○愛知県警察ヘリポート航空照明施設管理要綱の制定
平成6年3月28日
地総発甲第13号
このたび、愛知県警察ヘリポートの航空照明施設の適正な管理を図るため、別記のとおり愛知県警察ヘリポート航空照明施設管理要綱を制定し、平成6年4月1日から施行することとしたから、その適正な運用に努められたい。
別記
愛知県警察ヘリポート航空照明施設管理要綱
第1 趣旨
この要綱は、愛知県警察ヘリポートに設置する航空照明施設の管理に関し、必要な事項を定めるものとする。
第2 用語の意義
この要綱において使用する用語の意義は、航空法(昭和27年法律第231号)、電気事業法(昭和39年法律第170号)、航空法施行規則(昭和27年運輸省令第56号)及び愛知県警察ヘリポート管理規程(平成6年愛知県警察本部訓令第8号)の定義、略称その他の用語の例によるほか、次によるものとする。
(1) 「管理」とは、航空照明施設の運用及び保守をいう。
(2) 「運用」とは、航空灯火を点灯して航空機の航行を援助し、又は電気設備に関するすべての操作を行うこと及びこれらに付随する事務をいう。
(3) 「保守」とは、点検、手入れ、測定等を行うことにより、航空照明施設を正常な状態に保持するための一切の作業及びこれらに付随する事務をいう。
(4) 「事故」とは、天災その他の原因により航空照明施設の機能が低下し、又は機能を喪失することをいう。
(5) 「異常状態」とは、航空照明施設の事故により航空保安上危険を伴う状態をいう。
第3 灯火責任者等の指定
1 管理責任者は、航空照明施設の適正かつ効果的な管理を図るため、警備第二課に勤務する職員の中からあらかじめ灯火責任者及び電気責任者を指定するものとする。
2 灯火責任者は航空灯火の管理、電気責任者は電気設備(航空灯火に付属する受配電盤、電線路及び操作盤をいう。以下同じ。)の管理に当たることを任務とする。
第4 運用
1 運用時間
航空照明施設の運用時間は、終日とする。
2 航空灯火の運用要領
(1) 灯火責任者は、次により航空灯火(以下「灯火」という。)を点灯するものとする。
ア 日没後から日の出までの間に離陸又は着陸予定航空機がある場合に、次に掲げる方法で点灯すること。
(ア) 離陸又は着陸予定時刻の1時間前に灯火の点灯確認を行い、当該予定時刻の少なくとも10分前に点灯すること。ただし、緊急に点灯を必要とする場合は、この限りでない。
(イ) 航空機が離陸したときは、離陸後少なくとも5分間は点灯を継続すること。
イ ヘリポートの上空を通過する航空機を援助する必要がある場合及び操縦士から要求があった場合は、状況により点灯すること。
(2) 境界灯及び境界誘導灯の点灯は、原則として主方向側の点灯を行うものとし、操縦士から要求があった場合は、従方向への切替えを行うものとする。
(3) 灯火の点滅(点検時の操作を含む。)に当たっては、操作する回路名を呼称する等確実な操作を行うものとする。
(4) 灯火の異常を発見し、又はその旨の通報を受けた者は、直ちに灯火責任者に通報するものとする。
(5) 灯火責任者は、灯火の異常を発見し、又はその旨の通知を受けたときは、直ちに管理責任者に報告するものとする。
3 電気設備の運用要領
(1) 管理責任者は、電気設備の操作を正しく行うため、操作要領を作成し、電気責任者はこれに従って操作するものとする。
(2) 電気設備について異常を発見した者は、直ちに電気責任者にその旨を通報するものとする。
(3) 電気責任者は、電気設備の異常を発見し、又はその旨の通報を受けたときは、直ちに管理責任者に通報するものとする。
4 灯火の運用停止
管理責任者は、天災その他の原因によりヘリポートの供用を一時停止する場合は灯火の運用を停止しなければならない。また、天災その他の原因により灯火の機能が損なわれるおそれがある場合及び工事により灯火の機能が損なわれるおそれがあるため、当該灯火の工事にかかる一部又は全部の運用を停止する必要がある場合は、灯火の運用を停止することができる。
5 電気設備の運用停止等
管理責任者は、電気設備の点検、整備等を行うため所定の関係機関と協議の上、航空保安上支障がないと認められる場合には、当該電気設備の運用を停止することができる。
第5 保守
1 点検区分
航空照明施設の点検は、次の区分及び電気事業法に基づく基準に従い実施するものとする。
ア 日常点検
