○警察官任用規程
平成23年8月17日
愛知県警察本部訓令第11号
警察官任用規程(平成6年愛知県警察本部訓令第5号)の全部を次のように改正する。
警察官任用規程
目次
第1章 総則(第1条)
第2章 採用(第2条)
第3章 昇任
第1節 昇任制度(第3条・第4条)
第2節 昇任管理委員会等
第1款 昇任管理委員会(第5条~第8条)
第2款 昇任審査委員会(第9条~第12条)
第3款 部昇任委員会(第13条~第16条)
第4款 所属昇任委員会(第17条~第20条)
第3節 昇任試験(第21条~第26条)
第4節 昇任選抜(第27条~第29条)
第5節 昇任選考(第30条・第31条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この規程は、地方公務員法(昭和25年法律第261号)及び職員の任用に関する規則(昭和49年愛知県人事委員会規則3―11。以下「規則」という。)に定めるもののほか、愛知県警察の警察官の採用及び昇任について必要な事項を定めるものとする。
第2章 採用
(採用)
第2条 愛知県警察の警察官は、競争試験により、巡査の階級で採用するものとする。ただし、次の各号のいずれかに該当するときは、選考によるものとする。
(1) 国家公務員採用Ⅰ種試験又は国家公務員採用Ⅱ種試験に合格した者を愛知県警察の警察官に採用するとき。
(2) かつて警察官又は皇宮護衛官であった者をその者の経歴に相当する階級の愛知県警察の警察官に採用するとき。
(3) 現に警察庁若しくは他の都道府県警察の警察官又は皇宮護衛官である者をその者の経歴に相当する階級の愛知県警察の警察官に採用するとき。
(4) 現に国又は地方公共団体の公務員の職にある者で警察官又は皇宮護衛官以外のもののうち、警察官としての適性を有し、又は補充しようとする職に特に必要な技能を有すると認められる者をその者の経歴に相当する階級の愛知県警察の警察官に採用するとき。
第3章 昇任
第1節 昇任制度
(区分及び意義)
第3条 警部への昇任は、昇任試験又は昇任選抜によるものとし、警部補及び巡査部長への昇任は、昇任試験、昇任選抜又は昇任選考(以下「昇任試験等」という。)によるものとする。
2 昇任試験とは、警察官を上位の階級に登用するための選考試験をいい、次の種別に区分する。
(1) 一般試験 勤務成績が良好で、幅広い知識及び優れた実務能力を有する警察官を上位の階級に登用するための試験
(2) 専門試験 勤務成績が良好で、専門的な知識及び高度の専門的な実務能力を有する警察官を上位の階級に登用するための試験
3 昇任選抜とは、勤務成績が優秀で、極めて優れた実務能力及び上位の階級についての高度の適性を有する警察官を上位の階級に登用するための選抜に基づく選考をいう。
4 昇任選考とは、勤務成績が良好で、優れた実務能力、上位の階級についての適性及び豊富な職務経験を有する警察官を上位の階級に登用するための選考をいう。
(1) 公務による負傷又は疾病のため、危篤となり、又は身体若しくは精神に著しい障害を有することとなった者
(2) 生命を賭して職務を遂行し、警察勲功章若しくは警察功労章を授与され、又は警察庁長官から賞詞を授与された者
(3) 20年以上勤務し、かつ、退職時の階級において3年以上勤務して退職する者のうち、在職中の勤務成績が著しく優秀と認められる者
(4) 退職時に巡査部長以上の階級にあり、かつ、当該階級において8年以上勤務して退職する者のうち、在職中の勤務成績が著しく優秀と認められる者
(5) 60歳に達する年度の年度末において警部補以上の階級にあり、61歳に達する年度においても勤務を継続する者であって、同年度の4月1日において20年以上勤務し、かつ、当該階級において3年以上勤務する者のうち、勤務成績が著しく優秀と認められる者
(6) 60歳に達する年度の年度末において警部補以上の階級にあり、61歳に達する年度においても勤務を継続する者であって、同年度の4月1日において当該階級において8年以上勤務する者のうち、勤務成績が著しく優秀と認められる者
(7) 特に顕著な功労があり、昇任させることが必要であると認められる者
2 前項ただし書の場合において、死亡した者に対する昇任は、その者の生前の日に遡って行うものとする。
第2節 昇任管理委員会等
