○愛知県警察地域安全活動推進要領の制定
平成10年4月30日
生総・地総発甲第31号
愛知県警察地域安全活動規程(平成10年愛知県警察本部訓令第8号)第8条の規定に基づき、別記のとおり愛知県警察地域安全活動推進要領を定め、平成10年5月1日から実施することとしたので、効果的な地域安全活動の推進に努められたい。
なお、愛知県警察防犯活動要綱の制定(昭和40年防犯発甲第118号)は、廃止する。
別記
愛知県警察地域安全活動推進要領
第1 趣旨
この要領は、愛知県警察地域安全活動規程(平成10年愛知県警察本部訓令第8号)第8条の規定に基づき、地域安全活動の推進に関し必要な基本的な事項を定めるものとする。
第2 活動体制の整備
1 警察における体制の整備
(1) 現場防犯活動体制の確立
ア 生活安全総務課及び警察署に現場防犯活動員を置く。
イ 現場防犯活動員には、生活安全総務課員及び警察署の生活安全係の警部補のうち警察署長(以下「署長」という。)が指定するものをもって充てる。
ウ 現場防犯活動員は、犯罪現場に臨場し、防犯対策上必要な資料の収集及び分析並びに犯罪現場臨場後の各種防犯活動を行うものとする。
(2) 防犯活動アドバイザー等の活用
署長は、防犯活動アドバイザー、交番相談員等の効果的活用を図り、地域安全活動を推進するものとする。
(3) 地域における生活安全センターとしての体制の強化
署長は、交番及び駐在所を地域における生活安全センターとして効果的に活用できるよう担当者の指導及び教養を推進し、その体制の強化を図るものとする。
2 民間における体制の整備
(1) 防犯連絡所班長の委嘱等
ア 署長は、概ね小学校区単位における防犯連絡責任者(防犯連絡所)のうち、これらの者の意見又は要望のとりまとめを行うにふさわしいもの1名を防犯連絡所班長として委嘱するものとする。
イ 防犯連絡所班長の委嘱は、署長が様式第1の委嘱状を交付することにより行うものとする。
ウ 防犯連絡所班長の任期は1年とし、再任は妨げない。ただし、補欠により委嘱された防犯連絡所班長の任期は、他の防犯連絡所班長の任期の終期までとする。
(2) 防犯連絡所総代及び副総代の委嘱等
ア 署長は、防犯連絡所班長の意見又は要望のとりまとめを行う代表者及びこれを補佐するにふさわしい者を、防犯連絡所総代及び防犯連絡所副総代(以下「防犯連絡所総代等」という。)として委嘱するものとする。
イ 防犯連絡所総代等の委嘱は、署長が様式第1の委嘱状を交付することにより行うものとする。
ウ 防犯連絡所総代等の任期は、1年とし、再任は妨げない。ただし、補欠により委嘱された防犯連絡所総代等の任期は、他の防犯連絡所総代等の任期の終期までとする。
第3 地域安全活動に対する警察の支援
地域住民等による自主的な地域安全活動に対する警察の支援は、次のとおりとする。
(1) 地域安全情報の提供及び助言
署長は、地域住民等に対し身近な犯罪等の発生状況、犯罪等の発生の危険性が高い箇所等に関する情報、犯罪類型別の防犯のノウハウその他の地域安全情報の提供並びに専門的知識及び経験に基づいた指導又は助言を行うものとする。
(2) 地区防犯協会等に対する支援
署長は、地区防犯協会、婦人会、子供会、ロータリークラブ、企業等の行う地域安全活動を把握し、これらの組織に対し、地域安全活動に係る各種活動のリーダーを育成すること及び企業内に防犯担当者を配置することを要請するとともに、指導等の必要な支援を行うものとする。
(3) 民間防犯組織の活性化のための支援
ア 防犯協会への支援
生活安全総務課長は社団法人愛知県防犯協会連合会(昭和60年1月28日に社団法人愛知県防犯協会連合会という名称で設立された法人をいう。)に対し、署長は地区防犯協会に対し、その活動が主体的に行われるようにするため、財政基盤及び体制の充実強化が図られるよう助言その他必要な支援を行うものとする。
イ 職域防犯団体への支援
署長は、工場・事業所、業種その他の職域ごとの防犯団体の結成の促進又はその活動の活性化を図るため必要な支援を行うものとする。
ウ 防犯連絡所協議会への支援
署長は、防犯連絡所班長で構成される防犯連絡所協議会において、防犯連絡所班長が相互に協力することにより統一的かつ効果的な地域安全活動が推進されるようにするため、会議の設定その他必要な支援を行うものとする。
第4 自治体に対する積極的な働き掛け
