- 子どもたちが、「生きる力」を育んでいくためには、学校で組織的・計画的に学習する一方、地域社会の中で大人や様々な年齢の友人と交流し、様々な生活体験、社会体験、自然体験を豊富に積み重ねることが大切です。
地域社会におけるこれらの体験活動は、子どもたちが、自らの興味・関心や自らの考えに基づいて自主的に行っていくという点で大きな意義を持っています。
しかしながら、都市化や過疎化の進行、地域における人間関係の希薄化、モラルの低下などから、地域社会の教育力は低下していると言われています。
- 愛知県では、「あいち協働ルールブック」を定め、NPOと行政の協働について積極的に取り組むこととしています。
- 県内の市町村においては、子育て支援NPO、子育てサークルへの支援・育成が行われており、様々な子育て支援のための活動が行われています。
- 愛知県では、地域の大人たちが協力して子どもたちを育てていく活動、また地域における子ども達の自主的な活動を支援するためのいくつか取組を実施しています。
子どもたちが、自主的に地域の環境について学習しそれを保全するための活動を行う「こどもエコクラブ」に対して、地域交流会の開催、サポーター研修会の開催等を行いその活動を支援しています。
子どもたちの河川利用を促進し、地域における体験活動の充実を図るために、「子どもの水辺」再発見プロジェクトとして、子どもの体験活動の場にふさわしい「子どもの水辺」を選定し、水辺の遊びや水辺での自然とのふれあい活動などを実施しています。また、必要に応じ、こうした活動の場となる水辺の環境整備を実施しています。
県立の農業大学校では、子どもを対象に、農業生産施設見学、農業体験、農産加工実習等を通じて農業理解を深めるための農業ふれあい研修を実施しています。
- 県教育委員会では、地域社会における教育力の向上の取組の1つとして、学校等を活用して、子どもの居場所を整備し、子どもたちの放課後や週末におけるスポーツや文化活動などの体験活動や地域住民との交流活動を支援する「地域子ども教室推進事業」を行っています。
また、県立学校の体育施設を、地域住民のスポーツ活動に開放するとともに、スポーツ指導者の養成、総合型地域スポーツクラブの育成に努めるなど、子どもの多様なスポーツニーズに応える地域のスポーツ環境の整備に努めています。
- 子育て支援NPOや子育てサークルの活動内容や活動範囲などには、地域によりかなりの格差があります。
- 地域における教育力の低下が指摘される中、従来の地縁的な活動から目的指向的な活動へと人々の参加意欲が移りつつあります。
こうした地域の変容を踏まえ、地域の教育力を向上させるための取組が必要となってきます。
- 地域における教育を充実させるためには、活動の場や機会の提供を始めとして、青少年団体の支援、指導者の養成や情報提供など様々な取組がありますが、今後は、児童福祉部門や教育部門以外の部門とも連携しつつ、NPOやボランティアの活用に努めていく必要があります。
- 地域における教育力については、従来の地縁的なものから、同じ目的や興味・関心に応じて、大人たちを結びつけ、そうした活動の中で子どもたちを育てていくというものに変容しつつあります。
そして、その活動の中心となっているのがNPOやボランティアであると考えられます。
- 市町村や市町村教育委員会は、子どもに最も身近な位置にあるとともに、直接サービスを提供する立場にもあることから、地域における教育力の向上において果たす役割はますます重要となってきます。
愛知県と県教育委員会では、市町村において次世代育成支援対策コーディネーター(仮称)等が中心となり、地域社会での活動に関する幅広い連絡・調整・企画機能を充実し、NPOやボランティアの活用も含めた地域社会の連携(ネットワーク化)を強化する必要があると考えています。
- 愛知県と県教育委員会では、NPOとの情報交換の機会などを通じて、NPOと行政が協働した地域における子育て活動について検討し、その事業化に努めるとともに、地域における子育て活動のネットワーク化のための基盤整備を図っていきます。
- 愛知県と県教育委員会では、ネットワーク化の基盤となるNPO、ボランティア、高齢者などを活用した地域における子育て支援、体験活動、スポーツ活動などを推進していきます。
