取材:2022年4月22日
介護に興味を持ったのは、大学卒業後、新卒で勤務した知的障害者の方の入所施設でのことです。その施設では18歳から80歳の利用者さまがいて、高齢の方を担当するうちに「高齢の方へのサービスとは?」との疑問が自分の中で強くなっていきました。そのころ友人がデイサービスを全国展開している会社に勤めていたので相談したところ、新たにデイサービスを開設する法人で管理者を募集していると聞き、興味をもって転職したことがきっかけでした。
それから約8年。現在、生活相談員として現場で利用者さまの手助けをしながら利用者さまに関わる方々との相談業務を担当しています。仕事で大切にしていることは、自宅とは違った環境での利用者さまの変化などにいち早く気付き、周りと連携していくこと。求められていることだけを実践してもそこに感動はありません。求められていることプラスアルファを行うことで感動していただけると思っています。利用者さまと利用者さまに関わっている方々が何を求め、更に自分にできることは何かを常に考えるようにしています。
日々の仕事の中で利用者さまのご家族から「いつもみてもらってありがとうございます」と言われると報われた気がします。利用者さまからも「ありがとう。いつも悪いね」と言われるととても嬉しい。自分は人の役に立っていると実感できる瞬間です。利用者さまを紹介してくださるケアマネジャーさんから「ここに紹介して良かった」と言われることも、やってきたことが評価されていると感じます。
2025年問題※など、介護事業所を取り巻く状況は決して明るいことばかりではありませんが、自分は「事業所の魅力・満足度の向上」を目標にしています。競合他社も多い中、生き残るためにも、事業所の魅力をアップしていきたいです。自分のキャリアについても資格取得はもちろん、経験を活かし事業所を盛り上げていきたい。事業を更に拡大していくお手伝いができればと思っています。
中高生の皆さんは介護イコール3Kと言われるネガティブな印象を持っているかもしれません。私も学生時代そうでした。しかし今はその3Kを別の頭文字「感謝・共有・可能性」で考えています。
まず「感謝」。こちらは当たり前のことをしているにも関わらず利用者さまやご家族から感謝されることが多くあります。これほど直接感謝を言っていただける仕事は他に無いでしょう。それに人生の大先輩である利用者さまからさまざまなことを教わる機会も多く、これも感謝です。
「共有」には利用者さまが出来たことや楽しかったことを他の利用者さまやご家族、事業所のメンバーに知ってもらうことで更に利用者さまのやる気を引き出すことができる。これは利用者さまだけでなく、私たちスタッフも色々な方とコミュニケーションを取ることで自分の知識も増え、利用者さまの生活を豊かにするお手伝いができます。
そして「可能性」。利用者さまにはできることはたくさんあると信じています。高齢になると出来ないことのみ注目されがちですが、関わり方次第で色々なことができることを証明してくれます。介護の仕事に携わる中で得た経験はこの先、必ず生きてくるはずです。そんな新たな3Kを意識するだけでも介護の仕事は一層楽しくなると思っています
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※戦後の第一次ベビーブームに生まれた団塊の世代の方々が全て75歳以上の後期高齢者となり、日本がさらなる超高齢社会を迎えることにより起きる医療や介護、労働力不足などの問題。