- 近年の離婚件数の増加に伴い、母子家庭及び父子家庭が急増しています。
<表 3章−I−19>
県内における離婚件数及び母子家庭・父子家庭推計世帯数等の推移 |
年度 |
離婚件数 |
離婚率
(人口千対)
|
年 |
母子世帯数
(推計)
|
父子世帯数
(推計)
|
平成5年度 |
8,767 |
1.31 |
平成5年 |
42,600 |
8,300 |
10年度 |
11,689 |
1.71 |
10年 |
45,000 |
7,500 |
15年度 |
14,934 |
2.12 |
15年 |
77,700 |
16,500 |
- 現実の母子家庭の置かれている生活状況は、子育てと生計の担い手という二重の役割を一人で担うこととなった直後から、その生活は大きく変化し、住居、収入、子どもの養育等の面で様々な困難に直面しています。
-
平成15年度母子家庭・父子家庭及び寡婦実態調査によると、母子家庭は、87.2%が就業しているにもかかわらず、その平均年収は、222万円であり、また、300万円未満の家庭が78%と低い水準にとどまっています。
<図 3章−I−4>
母子家庭の1年間の総収入額
(備考) 資料「平成15年度愛知県母子家庭・父子家庭及び寡婦実態調査報告書
- 養育費については、母子家庭の77.1%が、支払われていない状況です。
- 母子家庭の母の場合、就業経験が少なかったり、結婚、出産等により就業が中断していたり、また雇用する側の母子家庭に対する理解不足など、母子家庭の母を取り巻く雇用の状況は厳しい状況にあります。
<表 3章−I−20>
母子家庭になった当時の就業状況
仕事についていた |
仕事についていなかった |
48.3% |
51.7% |
(備考) 資料「平成15年度愛知県母子家庭・父子家庭及び寡婦実態調査報告書」
- 母子家庭等の相談の総合的な窓口として、県及び市の福祉事務所に母子自立支援員を配置しています。
- 愛知県では、生活支援策として、身の回りの世話や児童の保育などを行う母子家庭等日常生活支援事業及び、育児・しつけに関する相談、ひとり親家庭の相互扶助活動の支援を行うひとり親家庭生活支援事業を実施している市町村に対して助成しています。
- 愛知県では、母子家庭の母の就業支援策として、母子家庭の母を対象とした就業支援講習会、就職準備・離転職セミナーなどの母子家庭等就業支援センター事業を、財団法人愛知県母子寡婦福祉連合会に委託実施するとともに、自立支援給付金の給付、県事務所に就業相談員を配置して、個別の就業相談に応じています。また、弁護士による法律相談を、母子家庭等就業支援センターで行っています。
- 経済的支援策として、愛知県では、母子家庭に児童扶養手当を、ひとり親家庭に対して、昭和45年から愛知県独自の制度として遺児手当を給付するとともに、母子家庭及び寡婦に対しては、母子寡婦福祉貸付金の貸付を行っています。
- 母子家庭の母は、8割強の人が現在日常生活全般にわたる悩みを持っているため、母子自立支援員によるきめ細かな支援が必要です。
- 母子家庭は、87.2%の世帯が就労しているのにも関わらず、その平均年収は、222万円と収入もかなり低い状況にあるため、より収入の高い就業ができるような支援が必要です。
- 養育費が支払われている母子家庭は、22.9%と低い状況にあることから、離婚等によって子どもを監護しない親に対して、その責務を果たさせるために、養育費支払いについての社会的気運を醸成する必要があります。
- 児童扶養手当及び遺児手当の支給については、増大する離婚の中でもその機能が維持できるよう、離婚等の直後の生活の激変を緩和するように対応する必要があります。
- 子どものしあわせを第一に考えて、ひとり親家庭に対する「きめ細やかな福祉サービスの展開」と母子家庭の母に対する「自立の支援」に主眼を置きながら、次の施策を総合的、計画的に展開していきます。
(1) 子育てや生活支援策 (2) 就労支援策
(3) 養育費の確保策 (4) 経済的支援策
- 本県として、広域的な観点から、市町村が実施する就業支援や生活支援が円滑に進むよう、各種施策の取組状況などについて、情報提供を行うなど、市町村に対する支援を行っていきます。
- 市町村が社会福祉協議会やNPOへの委託等により実施する母子家庭等日常生活支援事業を、引き続き支援していきます。
- 市町村が社会福祉協議会やNPOへの委託等により実施するひとり親家庭生活支援事業を、引き続き支援していきます。
- 母子自立支援員による母子家庭等が自立するための相談、情報提供、計画作成などを行い、母子家庭等が自立できるように、相談業務を引き続き充実、強化します。
- 母子家庭の母が就業するために、その情報提供、相談を行うとともに、就業支援講習会を、引き続き実施していきます。
また、母子生活支援施設においても就業支援を行い、入所者の自立を支援していきます。
- 母子家庭の母が就職面接会へ参加しやすくするために、託児を実施したり、求人情報を携帯電話へメール配信するなど、就職活動の支援を実施します。
- 母子家庭の母の資格取得等を支援するために、母子自立支援給付金の給付を、引き続き促進していきます。
- 児童扶養手当を、引き続き支給していきます。
- 知識技能の習得等のために、母子寡婦福祉貸付金の貸付を、引き続き行っていきます。
項目 |
実施主体 |
現状 |
平成21年度までの目標 |
母子自立支援員による相談業務
の実施 |
県
市
|
相談件数 18,517件 |
26,000件 |
就業支援講習会の開催 |
県 |
開催数 5回
参加人数 114人
|
開催数 13回
参加人数 260人
|
母子自立支援給付金の給付状況
(高等技能訓練促進費)
|
県
市
|
2人 |
52人 |
【
母子自立支援員
】
配偶者のない女子で現に児童を扶養しているもの及び寡婦に対し、相談に応じ、その自立に必要な情報提供及び指導を行うとともに、職業能力の向上及び求職活動に関する支援を行う者を言います。
【
就業相談員
】
母子家庭の母等の就業を促進するため、母子家庭の母等に対し、就業相談に応じ、家庭の状況、職業能力の適性、職業訓練の必要性、就業への意欲形成、求人等情報の提供や事業を経営するうえでの問題など、適切な助言を行う者を言います。