製品名:wellsリフトキャリー

wellsリフトキャリー

wellsリフトキャリーとはどのようなものですか。

株式会社ワンセルフ代表取締役 岡崎律子さん(以下岡崎さん):

移乗の際のスタッフの負担を減らし、利用者さまに安全に入浴してもらうための入浴支援ロボットです。座ったままで体を洗い、入浴できるので利用者さまもスタッフも安心。浴槽に取り付けるタイプなので工事も必要ありません。

このシステムを導入した理由を教えてください。

岡崎さん:

リハビリセンターワンセルフはリハビリ機能訓練強化型のデイサービスのため、入浴もリハビリの一環。一人でお風呂に入れない利用者さまも練習をしながら、安全な入浴の仕方を指導させていただいています。開設から10年が経ち、最初から来てくださっている方も身体の機能がだんだんと落ち、介護度が高い方も増えてスタッフの負担も増えていました。中でも浴室は泡で滑ってしまうこともあり、転倒など事故が多い場所です。wellsリフトキャリーを使用することにより利用者さまの負担や不安、スタッフの負担軽減をするために導入しました。取り外しができ、さまざまな状況に柔軟に対応できる点も助かっています。

使用対象はどのような方ですか。

小野田さん:

半身麻痺など介助量の多い方、ふらつきが強い方などを中心に使用しています。

導入効果をお聞かせください。

濱さん:

車椅子からリフトに移乗したあとは洗身、洗髪をしてそのまま横にスライドして浴槽に入ることができます。抱えることなく浴槽をまたいで入浴できるようになったため、シャワー浴しかできなかった利用者さまも浴槽内で湯に浸かることができるようになりました。
また、昔は腰痛で辞めるスタッフもたまにいたのですが、今はいなくなりました。もちろん各自が腹筋体操やストレッチをしたり、コルセットをして気をつけていることもあるかとは思います。

wellsリフトキャリーの使用方法
wellsリフトキャリーの使用方法

機械が苦手な方でも、すぐに慣れることができましたか。

岡崎さん:

昇降スイッチと横スライドだけですので、勉強会を1回行っただけで理解でき、皆が問題無く使用できています。やはり自分で触ってみないと分からないと思いますので、動画などではなく実際にスタッフを乗せて練習しました。操作はシンプルで難しくありません。施設がもう一つあるので、そこでも導入したいくらいです。

導入の感想をお聞かせください。また、介護ロボットや介護のICT化は今後どのようになっていくと良いとお考えですか。

岡崎さん:

人間は老いや病気には勝てませんが、家族に迷惑をかけずに、なるべく自立していたいと望む方はたくさんいらっしゃいます。そういった方々に「自分はこんなこともできない」ではなく「こんなこともできる」と思っていただきたいというのが理学療法士としての考えです。ワンセルフでは全てやって差し上げるのではなく、利用者さまが自立する努力をするところをサポートするケアを心がけています。その際にロボットがあるとスタッフの負担も少なく、何より利用者さまが「自分も人に迷惑をかけることなくできた」と思うことができます。利便性やスタッフの負担軽減も大事ですが、利用者さまの「迷惑をかけずに自分でやりたい」という思いを実現することにもロボットやICTは一役買ってくれるのではないかと期待しています。

実際に使ってみて

株式会社ワンセルフ
リハビリセンターワンセルフ
介護職員 介護福祉士
濱 弘美さん
これまでシャワーのみで湯船に浸かることを諦めていた利用者さまが、お湯に浸かることができて喜んでくださっているのを見ると私たちも嬉しいです。
濱 弘美さん
株式会社ワンセルフ
リハビリセンターワンセルフ
介護職員 介護福祉士
小野田 和恵さん
wellsリフトキャリーを利用するときは、動かす前に声掛けを必ず行います。「上がりますよ」「足が離れますよ」といった声掛けを行うことで、利用者さまにも安心してもらえます。
小野田 和恵さん

取材に協力してくれたのは

株式会社ワンセルフ リハビリセンターワンセルフ

いつまでも自分らしく生活することを人生の目標に、ワンセルフは目標達成のお手伝いをさせていただきます。モットーは「明るく元気に」。理学療法士が適切なプログラムを提案し、効果的なリハビリとおいしい食事を提供できるよう、スタッフ一同で切磋琢磨しています。

株式会社ワンセルフ リハビリセンターワンセルフ
問い合わせ先:株式会社ワンセルフ
名古屋市緑区元徳重一丁目1516番地
TEL:052-838-8307
URLhttp://www.oneself-oh.jp

