取材:2022年6月14日
今、老健(老人保健施設)で利用者さまの日常生活のサポートをしています。振り返ってみると、介護の仕事に興味を持ったのは子どものころからです。祖父の兄が後天的な障害があったので、幼いころから祖父母に連れられて病院や施設へお見舞いに行く機会がよくありました。「介護職」という仕事があることを知ったのも、そこで働く人たちと顔見知りになり、お話させていただく中で教えてもらったのが最初です。
病院や施設で祖父の兄と接する介護職員さんたちの姿を見て、介護の仕事を身近に感じると同時に、中学生になるまで特にやりたいことが見つからなかった自分が、人の役に立つ仕事がしたいと介護職を目指すことにしたきっかけだったように思います。
将来は介護の仕事をしようと決めていたので中学卒業後に名古屋福祉専門学校へ入学。高等課程から専門課程に進学し、今働いている法人に新卒で入職しました。介護の仕事を目指すことについて、家族は最初驚いたみたいです。でも「この先ますます必要な職業だよね」と賛成し、応援してくれましたし、友達も「性格が優しいから向いている」と言ってくれています。
介護職の魅力は、利用者さまのやりたいことや希望をかなえてあげられる瞬間があることです。利用者さまのニーズに応えられたときが、一番介護職員としてやりがいを感じます。人間同士なので、まれに嫌われてしまって悩むときもあります。でも、そういうときでも利用者さまと向き合い、先輩に相談しながら対応していきたいと思っています。その点、いつでも先輩職員や他のスタッフさんに相談させてもらえる環境にあることがありがたいです。自分はまだ教えられるような立場にはありませんが、今後、相談されても対応できるよう責任を持って仕事をしていかなければならないと感じています。
将来のキャリアアップについて考える余裕は、正直まだありません。今は介護職員としての経験を一生懸命積んでいるところです。最近、利用者さまのケア以外のさまざまな業務を任せてもらう機会が増えてきました。しかし、ほかの業務に時間を取られてしまい利用者さまの対応がおろそかになることがないよう、基本を忘れず毎日のケアを行っていきたいです。
僕が今働いている施設に就職を決めた理由はいくつかあります。施設の安全性や清潔さなどのほか、見ただけでは分からない雰囲気や先輩職員の働きぶりも見学で見ることができました。なので、これから就職先を決めようと思っている方には施設の見学に行くことをお勧めします。
学生時代にボランティアでさまざまな施設、特養(特別養護老人ホーム)やデイサービス、今働いている施設以外の老健に行ったことも、自分がどのような種類の施設に合っているかを知る良い機会になりました。介護の仕事に興味を持っている方には、ぜひ施設に見学やボランティアに行っていただいて、イメージで悪く考えてしまうよりも、実際に見て判断してもらいたいなって思います。
利用者さまは認知症などの病気やさまざまな事情を抱えていらっしゃいますが、それらはいずれ僕たちも抱えるかもしれないものですし、それを支えていけるのが介護職、なくてはならない職業です。肉体労働的な部分も確かにあるものの、やりがいの方が大きく感じるので、今後も人との関わり合いや繋がりを大事にしながら、この仕事を続けていきたいです。