外観点検は1週間に1回、精密点検は1か月に1回、電気設備の操作盤の開閉状態の点検は1年に1回、航空照明施設保守要領(別表第1)により実施するものとする。ただし、外観点検については、悪天候その他の事情で実施することができない場合はこの限りでない。
イ 臨時点検
臨時点検は、次の場合に行うものとする。
a 電気設備に異常が認められた場合
b 電気関係事故等により航空照明施設の機器に支障を来すおそれが認められた場合
c その他臨時に点検する必要が認められた場合
2 管理責任者は、前記1の点検を実施した場合は、次表に掲げる様式により、その結果を記録しておくものとする。
なお、精密点検及び電気設備の操作盤の開閉状態の点検を実施した場合は、日常点検表(様式第1)の備考欄にその結果を記録しておくものとする。
3 電気回路の表示
管理責任者は、配電盤等の見やすい位置に航空照明施設に係る電気回路の系統図を回路別に分かりやすく表示しておくものとする。
4 部外者の保守作業の指導
管理責任者は、航空照明施設の保守作業を部外者に実施させる場合は、灯火責任者又は電気責任者を立会させ、保守作業の指導に当たらせるものとする。
5 機器の取替え
必要により部品を取り替えた場合は、その状況を部品取替表(様式第3)に記録しておかなければならない。
6 機器の指定
航空照明施設に使用する機器は、原則として国土交通省航空局制定の機器仕様書に適合したものでなければならない。
7 予備品の備付け
管理責任者は、照明施設機器等予備品表(別表第2)に定める予備品を備え付け、その数量が不足したときは、速やかに補給手続を執るものとする。
第6 禁止行為の掲示等
1 管理責任者は、航空法(昭和27年法律第231号)第53条に定める禁止行為をヘリポートの見やすい場所に掲示しておかなければならない。
2 管理責任者は、航空照明施設の機能を損なうおそれのある物件を認めたときは、直ちに当該物件の除去等必要な措置を講じなければならない。
第7 異常状態処理方法
灯火責任者及び電気責任者は、異常状態が発生した場合は、それぞれ状況に応じ速やかに次の措置を執るものとする。
(1) 灯火の事故に起因する場合
ア 管理責任者に報告する。
イ 異常状態の解消等のため、必要がある場合は、あらかじめ定められた操作盤を操作する。
なお、当該操作は、原則として灯火責任者が行うものとする。
ウ 所定の関係機関に連絡する。
エ 事故の原因調査を行う。
オ 応急の修理を行い当該灯火を点灯させる。
カ 事故の復旧を所定の関係機関に連絡する。
(2) 電気設備の事故に起因する場合
ア 管理責任者に報告する。
イ 異常状態の解消等のため、必要がある場合は、あらかじめ定められた遮断器及び開閉器を操作する。
なお、当該操作は、原則として電気責任者が行うものとする。
ウ 応急の修理及び復電に必要な試験を行い、その安全性を確認する。
エ 現場において修理ができない場合又は専門技術者を必要とする場合には、専門業者に連絡し、応急の修理を行うものとする。
オ 所定の関係機関に連絡する。
カ 事故の原因調査を行う。
キ 復電予定時刻をあらかじめ関係者に連絡し、関係者が受電準備を完了したことを確認した後復電する。また、復電後は配電設備等の異常の有無を再度確認する。
ク 事故の復旧を所定の関係機関に連絡する。
(3) 事故記録の作成
管理責任者は、事故及び異常状態の発生時の状況並びに講じた措置の概要を事故記録表(様式第4)により本部長に報告するものとする。
(4) 航空局への通報
管理責任者は、やむを得ない事由により灯火の運用を停止した場合又はその機能を損なうこととなった場合及び当該施設の機能が復旧した場合は、速やかにその旨を国土交通省大阪航空局に通報するものとする。
(5) 連絡系統図の掲示
管理責任者は、異常状態発生時等における関係機関への連絡方法その他必要な事項をヘリポート監視室に掲示しなければならない。
第8 訓練
管理責任者は、灯火責任者、電気責任者及びその他の職員に対し、その業務上必要な知識及び技能を習得させるとともに、定期的な実情に即した実施訓練を行わなければならない。
第9 備付簿冊
管理責任者は、航空照明施設の現況を明確にするため、次表に掲げる簿冊を備え付け保存するものとする。
〔平13務警発甲1号平13地総発甲85号平18地総発甲18号平20地総発甲74号令3務警発甲156号・本別記一部改正〕
別表第1
