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子どもが身近な地域の中で遊べる場として、児童館や児童センター、児童遊園があります。これらの施設は、子ども会や母親の連帯組織(母親クラブ)などの地域組織活動の拠点であるとともに、子どもの健やかな成長や地域の子育て支援の核となっています。
<表 3章−I−13>
県内の児童館・児童センター・児童遊園の設置状況 (平成16年4月1日現在)
児童館 |
児童センタ− |
児童遊園 |
か所
146 |
か所
140 |
か所
872 |
- 県立の児童館である児童総合センターは、国際博覧会開催のため、現在休館中ですが、センターが持つ遊びの情報発信等の機能は、愛知こどもの国へ移して事業を実施しています。
県立の児童遊園である愛知こどもの国と海南こどもの国は、毎年多くの県民に利用されています。
- 地域の子ども会は、子ども同士、特に、異なる年齢の子ども同士が交流する中で、子どもたちの自主性や協調性を育む役割を果たしています。
また、母親クラブは児童館を拠点として、養育技術の研修や交通安全活動など様々なボランティア活動を行う組織として、地域の子育て機能の向上を目指しています。
<表 3章−I−14>
県内の地域子ども会の設置状況 (平成16年4月1日現在)
クラブ数 |
会員数 |
クラブ
8,415 |
人
426,201 |
<表 3章−I−15>
県内の母親クラブの設置状況
(平成16年4月1日現在)
クラブ数 |
会員数 |
クラブ
154 |
人
12,543 |
※ 名古屋市・中核市を除く
- 県内において、平成16年中に、刑法犯などで検挙・補導された非行少年は7,241人、不良行為で補導された不良行為少年は48,473人となっています。
不良行為で補導された少年の数は、依然として高水準にあります。
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県内において、平成16年中に、校内暴力で検挙・補導された少年は88人となっています。
<図 3章−I−1>
県内における非行少年の検挙・補導数の推移
<図 3章−I−2>
県内における不良行為少年の補導数の推移
<図 3章−I−3>
県内における校内暴力による少年の検挙・補導数の推移
- 愛知県では、平成13年3月に青少年施策の推進を図るため、「あいちの青少年育成計画21」を策定しました。
計画では、「I 共に育ち合う地域社会づくり」、「II 青少年の自立をはぐくむ多様な交流の促進」及び「III 推進体制の整備・充実」を基本方向とし、青少年に関わる施策を積極的に推進することとしています。
- 愛知県では、地域ぐるみの青少年健全育成を推進するため、「愛知県青少年育成県民会議」等と連携し、県民総ぐるみの育成活動を展開しています。
毎年7月1日〜8月31日と12月20日〜1月10日を「青少年の非行問題に取り組む県民運動(夏期・冬期)」強調期間と定め、「非行の芽 はやめにつもう みな我が子」を合言葉に、チラシ等啓発資材の配布、非行防止パトロールの実施、有害図書類の追放など、青少年の非行防止や有害環境の浄化に取り組む運動を展開しています。
毎年10月を「青少年によい本をすすめる県民運動」強調月間と定め、「育てよう 豊かな心 読書から」を合言葉に、読書感想文の募集、学校への図書の寄贈など、よい本をすすめる運動を展開しています。
毎年11月を「青少年健全育成県民運動」強調月間と定め、「育てよう 自分に勝てる子 負けない子」を合言葉に、街頭啓発などの諸事業を集中的に実施し、県民の青少年健全育成に対する理解を深めるための運動を展開しています。
毎年2月を「『家庭の日』県民運動」強調月間と定め、「親と子の 対話がつくる よい家庭」を合言葉に、ポスター絵画の募集などの啓発活動を集中的に実施し、家庭が担う役割の重要性について認識を高めるとともに、親子の対話のある明るい家庭づくりを推進するための運動を展開しています。
- 愛知県では、毎年6月20日〜7月19日を「ダメ。ゼッタイ。普及運動」月間、10月及び11月を「麻薬・覚せい剤乱用防止運動」月間として、青少年層への薬物乱用の浸透を防止するため、街頭啓発活動を中心とした運動を展開しています。
- 青少年が団体活動を通じて、社会性や自主性を養い、連帯感や社会規範を学ぶことは人間形成のうえで重要です。
愛知県では、県内の主要な青少年団体※に助成することにより、青少年団体活動の促進に努めています。
※ 助成対象青少年団体
愛知県青少年団体連絡協議会、財団法人愛知県青年会館、社団法人愛知青少年協会、日本ボーイスカウト愛知連盟、社団法人ガールスカウト日本連盟愛知県支部
- 県内20か所に設置されている市立少年補導センターは、街頭補導、少年相談、有害環境の浄化等の活動を通じて、青少年の非行防止に関する地域組織の中心的役割を担っています。