第1款 昇任管理委員会
(昇任管理委員会の設置)
第5条 警察本部(以下「本部」という。)に、昇任管理委員会を置く。
(昇任管理委員会の任務)
第6条 昇任管理委員会の任務は、次に掲げるとおりとする。
(1) 昇任試験等に関する諸施策を総合的に検討し、昇任試験等の効果的な運用を推進すること。
(2) 警視への昇任候補者選考の合格の決定及びその取消しを行うこと。
(3) 警部への昇任試験及び昇任選抜の合格の決定及びその取消しを行うこと。
(昇任管理委員会の組織)
第7条 昇任管理委員会は、委員長、副委員長及び委員をもって組織する。
2 委員長は警察本部長を、副委員長は警務部長を、委員は警務部を除く各部の部長、名古屋市警察部長及び警察学校長をもって充てる。ただし、委員長は、必要と認めるときは、本部の所属の長(以下「所属長」という。)の中から委員を命ずることができる。
(昇任管理委員会の運営)
第8条 委員長は、必要に応じて昇任管理委員会を招集し、議事を主宰する。
2 昇任管理委員会の庶務は、警務部警務課において処理する。
3 前2項に定めるもののほか、昇任管理委員会の運営に関し必要な事項は、委員長が定める。
第2款 昇任審査委員会
(昇任審査委員会の設置)
第9条 本部に、昇任審査委員会を置く。
(昇任審査委員会の任務)
第10条 昇任審査委員会の任務は、次に掲げるとおりとする。
(1) 警部補及び巡査部長への昇任試験等の合格の決定及びその取消しを行うこと。
(2) 昇任管理委員会委員長の命ずる事項について、調査及び研究を行うこと。
(昇任審査委員会の組織)
第11条 昇任審査委員会は、委員長、副委員長及び委員をもって組織する。
2 委員長は警務部長を、副委員長は警務部警務課長を、委員は警務部を除く各部の庶務を担当する課の長(以下「庶務担当課長」という。)及び首席監察官をもって充てる。ただし、委員長は、必要と認めるときは、本部の所属長の中から委員を命ずることができる。
(昇任審査委員会の運営)
第12条 第8条の規定は、昇任審査委員会の運営について準用する。
第3款 部昇任委員会
(部昇任委員会の設置)
第13条 本部の各部に、部昇任委員会を置く。
(部昇任委員会の任務)
第14条 部昇任委員会の任務は、次に掲げるとおりとする。
(1) 第17条に規定する所属昇任委員会が警察本部長に推薦した警部への昇任選抜(以下「警部昇任選抜」という。)の候補者並びに警務部長に推薦した警部補及び巡査部長への昇任選抜及び昇任選考(以下「警部補・巡査部長昇任選抜等」という。)の候補者を審査すること。
(2) 前号の規定による審査の結果を、警部昇任選抜の候補者については警察本部長に、警部補・巡査部長昇任選抜等の候補者については警務部長に上申すること。
(部昇任委員会の組織)
第15条 部昇任委員会は、委員長、副委員長及び委員をもって組織する。
2 委員長は各部の部長を、副委員長は各部の庶務担当課長を、委員は各部の所属長(庶務担当課長を除き、警務部にあっては警察学校副校長を含む。)をもって充てる。
第4款 所属昇任委員会
(所属昇任委員会の設置)
第17条 各所属に、所属昇任委員会を置く。
(所属昇任委員会の任務)
第18条 所属昇任委員会の任務は、次に掲げるとおりとする。
(所属昇任委員会の組織)
第19条 所属昇任委員会は、委員長、副委員長及び委員をもって組織する。
2 委員長は所属長を、副委員長は次長、副隊長、副校長又は副署長を、委員は本部及び名古屋市警察部の所属並びに警察学校(以下「本部等所属」という。)にあっては原則として課長補佐(同相当職を含む。)以上の職員のうちから委員長が指名する者を、警察署にあっては課長(中警察署にあっては栄地区対策隊長を含む。)のうちから委員長が指名する者をもって充てる。
第3節 昇任試験
(昇任試験の受験資格)
第21条 昇任試験の受験資格は、別表第1のとおりとする。
2 昇任試験を実施する年度の前年度の4月1日から試験の実施日までの間に減給以上の懲戒処分を受けた者及び試験の実施日において、現に休職を命ぜられ、又は出勤を停止されている者は、前項の受験資格を有しないものとする。ただし、懲戒処分を受けたことにより受験資格を有しないこととなったときは、当該懲戒処分は、次年度の受験資格に影響を及ぼさないものとする。