〔平18地総発甲18号平20地総発甲74号・本表一部改正〕
航空照明施設保守要領
施設名 | 機器名等 | 処置要領等 | 点検 |
電気設備 | 注意事項 | 1 受電部には高圧充電部分があるので、取扱いには十分注意すること。 2 作業実施時は、開閉器の開放と停電を確認し二人以上で行うこと。 | |
受配電盤 電線路 | 電気事業法(保安規定)に基づく点検 | ||
操作盤 | 1 外観点検(損傷、加熱等) | 1週間に1回 | |
2 開閉状態(電磁接触器等) | 1年に1回 | ||
灯火 | 注意事項 | 照明施設は、レンズ又は反射鏡を利用した光学的機器であるため、光度が低下する原因は光源の動程により光束の減少及びほこり、ばい煙による器具の汚れ等が大きく影響するのでその性能を維持するためには、光源の保守と器具の清掃に留意すること。 | |
境界灯 境界誘導灯 | 1 外観点検(灯器等の取り外し不要) (1) LEDの点灯確認 LEDの不点灯が発見されたときは、灯器等の交換を行うこと。 (2) レンズの汚れ及び破損状態の確認 ア レンズに汚れがあるときは、水道水で湿らせて固く絞った柔らかい布等で清掃すること。この際、シンナー等の溶剤は使用しないこと。 イ レンズに破損があるときは、レンズ又は光学ユニットを交換すること。 (3) 灯器の取付け状態の確認 灯器の取付けに緩み等が発生しているときは、締付けバンド(地上型)又は灯器取付ナット(埋込型)に、緩み等がないか確認すること。 | 1週間に1回 | |
2 精密点検 (1) 灯器等の取り外し及び点検 ア 地上型については光学ユニットを、埋込型については灯体を取り外し、灯器内部及び基台内部の状態を点検すること。 イ 水が溜まっているときは、水を拭き取り、内部を乾燥させること。 ウ パッキンに破損があるときは交換すること。 (2) 灯器等の取付け 光学ユニット及び灯器を取り付ける際は、パッキンが接触する面を清掃し、砂等の異物がない状態で取り付けること。 | 1か月に1回 | ||
3 絶縁抵抗測定 ケーブル回路の絶縁は回路を一括して測定し、必要がある場合には適宜接続箇所を開き区分して測定すること。 | 3か月に1回 | ||
風向灯 航空障害灯 | 1 外観点検(灯器等の取り外し不要) (1) 風向指示器の点検 ベアリングが滑らかに回転し、吹き流しが正しく風向を指示しているか点検すること。 (2) 風向灯の点検 点灯状況を確認し、必要に応じ支柱を倒し、灯器の汚れ又は電球の劣化がないか点検すること。電球は、断芯又は黒化したものは交換すること。 (3) 航空障害灯の点検 必要に応じ支柱を倒し、境界灯及び境界誘導灯の外観点検と同様に点検すること。 | 1週間に1回 | |
2 精密点検 (1) 風向指示器の点検 吹き流しの汚れ又は損傷のひどいものは交換すること。ベアリングの回転具合を点検し、給油を行うこと。 (2) 支柱の点検 塗装の退色又は剥離が著しいときは、さび止めの上、保護塗装をすること。 (3) 航空障害灯の点検 必要に応じ支柱を倒し、境界灯及び境界誘導灯の精密点検と同様に点検すること。 | 1か月に1回 | ||
3 絶縁抵抗測定 | 3か月に1回 |
別表第2
照明施設機器等予備品表
機器等名 | 予備数量 | 備考 | ||
境界灯 (埋込型) | 灯器 | 1 | 航空黄 | |
境界灯 (地上型) | 光学ユニット | 1 | 航空黄 | |
境界誘導灯 | 光学ユニット | 1 | 航空緑 | |
航空障害灯 | 光学ユニット | 1 | 航空赤 | |
風向灯 | 電球 | 100V 150W | 3 | 航空白 |
吹き流し | 1 |
〔平18地総発甲18号・本様式全部改正、令元務警発甲93号令2務警発甲176号・本様式一部改正〕
〔平18地総発甲18号・旧様式4を一部改正し繰上、令元務警発甲93号・本様式一部改正〕
〔平18地総発甲18号・旧様式5を全部改正し繰上、令元務警発甲93号・本様式一部改正〕
〔平18地総発甲18号・旧様式6を一部改正し繰上、令元務警発甲93号・本様式一部改正〕
〔平18地総発甲18号・旧様式7を一部改正し繰上、令元務警発甲93号・本様式一部改正〕
〔平18地総発甲18号・旧様式8を一部改正し繰上、令元務警発甲93号・本様式一部改正〕
〔平18地総発甲18号・旧様式9を繰上、令元務警発甲93号・本様式一部改正〕