愛知県では、少年補導センターと連携した事業を展開し、地域が一体となった非行防止や健全育成の取組を推進しています。
平成16年度においては、犬山市と東海市の少年補導センターと連携し、青少年の立ち直りに向けた居場所づくり事業として、スポーツ活動や文化活動を通して交流できる場を提供しました。
- 愛知県警察では、非行防止対策の1つとして、県内6か所に「少年サポートセンター」を設置し、そこに少年補導職員等を配置し、専門的な知識及び技能を必要とする少年相談、継続的な補導活動、被害少年支援等を行っています。
少年サポートセンターでは、非行少年や不良行為少年を取り巻く家庭、学校、交友関係その他の環境が改善されるまで面接や、家庭訪問を行ったりして、立ち直りに向けた助言・指導を繰り返し行っています。
また、いじめや性犯罪の被害を受けた少年に対しては、心の傷がいやされるまで、継続的に悩みを聞いたり、カウンセリングを行ったりしています。
- 少年非行は社会が一体となって取り組むべき問題であり、中でも警察と学校その他関係機関が緊密な連携を保つことが重要となってきます。
愛知県では、学校警察連絡協議会の設置、少年サポートチームの編成などの取組を通じて連携強化に努めています。
- 少年による薬物乱用は依然として深刻であることから、愛知県警察では、薬物の密売人や密売組織の取締りを徹底するとともに、薬物を乱用している少年の発見、補導等の対策を強化しています。
また、警察職員を学校に派遣して薬物乱用防止教室を開催したり、街頭での啓発活動などを実施しています。
平成16年中においては、401か所の学校で薬物乱用防止教室を開催し、115,706人が参加しました。
- 県教育委員会では、国の「スクーリング・サポート・ネットワーク整備事業」を活用し、不登校対策に関する中核的機能(スクーリング・サポート・センター)を充実し、学校・家庭・関係機関が連携した地域ぐるみのサポートネットワークを整備しています。
県内の20市町におけるスクーリング・サポート・センター(地域スクーリング・サポート・センター)を中心として、教員や適応指導教室指導員の研修、家庭への訪問指導など、不登校対策の充実を図るともに、他の市町村への情報提供、相談活動を通じて地域におけるネットワークの整備を図っています。
愛知県総合教育センターは、広域スクーリング・サポート・センターとして、地域スクーリング・サポート・センターへの情報提供、助言等を行い、地域ネットワークの整備を支援しています。
- 県教育委員会では、学校を中心とする家庭・地域との連携による生徒指導を推進し、いじめ、学校不適応、少年非行、暴力行為等について取り組み、生徒の健全育成を図っています。
地域連携生徒指導推進実践指定校 12校
- 県教育委員会では、平成16年度において、不登校児童生徒の学校復帰、問題行動を起こす児童生徒の立ち直りに向けた学校外での支援の場や機能の在り方等についての調査研究(問題行動に対する地域における行動連携推進事業)を実施しました。
- いわゆる「ひきこもり」については、地域精神保健福祉業務の一環として、保健所、児童相談センター等において、本人や家族に対する相談・支援を行っています。
- 児童館・児童センターについては、子育て支援などの事業内容の充実とあわせて、今後も整備を進めていく必要があります。
- 子どもたちの自主性や協調性を育むために、また地域の子育て機能を強化するために、子ども会活動や母親クラブ活動の活性化を図っていく必要があります。
- 家庭、学校、地域、行政や関係団体などが一体となって、子どもの非行防止や健全育成に取り組んでいく必要があります。
- 問題行動を起こした子どもの立ち直りに向けては、継続したきめ細かな対応が必要です。
また、そうした子どもの居場所づくりにも努めていく必要があります。
- 児童館・児童センターは、設置数が小学校区数に満たない市町村を中心に整備を促進していきます。
- 児童総合センターについては、平成18年度の再開に向けて準備を進めるとともに、指導者・ボランティア研修の実施、情報収集・発信、児童館未整備地域での遊びの指導などの地域の児童館のセンターとしての機能を十分に果たし、子育て支援のための活動を充実していきます。
- 愛知こどもの国、海南こどもの国については、PRを強化し、事業内容や施設を充実して利用者の増加を図るとともに、効率的な施設管理に努めていきます。
- 子ども会や母親クラブの地域組織活動について、その活性化に努めていきます。
- 県民総ぐるみの青少年育成県民運動を展開して大人一人一人が青少年育成の役割と責任を自覚することを促し、青少年に身近な家庭や地域社会の教育力の向上を図っていきます。
- 青少年団体は、青少年に対する教育の場として重要な役割を担っていることから、引き続き支援していきます。
- 少年補導センター等の関係機関・団体との連絡調整を図りながら、青少年の居場所づくりなど、地域が一体となった非行防止や健全育成の取組を推進していきます。
