○逮捕術訓練要綱の制定

令和2年10月7日

務教発甲第148号

この度、「逮捕術訓練要綱」の改正について(令和2年警察庁丙人発第59号)が示達されたことに伴い、逮捕術訓練要綱の制定(平成25年務教発甲第127号)の全部を別記のように改正し、令和2年10月8日から実施することとしたので、その適正な運用に努められたい。

別記

逮捕術訓練要綱

第1 目的

この要綱は、逮捕術の訓練(以下「訓練」という。)を推進するために必要な事項を定めることにより、警察官がその職務を執行するに当たり、犯人等から攻撃又は抵抗を受けた場合において、その場の状況に応じて、逮捕術を十分に活用できるように、逮捕術の術技(以下「術技」という。)を修得させ、相手に与える打撃を最小限度にとどめながら、安全かつ効果的に犯人等を制圧し、逮捕できるようにするとともに、受傷事故の絶無を期すことを目的とする。

第2 訓練推進体制

1 訓練責任者

(1) 教養課、自動車警ら隊、鉄道警察隊、機動捜査隊、第一交通機動隊、第二交通機動隊、高速道路交通警察隊、機動隊、警察署及び警察学校(以下「特定所属」という。)に訓練責任者を置き、所属の長をもって充てる。

(2) 訓練責任者は、所属における訓練を計画的かつ確実に実施すること。

なお、特定所属以外の所属における訓練は、教養課の訓練責任者が実施すること。

2 訓練推進責任者

(1) 訓練責任者は、所属の警部以上の階級にある警察官の中から訓練推進責任者を指名すること。

(2) 訓練推進責任者は、年間を通じた効果的かつ効率的な訓練計画を定め、実効のある訓練を推進すること。

なお、特定所属以外の所属における訓練計画は、教養課の訓練推進責任者が定め、計画に基づいた訓練を推進すること。

3 訓練指導者

(1) 特定所属に訓練指導者を置き、術科訓練指導者等配置要綱の制定(平成14年務教発甲第31号)第4の1に定める訓練指導者をもって充てる。

(2) 訓練指導者は、訓練に際し、実戦的かつ効果的な指導、安全管理の推進及び受傷事故の防止に努めること。

第3 技の種類

逮捕術の技の種類は、構え、防御技、離脱技、打撃技及び制圧技とし、その実施要領は、警務部長が別に示達する。

第4 訓練の種類及び目的

1 基本訓練

基本訓練は、単独動作又は受(警察官役の相手となる者をいう。以下同じ。)、取(警察官役として術技を施す者をいう。以下同じ。)の相対動作によって、構え、防御技、離脱技、打撃技及び制圧技を個々又は適宜に組み合わせて訓練し、打ち、突き、蹴り等の実戦的感覚を養わせるとともに、応用訓練への移行を容易にさせることを目的とする。

2 応用訓練

応用訓練は、受及び取を定め、又は定めないで、相対動作によって自由な攻撃及びこれに対する防御を行い、間合い、目付け、体さばき等を修得させることに重点を置き、現場における不意の攻撃又は抵抗に的確に対処し、これを制圧できる実戦的な術技を修得させることを目的とする。

3 補助訓練

補助訓練は、警察官に必要な反射力、体力等を向上させることを目的とする。

第5 訓練計画の策定

訓練推進責任者は、所属する全ての警察官(教養課の訓練推進責任者にあっては、特定所属以外の所属の警察官を含む。)を対象とし、逮捕術の定期的な訓練日を指定するとともに、警察官の職務及び特性に応じた訓練が実施できるように配意し、訓練計画を策定すること。

第6 訓練推進上の留意事項

1 警務部長は、効果的かつ効率的な訓練の実施に資するため、毎年、訓練実施に関する指針を訓練責任者に示すこと。

2 警務部長は、訓練を確実に推進するため、訓練場所の確保及び訓練に必要な資機材の整備に努めること。また、訓練状況を把握し、その内容を検証した上、訓練の実施に必要な環境の整備に努めること。

3 教養課長は、逮捕術訓練に係る各種教養の実施、教養資料の作成等に努めること。

4 教養課長は、訓練指導者及び訓練指導者としての適性を有すると認められる者に対し、訓練に必要な知識及び技能の修得及び向上を図るための専科、講習等を受講させるなど、訓練指導者の計画的な育成に努めること。

第7 細目的事項

この要綱に定めるもののほか、訓練の実施に関する細目的事項は、警務部長が別に定める。

逮捕術訓練要綱の制定

令和2年10月7日 務教発甲第148号

(令和2年10月8日施行)

体系情報
第3編 務/第3章 養/第3節 術科教養
沿革情報
令和2年10月7日 務教発甲第148号