取材:2021年11月4日
僕が初めて介護に触れたのは中学校2年生のときの職業体験でした。母が保育士をしていて姉も保育士を目指していたので、職業体験も保育にしようと思っていたら、保育が介護と一緒のくくりになっていて、行き先は介護になってしまいました。特別養護老人ホームで体験することになり、行く前は「嫌だなー」と思っていたものの、2日間施設で過ごしてみたら特に悪い印象も無く「楽しいじゃん!」って思いました。中学、高校時代も特になりたい職業も見つからなかったので、大学は介護を目指すことに。夢が広がりそうだとの期待もありました。
最初は介護福祉士になるつもりだったのですが、介護施設でアルバイトを始め、社会福祉士の実習に行ったことで社会福祉士もいいなぁと気持ちが揺らいでいます。実習先がたまたま今自分の住んでいる地域の社会福祉協議会で、地域のためにいろいろな仕事をしてくださっていることを知ったからです。まずは国家資格を取らなければなりませんので、介護福祉士と社会福祉士のダブル資格取得のための勉強を続けながら将来のことを考えていきたいと思っているところです。

最初の実習を振り返ると、コミュニケーションが取れなくて困ったことを思い出します。全然言葉が出てこない。なんとか話し掛けることができても続かない。コミュニケーションって本当に難しいです。介助の技術どうこう以前に話せないのは自分でも予想外でした。
1か月間通った最後の介護実習最終日、介護計画を受け持ち、実践した利用者さんから手紙をもらいました。手が震えてしまうのに一生懸命書いてくださって。自分だけが信頼関係を築いたとか、良かったと思うだけではなくて、相手から本当にありがとうって言っていただけたことが嬉しかったです。
実は中学校の職場体験のとき、施設の利用者さんが一人、亡くなりました。後で職員の方から、最期まで笑って、ありがとうって言っていらっしゃったと聞いて、人の最期に立ち会う職業なんてお医者さんしかいないと思っていたのに、介護職ってすごく特別だと感じたことを覚えています。だから自分も介護の現場で利用者さんから「あの人になら任せられるし安心できる」、職員からも「あの人に聞けばなんとかなる」と思ってもらえる介護職員になりたいです。

介護の仕事の魅力は目に見えて人の役に立っていることが分かること、ありがとうの言葉が直接聞けることだと思います。介護職を目指す高校生の皆さんは進学先を選ぶ際、ぜひオープンキャンパスに行って4年間通うことになる場所を自分の目で確かめてみてください。自分のなりたい職業に必要な資格の合格率もチェックしてみるといいと思います。合格率が高いと、自分も頑張らなくっちゃ!という良いプレッシャーにもなります。僕も国家試験がんばります。一緒に頑張りましょう!