- 非行防止対策の1つとして、少年サポートセンターを中心として少年相談、継続的な補導活動、被害少年支援等の取組を推進していきます。
- 学校警察等連絡協議会、少年サポートチームなどの活動を通じて、警察と学校その他関係機関の連携を強化し、非行防止に努めていきます。
- 少年による薬物乱用事犯の絶無を目指し、取組を推進していきます。
- 地域スクーリング・サポート・センターの充実を図るとともに、学校・家庭・関係機関が不登校児童に柔軟に対処できる体制を整備していきます。
また、広域スクーリング・サポート・センターが中心となり、地域スクーリング・サポート・センター相互間の連携を強化していきます。
- 「地域連携生徒指導推進事業」において、学校を中心とする家庭・地域との連携による生徒指導を推進し、いじめ、学校不適応、少年非行、暴力行為等について取り組み、生徒の健全育成を図ります。
- 「問題行動に対する地域における行動連携推進事業」の調査研究結果を踏まえ、不登校児童生徒の学校復帰、問題行動を起こす児童生徒の立ち直りに向けた取組を進めていきます。
問題行動を起こした児童生徒の立ち直りにあたっては、学校内外における居場所づくりに努めるとともに、本人自身の力により立ち直らせていく必要があることから、「本人の自立を支える場や機会を整えていく」という視点で、学校・家庭・地域の連携を図っていきます。
- 「ひきこもり」については、保健所、児童相談センター等において、本人や家族に対する相談・支援を行っていきます。
- 青少年のモラルの向上や子どもに対する親のしつけ方などを地域ぐるみで考える仕組づくりを行い、地域における教育力の向上を図っていきます。
- 児童館・児童センターは、引き続き整備を促進していきます。
- 児童総合センターは、平成18年度の再開に向けて準備を進めます。
また、地域の児童館のセンターとしての機能を十分に果たし、子育て支援のための活動を充実していきます。
- 愛知こどもの国、海南こどもの国については、引き続き利用者の増加と効率的な施設管理に取り組んでいきます。
- 青少年育成県民運動を、引き続き推進していきます。
- 青少年対策を総合的・効果的に推進していくために、少年補導センター等との連携を図り、一体となって青少年対策に取り組んでいきます。
- 非行防止対策の1つとして、少年サポートセンターを中心とした取組を、引き続き推進していきます。
- 学校警察等連絡協議会、少年サポートチームなどの活動を、引き続き実施していきます。
- 薬物乱用防止対策は、引き続き推進していきます。
- スクーリング・サポート・センターの充実を図り、地域ぐるみのサポートネットワークの整備を、引き続き推進していきます。
- 地域連携生徒指導推進事業は、現行の地域連携による生徒の健全育成を、さらに推進していきます。
- 問題行動を起こした児童生徒の立ち直りに向けた取組として、学校・家庭・地域が連携した学校内外における居場所づくりを推進していきます。
- 「ひきこもり」については、保健所、児童相談センター等において、本人や家族に対する相談・支援を、引き続き実施していきます。
- 平成17年度において、青少年のモラルの向上や子どもに対する親のしつけ方などを地域ぐるみで考えるモデル事業を実施します。
- 不登校、ひきこもり、非行などの問題の克服のヒントやアドバイスとなる経験談集を作成・配布します。
項目 |
実施主体 |
現状 |
平成21年度までの目標 |
児童館・児童センターの整備 |
市町村 |
268か所 |
283か所 |
※ 名古屋市を除く
【愛知県青少年育成県民会議】
「愛知県青少年育成県民会議」は、昭和41年10月に、青少年問題のもつ重要性を鑑み、広く県民の総意を結集し、県の施策と呼応して青少年の健全な育成を図るための組織として設立されました。
青少年育成県民運動の推進母体として、官民一体となった県民総ぐるみの青少年育成運動を展開しています。
【少年補導センター】
警察、教育、児童福祉等の関係機関、団体及び民間有志者等が、少年の非行防止を図り、あわせて少年の健全育成を期するための合同活動の拠点として、愛知県では20の市において設置されています。
【学校警察等連絡協議会】
少年の健全育成を目的として、警察と学校・教育委員会との連携強化を図るため、愛知県教育委員会、名古屋市教育委員会、愛知県(県民生活部)、愛知県私学協会、警察が参画した県レベルの協議会を設置するとともに、各警察署においても、同様の組織を設置し、学校との連携強化を図っています。
【少年サポートチーム】
少年の問題行動が多様化・深刻化し、その背景や要因も複雑している中、個々の少年の問題状況に応じた的確な対応を行うため、学校、警察、児童相談センター等の担当者により編成された組織を言います。
少年サポートチームは、それぞれの専門分野に応じた役割分担のもと、少年への指導・助言を行っています。