3 愛知県警察から愛知県の他の機関、国又は他の地方公共団体の機関等に出向している者で、当該出向の直前に在級していた階級に引き続き在級していたとすれば、第1項の受験資格を有することとなるものは、昇任試験を受験することができる。
(昇任試験の実施の示達等)
第22条 昇任試験の実施日その他昇任試験の実施に関し必要な事項は、当該実施日の1か月前までに各所属長に示達する。
2 警務部長は、各所属の昇任試験受験資格者名簿を作成し、前項の示達に併せて各所属長に通知するものとする。
(試験の方法)
第23条 昇任試験は、予備試験、第一次試験及び第二次試験に分けて行う。
2 昇任試験の受験資格を有し、かつ、受験を希望する者で次の各号のいずれかに該当するものについては、予備試験を免除する。
(1) 直近に実施された同一の階級への昇任試験の第一次試験に合格した者
(2) 前号に掲げる者のほか、別に定める者
3 予備試験の免除を受ける資格を有する者が職務上の理由により昇任試験を受験することができなかったときは、その者について、その昇任試験の実施後最初に実施される昇任試験の予備試験を免除する。
6 第二次試験は、第一次試験に合格した者について、口述及び実技の方法により行う。
7 第二次試験の口述試験は、別表第4の評価事項について行う。
8 第二次試験の実技試験は、別に定める各階級において必要とされる警察術科を行う。
(昇任試験の受験手続)
第24条 所属長は、昇任試験の実施に関する示達を受けたときは、その内容を所属職員に周知徹底しなければならない。
2 所属長は、昇任試験の受験を真に希望する者を把握し、警部への昇任試験の受験希望者については警察本部長に、警部補及び巡査部長への昇任試験の受験希望者については警務部長に報告しなければならない。
(合格発表)
第25条 昇任試験の合格者の発表は、その都度行う。
(合格の取消し)
第26条 昇任管理委員会及び昇任審査委員会は、昇任試験の合格者がその昇任前に次の各号のいずれかに該当することとなったときは、その合格の決定を取り消すことができる。
(1) 昇任試験の受験に関し、不正の行為があったことが判明したとき。
(2) 懲戒処分を受けた場合で、昇任させることが適当でないと認められるとき。
(3) 心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えないとき。
(4) 前3号に掲げるもののほか、昇任させることが適当でないと認められるとき。
第4節 昇任選抜
(昇任選抜の受験資格)
第27条 昇任選抜の受験資格は、別表第5のとおりとする。
(昇任選抜の実施の示達)
第28条 昇任選抜の実施に関し必要な事項は、実施の都度、各所属長に示達する。
(選抜の方法)
第29条 昇任選抜は、第一次選抜及び第二次選抜に分けて行う。
2 第一次選抜は、書面考査の方法により行い、候補者に係る部昇任委員会の上申書、所属昇任委員会の推薦書、勤務評価表等に基づき判定する。
3 第二次選抜は、第一次選抜の合格者について、筆記及び口述の方法により行う。
5 前各項に定めるもののほか、昇任選抜の実施に関し必要な事項は、別に定める。
第5節 昇任選考
(昇任選考の受験資格)
第30条 昇任選考の受験資格は、別表第6のとおりとする。
(昇任試験等の特例)
第32条 災害その他やむを得ない特別な事情があると警察本部長が認めたときは、昇任試験等の実施方法等を変更することができる。
〔令2本部訓令31号・本条追加〕
附則
この訓令は、平成23年8月17日から施行する。
附則(平成25年3月14日愛知県警察本部訓令第7号)
この訓令は、平成25年3月14日から施行する。
附則(平成28年2月8日愛知県警察本部訓令第5号)
この訓令は、公布の日から施行する。
附則(平成30年9月3日愛知県警察本部訓令第28号)
この訓令は、平成30年10月1日から施行する。
附則(令和2年10月28日愛知県警察本部訓令第31号)
この訓令は、令和2年10月28日から施行する。
附則(令和4年12月6日愛知県警察本部訓令第17号)
この訓令は、令和5年1月1日から施行する。
附則(令和6年2月1日愛知県警察本部訓令第4号)
この訓令は、令和6年3月1日から施行する。
別表第1(第21条関係)
〔平25本部訓令7号平28本部訓令5号平30本部訓令28号令2本部訓令31号・本表一部改正〕
