親身になって気遣ってくれます。今、僕は老人保健施設(老健)でアルバイトをしていますが、それも先生からの紹介です。留学生も多いので、最初は戸惑いましたが、今ではいろいろな国の学生と友達です。この学校に入って留学生に対するイメージが変わりました。

でも、嬉しかったこともたくさんあります。一緒にいると癒やされる利用者さんもいるので、その方とコミュニケーションしているときは、楽しいですしホッとします。
介護職の魅力は、「ありがとう」とたくさん言ってもらえることだと思います。言ってもらえるとやりがいを感じますし、頑張ろうと思えます。僕は老健でのアルバイトを通して介護の現場を深く知ることができて良かったです。
将来は、傾聴、受容、共感ができる介護職員になりたいです。実習先の特別養護老人ホームで会った指導職員さんが傾聴、受容、共感がすごく上手な職員さんでした。僕もアルバイト先で忙しくてなかなか利用者さんの話にしっかり耳を傾けていないと思っていたところだったので、実習先で指導職員さんのその姿を見て、これが本当の良い介護職員なんだなと実感できました。

来年4月、内部進学をして社会福祉学科に編入学します。そこで社会福祉士の国家試験受験資格を取って、将来は社会福祉士の仕事に就きたいです。
介護業界は同世代に人気がある職種だとは言えませんが、介護を学んで損をすることはありません。例えば自分の家族が、介護が必要になったとき、経験や習得した技術、知識を生かせます。待遇面で不安だとの声も聞きますが、それは資格を取ってキャリアアップすることで改善できます。介護職をイメージだけで決めつけるのではなく、自分の目で見て、楽しい雰囲気を感じてみてほしいです。