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働く人のゴカイ インタビュー

医療法人 瑞頌会 介護老人保健施設かにえ 伊藤嘉英さん

取材:2020年12月2日

小学校卒業時には、福祉の道に進むことを決意

 私には自閉症の弟がいたので、将来は福祉の仕事がしたいと子どものころから漠然と思っていました。小学校の卒業文集にも書いており、それを読んだ友人の親御さんが感動したという話を聞いて、本気で目指してみようと決めたんです。高校卒業後は福祉の専門学校に進学し、実習先として高齢者福祉施設の方が多かったこともあり、結果的に介護職の道を選びました。
 専門学校の先生が、「介護の仕事は良くも悪くもおせっかいを焼くことだけど、やってあげている気持ちを持ってはいけない」と話していました。介護職は排泄や入浴など本来なら他人に見られたくない部分に介入しますが、大半の利用者さんは、事情があって介護を受けないといけないので、気持ち良くとまではいかなくとも介護職を受け入れてくれます。しかし、中にはそうでない人もいて、そのとき決まって頭に浮かぶのが、先生の言葉。尽くし甲斐のある仕事だとつくづく思います。

利用者さんと関わり続けつつ、仲間に経験を伝えたい

 現在の施設は入職してまだ3年目ですが、介護職としてのキャリアは30年近くになり、これまでには特別養護老人ホームやグループホームでの勤務も経験してきました。ケアマネジャーの資格取得も目指せますが、今は少しでも長く介護職として利用者さんに関わっていきたいと考えています。また、教えられる立場ではなく教える立場だと思っているので、若い人にも私のように転職してきた人にも、相談されれば何でもお話ししたいし、それが参考になればうれしいです。

伊藤嘉英さん

 長く続けるには、自分がしている介護が利用者さんに最適だという思いを持ちすぎないことでしょうか。もちろん自分の介護技術に自信を持つことは大切ですが、先ほどお話しした通り、利用者さんに受け入れてもらえないときもあります。自分の思いが強いほど心が折れてしまうので、そんなときに自分の中で折り合いがつけられるとモチベーションを保ち続けられ、自分の全力の範囲を超えない仕事ができるはずです。

長くやってきたからこそ分かる、働く環境の向上

 私が介護の仕事を始めたころは、利用者さんやそのご家族が入所施設やケアの手法が自由に選択できなかった「措置制度」の時代でした。それが2000年から始まった「介護保険制度」を機に利用者さん本位へと変わり、施設は選ばれる立場になりました。これに伴って、よりよいサービスを提供するために私たち介護職の働く環境は、待遇面も含めて向上しています。月並みですが、介護職はやりがいのある仕事ですし、必要とされている仕事です。介護に興味のある人はもちろん、どんな仕事に就こうか迷っている人にこそ、私は勧めたいです。

伊藤嘉英さん

 超高齢社会となった今、介護は誰にとっても身近なことで、これからますます加速していくでしょう。誰もが介護をする側・される側になるからこそ、介護というものに興味・関心を抱いてほしいです。その結果として、介護の仕事に就く人が増えてくれることを望みます。

介護老人保健施設かにえ
介護老人保健施設かにえ

在宅療養を支援するために、介護老人保健施設、ショートステイ、デイケア、訪問看護リハビリステーション、居宅介護支援事業所を1つに集約し、在宅療養総合支援センターとして医療法人瑞頌会が開設した施設です。尾張温泉かにえ病院をはじめ近隣病院とも連携し、病院と在宅の中間を繋ぐ施設として積極的にリハビリテーションを提供。地域の方々が住み慣れた地で自分らしく暮らせるように、職員が多職種連携を図り、入所者の在宅復帰をサポートしています。

問い合わせ先:医療法人 瑞頌会 介護老人保健施設かにえ
愛知県海部郡蟹江町新田佐屋川東48-1

TEL:0567-96-7001

FAX:0567-96-7004

URL:https://www.kanie-hp.jp/center/rouken/

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