また、こうした活動を通じて、世代間交流を図っていきます。
- 愛知県と県教育委員会では、次世代育成支援対策コーディネーター(仮称)の設置等を奨励し、市町村における地域子育て支援NPOや子育てサークルが活発に活動し、活動範囲を広げられるよう、市町村に働きかけをしていきます。
- 愛知県と県教育委員会では、市町村における子育て活動のネットワーク化のための支援をしていきます。
- 愛知県と県教育委員会では、NPOと行政が協働した地域における子育て活動について検討し、その事業化に努めるとともに、地域における子育て活動のネットワーク化のための基盤整備を図っていきます。
- 子どもが安心して遊べる場所の提供、親子が共に参加できる遊びの提供などについて、NPOと行政が協働した事業として検討し、実施に努めていきます。
- 愛知県と県教育委員会では、市町村における次世代育成支援対策コーディネーター(仮称)等の設置を奨励し、子育て活動のネットワーク化のための支援をしていきます。
- 愛知県と県教育委員会は、地域における子育て支援、家庭教育に関する広報・啓発に関する取組において、子育て支援NPO、子育て支援サークル等の参加を促し、その活動を支援していきます。
- 愛知県では、「こどもエコクラブ」の活動に対する支援を、引き続き実施していきます。
- 愛知県では、県立農業大学校における農業ふれあい研修、県有施設を活用した親と子の農林水産体験学習などを、引き続き推進していきます。
- 愛知県では、子どもたちの多様な活動の充実を図るために、「子どもの水辺」再発見プロジェクトを、引き続き実施していきます。
- 愛知県では、子どもたちの多様な活動の場を提供するため、都市公園の整備を、引き続き実施していきます。
- 県教育委員会では、「地域子ども教室推進事業」を、すべての市町村で実施します。
- 県教育委員会では、体育施設の地域住民への開放、スポーツ指導者の養成を、引き続き実施します。
- 県教育委員会では、総合型地域スポーツクラブの育成については、引き続き拡大します。
- 愛知県では、平成17年度に、愛知万博の開催に合わせて、海上の森において、自然観察ツアーを開催します。
- 児童の健全育成、青少年の非行防止、児童虐待防止などの取組においては、引き続き家庭、学校、地域、関係機関等の連携を図っていきます。
項目 |
実施主体 |
現状 |
平成21年度までの目標 |
地域子ども教室推進事業の推進
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民間団体 |
実施市町村:19市町村
実施校区:189校区
実施NPO:3団体
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すべての市町村 |
総合型地域スポーツクラブの育成 |
民間団体 |
設立市区町村:
25市区町村
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引き続き拡大 |
※ 地域子ども教室推進事業は、文部科学省の民間団体向け委託事業(平成16〜18年度の3年間)であり、文部科学省から県レベルの協議会への委託、県レベルの協議会から市町村レベルの協議会等への再委託という形態をとっています。
【こどもエコクラブ】
「こどもエコクラブ」は、子どもたちが、地域の中で楽しみながら自主的に環境活動・学習を行うことを支援するために、環境省が提唱している事業を言います。小中学生のグループと、サポーターと呼ばれる大人で構成され、自然観察やリサイクル活動など、地域の中で身近にできる環境活動に自由に取り組んでいます。
【総合型地域スポーツクラブ】
誰もが、それぞれの体力や年齢、技術、興味、目的に応じて、いつでも、どこでも、いつまでもスポーツに親しむことができる生涯スポーツ社会の実現に向けて、文部科学省が提唱する地域住民が主体的に運営するスポーツクラブを言います。
地域のスポーツ環境の整備だけでなく、地域における青少年の健全育成や世代間交流の促進、地域の活性化などの効果も期待されています。