1 生活安全総務課長の任務
生活安全総務課長は、次に掲げる事項に関し愛知県に対し積極的に働き掛けるものとする。
ア 愛知県の関係機関が積極的に地域安全活動に関する事業を推進すること。
イ 愛知県が積極的に市町村に対し地域安全活動に関する指導及び必要な助成を実施すること。
2 名古屋市警察部の任務
名古屋市警察部企画調整課長は、名古屋市との連絡調整事務等処理要綱の制定(平成9年務警発甲第78号)に基づき、名古屋市に対し地域安全活動の積極的な推進、財政的支援等について働き掛けるものとする。
3 署長の任務
署長は、市区町村に対し、地域安全活動の重要性を浸透させるとともに、安全な町作りの推進のための施策、体制の整備、必要な予算の定着化等を働き掛けるものとする。
第5 警察が行う地域安全活動
1 生活安全部の所掌に係る地域安全活動
(1) 犯罪等防止のための基本的な活動
ア 地域安全情報の収集、分析及び活用
警察職員は、各部門との緊密な連携の下に、それぞれの立場において地域安全情報を収集し、分析するとともに、これらの情報を整備し有効な活用を図るものとする。
イ 地域安全広報の実施
警察職員は、各種広報媒体を積極的に活用し、適宜適切な地域安全広報に努めるものとする。
ウ 防犯指導の実施
警察職員は、職務の遂行に際し、適宜適切な防犯連絡、防犯相談及び防犯診断を地域の犯罪実態等に応じ効果的に実施するものとする。
エ 危険箇所での警戒活動の実施
署長は、犯罪等の危険性の高い箇所を重点とした、地域住民等との合同パトロールを実施するなど必要な警戒活動を推進するものとする。
オ 現場防犯活動
(ア) 現場防犯活動員は、重要犯罪及び社会的反響の大きな犯罪が発生した場合は、関係部門と緊密な連携を図りながら、犯罪現場及びその付近において現場防犯活動を実施するものとする。
(イ) 署長は、(ア)の現場防犯活動の結果を現場防犯活動カード(様式第2)により警察本部長(生活安全総務課長経由)に報告するものとする。
(2) 具体的手法
ア 地域メッシュ犯罪類型別防犯活動
署長は、町内、学区、交番の所管区等の単位を一つのエリアとしてとらえ、そこで発生する身近な犯罪を対象に、類型別の防犯活動を推進するものとする。
イ 臨機に対応した防犯活動
署長は、犯罪等の発生状況により直ちに防犯対策を講じる必要があると判断した場合は、直ちに適切な防犯活動を行うものとする。
ウ 犯罪等に強い環境設計活動
署長は、施設等の管理者、所有者等に対して、犯罪に遭いにくい住宅等に関する指導、犯罪等の危険性の高い施設等に対する改善要請を行うなどして、犯罪等に強い安全な町作りを推進するものとする。
エ 弱者保護対策の推進
署長は、犯罪等の被害に遭いやすい子供、女性又は高齢者に対しては、各種の被害防止対策、広報啓発活動等の弱者保護対策を積極的に推進するものとする。
オ 地域安全活動マニュアルの作成及び整備
署長は、地域安全活動に関する各種マニュアルを作成し、地域住民等に配布するなどして、地域安全活動の積極的な推進を図るものとする。
2 地域部の所掌に係る地域安全活動
(1) 問題解決活動
署長は、地域における問題等を解決するため、交番等を拠点として次の活動を実施するものとする。
ア 地域住民等の被害意識又は不安感の高い犯罪に重点を置いた検挙活動
イ 迅速かつ的確な初動活動
ウ 一事案解決運動
エ 犯罪等の発生実態に応じた警戒活動
オ 被害品の早期発見、被害者宅への訪問活動その他の犯罪被害者支援
(2) 要望把握活動
署長は、巡回連絡の強化、交番・駐在所連絡協議会の積極的開催等により、地域住民等の要望又は意見及び地域安全情報を的確に把握するものとする。
(3) 情報発信活動
署長は、次の活動を積極的に展開し、交番等から地域住民等に対して効果的な地域安全情報を提供するものとする。
ア 地域住民等の身近な犯罪等の情報をタイムリーに提供すること。
イ 地域住民等に親しまれる広報紙の作成及び各種広報媒体等の活用に努めること。
第6 その他
この通達に定めるもののほか、地域安全活動に関し必要な推進事項等は、別に定めるところによるものとする。
〔平15務警発甲48号同140号平16務警発甲48号平20務警発甲174号平24務警発甲52号平25務住発甲19号・本別記一部改正〕
〔令元務警発甲93号・本様式一部改正〕
〔令元務警発甲93号・本様式一部改正〕