昇任試験の受験資格
区分 | 警部 | 警部補 | 巡査部長 | |
一般試験 | 4年制大学卒業者 | 警部補の階級に4年以上在級している者 | 巡査部長の階級に2年以上在級している者 | 巡査の階級に2年以上在級している者 |
短期大学卒業者 | 巡査部長の階級に3年以上在級している者 | 巡査の階級に3年以上在級している者 | ||
高等学校卒業者等 | 巡査部長の階級に4年以上在級している者 | 巡査の階級に4年以上在級している者 | ||
専門試験 | 4年制大学卒業者 | 警部補の階級に8年以上在級している者 | 巡査部長の階級に8年以上在級している者 | 巡査の階級に8年以上在級している者 |
短期大学卒業者 | 巡査の階級に10年以上在級している者 | |||
高等学校卒業者等 | 巡査の階級に12年以上在級している者 |
備考
1 専門試験の受験資格を有する者は、一般試験又は専門試験のいずれかを選択して受験することができる。
2 学歴の区分の意義は、別に定めるところによる。
3 在級年数の計算は、次により行うものとする。
(1) 昇任試験を実施する年度の4月1日を基準日として行う。
(2) 休職及び停職の期間は、在級年数に含まない。
(3) 第2条本文の規定により競争試験において巡査の階級に採用された者のうち、採用前において警察官又は皇宮護衛官の職の経歴を有するものは、その在職期間を巡査の階級の在級年数に通算する。この場合においては、採用前における警察官又は皇宮護衛官の職を離職してから採用されるまでの期間(以下「離職期間」という。)が2年以上の者にあっては2年間の、離職期間が2年未満の者にあっては1年間の在職期間を経た後に通算する。
(4) 第2条第2号の規定により採用された者のうち、離職期間が2年以上のものにあっては2年間の、離職期間が2年未満のものにあっては1年間の在職期間を経た後に、それぞれ現在の階級に相当する職の在職期間を在級年数に通算する。
(5) 第2条第3号に規定する形態により採用された者については、採用前における警察官又は皇宮護衛官としての在職期間のうち現在の階級に相当する職の在職期間を在級年数に通算する。
別表第2(第23条関係)
予備試験の科目
1 憲法
2 警察行政法
3 刑法
4 刑事訴訟法
5 総務・警務警察及び社会常識
6 生活安全警察
7 地域警察
8 刑事警察
9 交通警察
10 警備警察
別表第3(第23条関係)
第一次試験の科目
1 一般試験
(1) 警部への昇任試験
ア 警察管理
イ 刑法
ウ 刑事訴訟法
エ 憲法又は警察行政法
オ 生活安全警察
カ 地域警察
キ 刑事警察
ク 交通警察
ケ 警備警察
(2) 警部補及び巡査部長への昇任試験
ア 憲法
イ 警察行政法
ウ 刑法
エ 刑事訴訟法
オ 総務・警務警察
カ 生活安全警察
キ 地域警察
ク 刑事警察
ケ 交通警察
コ 警備警察
2 専門試験
(1) 警部への昇任試験
ア 警察管理
イ 刑法
ウ 刑事訴訟法
エ 憲法又は警察行政法
オ 警察実務(生活安全警察、地域警察、刑事警察、交通警察及び警備警察の中から1科目選択)
(2) 警部補及び巡査部長への昇任試験
ア 憲法
イ 警察行政法
ウ 刑法
エ 刑事訴訟法
オ 総務・警務警察
カ 警察実務(生活安全警察、地域警察、刑事警察、交通警察及び警備警察の中から1科目選択)
別表第4(第23条関係)
口述試験の評価事項
1 人物評価
2 警察実務に関する実務能力の評価
別表第5(第27条関係)
〔平25本部訓令7号平28本部訓令5号平30本部訓令28号令2本部訓令31号・本表一部改正〕
昇任選抜の受験資格
区分 | 資格 |
警部 | 警部補の階級に4年以上在級している者 |
警部補 | 巡査部長の階級に4年以上在級している者 |
巡査部長 | 巡査の階級に4年以上在級している者 |
備考 在級年数の計算は、別表第1の備考3を準用する。
別表第6(第30条関係)
〔平25本部訓令7号令2本部訓令31号・本表一部改正〕
昇任選考の受験資格
区分 | 資格 |
警部補 | 巡査部長の階級に10年以上在級し、かつ、年齢50歳以上の者 |
巡査部長 | 巡査の階級に在級し、かつ、年齢40歳以上の者 |
備考 在級年数の計算は、別表第1の備考3を準用する。