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働く人のゴカイ インタビュー

特定非営利活動法人かくれんぼ 小規模多機能 惠 アンディ ヌルハサナーさん

取材:2022年4月19日

アルバイトから正職員へ 初めは苦しんだ言葉の壁

 私は子どものころから留学するのが夢でした。インドネシアの病院で2年間、助産師として働いていましたが、夢を捨てられず日本に留学で来たのが2017年の10月です。
日本語学校に通いながらデイサービスでアルバイトをしていた時に、インドネシアでは助産師として「人生の始まり」を学んだので、日本では「人生の終わり」を学びたいと思い、介護の専門学校に入学することにしました。

アンディ ヌルハサナーさん

 専門学校で2年間勉強して介護福祉士の試験に合格し、介護福祉士になりました。今働いている施設でアルバイト2年、介護福祉士として働いて2年目になりました。  日本に留学するとき、不安もありました。最初は日本語が全然できなかったので、会話が難しかった。言葉以外ではアパートを探すのも大変でした。アルバイトをするようになってからも電話での会話に苦労しました。早口で話されると、なかなか聞き取れなくて。相手の顔が見えないので電話で会話するのはすごく難しいです。でも、得意になろうと頑張ったので、今ではゆとりをもって電話でも話せるようになりました 。

相談にのってくれる職場の先輩 毎月の研修でスキルアップも

 介護福祉士の試験は1回目で合格できました。試験前はグループに分かれ、皆と質問をしあって答え合わせをする勉強をしました。私の勉強方法は読んで覚えるより、聞いて話して頭に入れる方法です。記憶しなければいけないことは友達と会話しながら覚えていきました。

アンディ ヌルハサナーさん

 私が通っていた介護の専門学校は、外国人があまりいなくてインドネシア人は同学年では私一人。韓国人とベトナム人がいましたが共通の日本語で会話するしかありません。日本語学校のクラスでもインドネシア人は私一人だったので、かえって日本語で話すことを頑張れたと思います。
 今でも分からないことは一緒に働いている先輩が教えてくれたり、相談にのってくれたりします。「かくれんぼ」では、毎月研修があるので、勉強を続け、介護のスキルアップを目指しています。
 新しく後輩が入ってきたときは、「気付き」が大事だと伝えています。利用者さんは一人ひとり違います。一人ひとりをきちんと見ていれば「気付き」があり、この利用者さんは何をされたいのか、今の体調はどうなのかなど変化が分かります。もう一つ気を付けてもらいたいのは「大丈夫だろう」とは思わないように。何が起きるか分からないという心構えでいてほしい。慣れて安心してしまうより、怖いと思うほうが良いと思います。

利用者さんからの信頼と「ありがとう」がやりがい

 介護の仕事の魅力は信頼されることです。アルバイトをしているときに介護の仕事を目指そうと思ったきっかけも、認知症の方に名前を覚えてもらえたことでした。他のスタッフの名前は覚えてくれないのに私だけ名前で呼んでくれて信頼されたのが嬉しくて、もっとここで働きたいと思いました。利用者さんから「ありがとう」と言ってもらえるのもすごく嬉しく、やりがいを感じます。

アンディ ヌルハサナーさん

 インドネシアではおじいちゃんと一緒に住んでいて、家の周りにもお年寄りがいっぱいいたので、子どものころからお年寄りと話をするのも聞くのも好きでした。今もお年寄りと話したり歌ったりすることが大好きです。利用者さんとも童謡「浦島太郎」とか「桃太郎」とか一緒に歌うと仲良くなれます。でもまだ3曲くらいしか知らないです(笑)。歌はデイサービスで皆さんの歌を聞いて覚えました。私が歌うと「すごいね」「歌えるね」って利用者さんが喜んでくれます!
 日本で介護の経験をもっと積んで、将来はインドネシアに戻って介護施設と病院が一緒になった施設を作れたらいいなと思っています。インドネシアにも「かくれんぼ」のような施設が必要になります。私は助産師もできるので、人生の始まりから終わりまで、頼りになる場所をつくりたいです。
 それと、後輩を教えたいという思いもあります。話すのが好きだし、自分の経験を伝えたいです。日本で介護の仕事がしたいインドネシア人には、最初は日本語を一生懸命勉強してほしい。会話ができれば皆と仲良くなれます。そして資格を取って長く働いてほしいと思います。

特定非営利活動法人かくれんぼ 小規模多機能 惠
特定非営利活動法人かくれんぼ 小規模多機能 惠

小規模多機能型介護施設である小規模多機能 惠は、「等生(とうせい)」を理念に、一人ひとりを大切にし、その人らしく生き抜くお手伝いをしています。1階は「通い」の方が体操やレクリエーションなどを行うリビング、2階は「泊まり」の方の個室があり、プライベートも確保できる設計になっています。 お一人おひとりに合わせたきめ細やかで柔軟な対応で取り組んでいます。「通い」以外の日には、自宅へ「訪問」を希望する方も多く、地域の皆さまに広くご利用いただいています 。

問い合わせ先:特定非営利活動法人かくれんぼ
小規模多機能 惠
名古屋市北区金城町四丁目31番1

TEL:052-934-7480

FAX:052-934-7481

URL: https://kakurenbo.or.jp

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