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はじめに

愛知県知事 神田真秋


 いま、我が国は、世界でも最も少子化が進んでいる国の一つとなっています。少子化の原因とされている未婚化・晩婚化に加え、近年では、結婚した夫婦の出生児数も低下しています。こうした深刻な少子化の結果、まもなく人口減少社会を迎え、愛知県の人口も平成22年の720万人をピークに、平成37年には700万人を割り込むと予測されています。
 こうした少子化の急速な進行は、社会や経済、地域社会の活力などに深刻な問題を引き起こすことが危惧されます。さらに、次代を担う子どもたちにとって大切な同年代の仲間や乳幼児とのふれあいが減少することになり、子どもたちの健やかな育成に及ぼす影響も懸念されます。
 このような状況の下、平成15年7月に「少子化社会対策基本法」及び「次世代育成支援対策推進法」が制定され、国・都道府県・市町村・事業主が一体となって、「少子化の流れを変える」ための総合的な取組を推進することになり、愛知県でも、次世代育成支援対策の地域行動計画として「あいち 子育て・子育ち応援プラン」を策定しました。
策定にあたりましては、愛知県次世代育成支援対策行動計画策定協議会を設置し、福祉・教育などの各方面の専門家の方からのご意見をいただくとともに、多くの県民の皆様からもご意見をいただきました。改めて厚くお礼を申し上げます。
 このプランは、基本目標を「子育て家庭・子育ち過程を社会全体で支える仕組みの構築」とし、「育児」、「教育」、「子育て環境」という三つの要素に加え、これらの「連携の強化」に取組むことにより、「次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ、かつ、育成される」社会、そして、「家庭において、子育ての意義についての理解が深められ、かつ、子育てに伴う喜びが実感される」社会の実現を目指していきます。
 このプランの実施にあたりましては、進捗状況を公表するなど県民の皆様と情報の共有化を図ってまいります。また、行政だけでなく、事業主、NPO等とも連携を図り、事業の推進を図ってまいります。
 私は、このプランを着実に前進させることにより、子を持つ親はもとより、子育てを支援する地域の方々も育児の喜びを実感できるような社会づくりに貢献していきたいと思っております。県民の皆様をはじめ、NPO、事業主、市町村などにおかれましても、このプランの推進にご協力をいただきますようお願いします。

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