製品名:移乗サポートロボットHug(ハグ)

移乗サポートロボットHugとはどのようなものですか。

森さん:

ベッドから車椅子、トイレなど座位間での移動や、立位を保持して衣服の着脱などをサポートするロボットです。

導入した理由を教えてください。

森さん:

大きく2点あります。1点目は、2018年にジョイステイの5カ年計画を作った際、その中で「おむつゼロ活動」を掲げました。利用者さんができるだけトイレで排せつしていただけるようにする活動です。排せつの介助には、通常2人の職員が関わりますので、当時は遠慮して自分でトイレに行きたいと言い出せない利用者さんがいらっしゃいました。Hugを導入することによって職員が1人で対応できるようになり、利用者さんも気兼ねなくお申し出いただけるようになりました。2点目は、職員の腰痛予防です。特に夜勤など職員が少ない時、他の職員の応援を待てずに介助することがありました。1人で介助する際も腰痛にならないようなロボットがないかとリサーチしていたところHugに出会いました。

使用対象はどのような方ですか。

柴田さん:

排せつ時、ベッドでパッド交換していますが、ご自身でトイレに行きたい方で、移乗の際に介助が必要な方が対象です。ただし、脱臼しやすい方、手足が不自由な方、認知症などで手すりを持つことがご理解できない方は利用できません。

導入効果をお聞かせください。

柴田さん:

ある利用者さんの事例ですが、昼夜共にベッド上で排せつをされており、移乗動作もこちらで全部介助している利用者さんがいました。まずは昼間だけHugを使っていただいたところ、徐々にトイレで排尿できるようになりました。失禁も少なくなり、オムツから紙パンツ、最終的には布パンツへの移行ができて、ご本人さんもすごく喜んでいました。またHugは、介護保険のレンタル対象となっており、ご自宅でも継続してご活用いただいています。

移乗サポートロボットHug(ハグ)の使用方法
移乗サポートロボットHug(ハグ)の使用方法

機械が苦手な方でも、すぐに慣れることができましたか。

柴田さん:

最初はメーカーの方に来ていただいてレクチャーを受け、レクチャーを受けた職員から全職員に展開しました。そんなに難しくはありません。

森さん:

デモンストレーション後に、2週間試行期間中に使い勝手を見てから購入の判断を行いました。

導入の感想をお聞かせください。また、介護ロボットや介護のICT化は今後どのようになっていくと良いとお考えですか。

森さん:

介護職員の負担を軽減するためにロボットやICTの活用が推進されてはいますが実際のところ、うまく活用できていない事例も多いかと思います。しかしHugは導入して約2年、うまく活用できていると実感しています。愛知県の補助金もありがたかったですね。今後ますますエビデンスに基づいた介護が必要になってきます。介護に関わる様々なものをデジタル化しなくてはなりません。ジョイステイでは2017年から電子カルテを導入したことで、職員間の情報共有が推進され、申し送り等の時間が随分減少しました。今後も開発メーカーの皆さまには、現場で使えるもの、現場のニーズにマッチしたものを考えていただけたらと期待しています。

答えてくれたのはこのお2人

トヨタ自動車健康保険組合
老人保健施設ジョイステイ
高齢者支援室長
森 安弘さん
職員の負担軽減以上に、老健の役割である「在宅復帰・在宅支援」に役立つロボットが重要と考えています。Hugについては、ご自宅に戻った後でも利用者さんの生活の質、QOLを維持できており、導入して良かったと思います。
森安弘さん
トヨタ自動車健康保険組合
老人保健施設ジョイステイ
介護職員 介護福祉士
柴田 祐美さん
Hug導入以前は2人で行っていた介助を一人で行えることで、職員の負担が軽減すると同時に、利用者さんも遠慮せずトイレに行きたいと言ってくださるようになりました。
柴田祐美さん

取材に協力してくれたのは

トヨタ自動車健康保険組合 老人保健施設ジョイステイ

「支援します!その人らしい生活と家族の笑顔」を基本理念に、家庭的な雰囲気の中で楽しく(ジョイ)滞在(ステイ)していただくことをモットーにしています。日々看護・介護・リハビリ職員が連携をとりながら利用者さまとご家族のサポートを行い、サービスを提供することが私たちの使命です。

トヨタ自動車健康保険組合 老人保健施設ジョイステイ
問い合わせ先:トヨタ自動車健康保険組合 老人保健施設ジョイステイ
豊田市平和町1丁目1番地
TEL:0565-24-0620 受付8:30〜17:30、土日曜日、お盆、年末年始は除く
URLhttp://www.joystay.jp