○愛知県公安委員会事務専決規程等の制定

昭和53年11月29日

務警発甲第46号

このたび、愛知県公安委員会の権限に属する事務の適正かつ能率的な処理を図るため、愛知県公安委員会事務専決規程(昭和33年愛知県公安委員会規程第1号)の全部が改正され、また、これに関連して、愛知県公安委員会の権限に属する事務の内部処理に関する規程(昭和53年愛知県警察本部訓令第11号)を制定したが、これら新規程の運用解釈は下記のとおりであるから誤りのないようにされたい。

第1 改正及び制定の理由

従来、愛知県公安委員会の権限に属する事務の専決に関する規程としては、愛知県公安委員会事務専決規程(以下「公安委員会規程」という。)及び愛知県警察事務専決規程があつたが、その後における関係法令の制定、改廃及び次の理由により実情にそぐわない面が見受けられたことから、これら従前の規程に全面的な検討を加え、事務の能率化及び責任の明確化を図つたものである。

1 公安委員会事務の委任方式は、第一次的に警察本部長に委任することが望ましいこと。

従来の公安委員会規程は、委任事務を警察本部長(以下「本部長」という。)と警察署長に分けて委任しているが、警察法上の要請から第一次的には本部長にすべて委任することとし、そのうち定例又は軽易と認められる事務についてはその補助機関である警察本部の部長、課長、警察署長等に再委任することが望ましい。

2 委任事務は、明確に定めることが妥当であること。

従来の公安委員会規程は、「その他軽易な事務」との文言により委任事務を包括的に規定しているが法令に基づく公安委員会事務はその大半が行政上の効果を伴うものが多いことから、警察固有の事務と区別し明確に、かつ、範囲を示して定めることが妥当である。

3 事務処理基準の整備に伴い、委任可能な事務が見受けられること。

社会情勢の推移並びに法令等の制定及び改正に伴い、公安委員会事務が著しく増大し、かつ、複雑多様化してきたが、関係法規等の整備に伴いそれらの中には示された基準に基づいて単に事務的に処理すれば足り、この間に高度な意思判断を要しないものが見受けられることからこれらを整理し、事務の迅速な処理を図る必要がある。

4 形式的な整備が必要であること。

従来の公安委員会規程は、委任事務を規程本文に羅列し分りにくい面があることからこれを別表形式に整備する必要がある。

第2 運用解釈

1 専決の意義

公安委員会規程にいう「専決」とは、法令により公安委員会の権限に属する事務のうち一定の事務を本部長、警察本部の部長、課長、警察署長等が公安委員会の名と責任において権限行使することをいう。これは、内部委任であるとの考えに基づくものであつて、対外的には行政上の効果と責任は公安委員会に帰属するものである。

2 新規程の運用

ア 専決事項の範囲(第2条関係)

公安委員会の権限に属する事務のうち本部長が専決することができる事務が別表に規定された。

したがつて、それ以外の事務については、すべて公安委員会の議決又は委員長と他の委員との協議によつて処理されることとなるが、別表に掲げる事務であつても本文ただし書の規定により異例又は重要と認められるものについては、あらかじめ公安委員会の議決又は委員長と他の委員との協議により承認を受けなければならない。

なお、ここにいう「異例又は重要」とは、おおむね次のものをいう。

(ア) その処理によつて後日紛議を生ずることが予想されるもの

(イ) 社会的に反響の大きい事案に関するもの

(ウ) その他個別に公安委員会の承認を受けることが適当と認められるもの

イ 専決事項の再委任(第3条関係)

本部長が専決することができるとされた事務のうち、その内容が定例又は軽易なものについては、これを警察本部の部長、課長、警察署長、その他の本部長が定めるものに専決させ、又は代決させることができることとされた。

ここにいう「定例」とは、当該事務の処理基準が他の規程、通達等において一般的に示されており、その事務を取扱う者が単にこれらの基準のどれに該当するか極めて事務的に判断すれば足り、この間において高度な意思判断を要しないものをいう。

また、「軽易」とは、当該事務の処理が客観的にみて問題とならない事務的なもので、しかも迅速に処理した方が運営面及び相手方の立場からも望まれるものをいう。

ア 警察本部の部長等の専決・代決(第2条及び第3条関係)

公安委員会規程第2条により本部長に委任された事務のうち、「定例又は軽易」な事務は同規程第3条により警察本部の部長等に再委任することとし、警察本部の部長並びに課長及び次長又は管理官が専決することができる事務を別表第1に、警察署長並びに警察署の副署長、課長(隊長を含む。)、課長代理(副隊長を含む。)及び警部の交番所長が専決することができる事務を別表第2にそれぞれ規定した。

ここにおいて、専決することができるとされている職の者が配置されていない所属にあつては、その者の直近上位の職にある者が専決するものとする。

また、別表第1及び別表第2は、あくまでも当該事務の専決の基準を示したものであるので、職務上指揮監督の権限を有する者は、事務の適正な処理を図るため必要により自ら決裁し、又は別表第1及び別表第2において専決することができるとされている者の上位の職にある者を指定し、その者に決裁させることもできる。

公安委員会規程第2条により本部長に委任された事務のうち、同規程第3条により、再委任されず本部長において専決すべき事務及び警察署長に再委任され警察署長において専決すべき事務については、本部長が不在の場合において緊急を要するときは部長が、警察署長が不在の場合において緊急を要するときは副署長が代決することができることとした。

本部長と警察署長以外の再委任される者が不在の場合において緊急を要するときは、再委任される者の上位の職にある者が専決することとなる。

イ 異例又は重要な事務の処理(第4条関係)

ここにいう「異例又は重要」とは、第2の(1)のアで述べた「異例又は重要」と同意義であり、それら疑義のあるものは上司の決裁を受けなければならない。

ウ 決裁の要領

専決により事務を処理する場合の決裁は、愛知県公安委員会行政文書管理規程(平成13年愛知県公安委員会規程第3号)第2条第3号の総合文書管理システムによる承認、押印、署名又はこれらに類する行為によつて行うものとする。

3 運用上の留意事項

規程に定める事務は、公安委員会の名において処理され、すべて公安委員会が最終的に責任を負うものであるから規程によつて専決することができるとされた事務であつても常に自己の権限において処理することができるものと解釈してはならない。

したがつて、その事務処理に当たつては慎重を期するとともに専決の趣旨を十分理解して迅速かつ適正に行わなければならない。

〔昭61務警発甲6号平元務警発甲38号平4務警発甲21号平7務警発甲2号平10務警発甲56号平16務警・総務発甲141号平27務警発甲90号・本項一部改正〕

愛知県公安委員会事務専決規程等の制定

昭和53年11月29日 務警発甲第46号

(平成27年1月1日施行)

体系情報
第3編 務/第1章 務/第1節 組織・運営/第3款
沿革情報
昭和53年11月29日 務警発甲第46号
昭和61年 務警発甲第6号
平成元年 務警発甲第38号
平成4年 務警発甲第21号
平成7年 務警発甲第2号
平成10年 務警発甲第56号
平成16年 務警・総務発甲第141号
平成27年 務警発甲第90号