- 安全で快適な満足できる「いいお産」について、関係者や妊婦が共通の理解を持つことができるよう、適切な普及を図ることが重要です。
- 近年、女性の社会進出に伴う晩婚化の傾向はますます高まっており、今後も出産年齢が高くなることが予想されます。
- 女性の喫煙率、飲酒率の増加が見られます。また、妊娠してからの喫煙や飲酒経験が胎児に与える影響が問題となっています。
- 平成15年の妊産婦死亡率、周産期死亡率、死産率は、全国に比べ低い状況です。
<表 3章−I−3>
妊産婦死亡率、周産期死亡率、死産率の状況(平成15年)
項目 |
愛知県 |
全国 |
妊産婦死亡率(出産10万対) |
2.8 |
5.9 |
周産期死亡率(出産千対) |
4.9 |
5.3 |
死産率(出産千対) |
27.1 |
30.5 |
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-
子どもができなくて悩んでいる男女は、10組に1組と言われています。
不妊治療は、成功率が低く、複数回の治療を行う場合があり、一部を除いて保険適用がされないなど夫婦の経済的負担は重いものとなっています。
また、不妊治療に対し、情報が少なく、長期にわたる治療による心身の疲労と周囲の無理解による精神的負担があります。
-
愛知県では、母子保健に関する正しい知識を普及するため、妊婦用リーフレットを作成し配布をしています。
母子保健従事者に対しては、母子保健指導者研修会を開催し、最新情報の提供を行っています。
また、「予防可能な周産期死亡及び妊産婦死亡の防止」を重点目標の一つとして掲げ、地域の母子保健統計や妊婦健診の結果等を分析し、広域的総合的な評価をすることにより、市町村が実施する母子保健事業等に対し、専門的技術的支援を実施しています。
- 愛知県母子保健運営協議会において、県内の母子保健施策について、学識経験者及び各関係機関により分析評価を実施し、母子保健施策の充実強化を図るための検討を行っています。
- 愛知県では、県周産期医療協議会を中心に総合周産期母子医療センターと地域周産期母子医療センターを指定し、集中治療が必要なハイリスクな妊娠、出産から新生児に至る高度で専門的な周産期医療の提供ができるよう努めています。
<表 3章−I−4>
県内における総合周産期医療対策実施状況 (平成16年度)
愛知県周産期医療協議会 |
3回 |
総合周産期母子医療センター指定 |
1か所 |
地域周産期母子医療センター指定 |
11か所 |
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- 妊娠・出産に関する「安全・快適」を確保するため、県立看護大学に助産学コースを設け助産師を養成しています。
- 愛知県不妊専門相談センターにおいて、不妊に悩む夫婦の相談を受け、不妊に関する情報提供を実施しています。また、不妊相談検討会を開催し、相談事業の適正かつ効果的な推進を図るための方策を検討しています。
<表 3章−I−5>
愛知県不妊専門相談センター相談状況(平成15年7月25日〜平成16年3月31日)
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開設回数 |
相談延件数 |
相談内容 |
電話相談 |
62回 |
143件 |
・不妊の検査、治療、医療機関の情報
・不妊の原因・周囲の偏見、無理解
・医療機関に対する不満
・家族に関することなど |
面接相談 |
32回 |
24件 |
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- 愛知県では、不妊治療を受ける夫婦の経済的負担を軽減するため、体外受精及び顕微授精の治療費に対し、助成金を交付しています。
- 安全で安心な妊娠・出産に関する正しい知識の普及を図るとともに、働きながら妊娠・出産する女性の健康管理について、適切な措置が講じられるよう周知徹底を図る必要があります。
- 身近で気軽に利用できる健康診査、健康相談等を充実していく必要があります。
- 周産期医療システムについては、県民の医療ニーズに基づく適切な母子医療センターの配置等を検討するとともに、保健を含めた総合的な周産期保健医療の供給体制をより強化していくことが必要です。
- 不妊治療に関する情報が少ないため、正確な情報を提供する必要があります。
- 不妊で悩んでいる夫婦が気軽に相談できる体制の整備と、周囲の理解を得るための啓発活動が必要です。
- 不妊治療の費用は高額となるため、経済的支援が必要です。
- 助産師が不足しており、さらに養成していく必要があります。
- 安全で安心な妊娠出産に関する正しい知識の普及を図ります。
- 安全で安心な妊娠出産のための環境を整え、市町村が実施する母子保健事業に対し専門的支援を行い、効果的な事業の実施を推進します。
- 総合周産期母子医療センター及び各地域周産期母子医療センターの機能向上のため、各センターの施設整備の充実を図っていきます。
- より安全な出産を実現するため、産科を有する病院・診療所・助産所との連携について検討していきます。
- 不妊専門相談事業を実施することにより、不妊に悩む夫婦に不妊治療に関する正しい知識を提供し、心身の悩み等精神的な負担の軽減を図っていきます。
- 不妊治療のうち、治療費が高額になる体外受精、顕微授精に対し経済的支援を行います。
- 市町村が実施する母子保健事業等に対し専門的技術的支援を、引き続き推進していきます。
- 母子保健運営協議会を開催し、母子保健推進事業を、引き続き推進していきます。
- 周産期医療ネットワークによる総合周産期医療対策を、さらに充実していきます。
- 面接及び電話による不妊専門相談事業を、引き続き実施していきます。
- 特定不妊治療助成制度を、引き続き実施していきます。
- 県立看護大学において、助産師を、引き続き養成していきます。
【周産期医療】
周産期(妊娠満22週から出産後満7日まで)を中心として妊娠期の異常、分娩期の異常、胎児・新生児の異常に適切に対応するため、産科、小児科等が総合的に取り組む医療です。
【体外受精】
卵子と精子を体外に取り出し、混ぜ合わせて受精(体外受精)させ、受精卵が分割した段階で子宮に戻す方法です。
【顕微授精】
体外に取り出した卵子と精子を顕微鏡下で精子を直接卵子の中に送り込むことにより受精を助ける方法です。