○愛知県警察災害派遣隊の設置要綱の制定

令和7年7月7日

備警二発甲第122号

この度、大規模災害発生時における部隊派遣体制の見直しに伴い、別記のとおり愛知県警察災害派遣隊の設置要綱を制定し、令和7年7月7日から実施することとしたので、その適正な運用に努められたい。

別記

愛知県警察災害派遣隊の設置要綱

第1 趣旨

この要綱は、県外において大規模な災害(地震、津波その他異常な自然現象又は事故を起因とする大規模な被害を伴う災害をいう。以下同じ。)が発生し、又は正に発生しようとしている場合(以下「大規模災害発生時」という。)に、被災地又は被災が予想される地域(以下「被災地等」という。)において活動する愛知県警察災害派遣隊(以下「警察災害派遣隊」という。)の設置について定めるものとする。

第2 設置等

1 愛知県警察に、警察災害派遣隊を置く。

2 警察災害派遣隊として、大規模災害発生時に直ちに被災地等に派遣され原則として派遣先の都道府県警察(以下「派遣先警察」という。)から宿泊所の手配、物資の調達等の支援を受けることなく活動する即応部隊及び大規模災害発生時から一定期間が経過した後に長期間にわたり派遣される一般部隊を編成しておくものとする。

第3 任務

警察災害派遣隊は、派遣先警察を管理する都道府県公安委員会からの警察法(昭和29年法律第162号)第60条の規定に基づく援助の要求により派遣され、派遣先警察の長の指揮下において、次に掲げる活動を任務とする。

(1) 情報の収集及び報告

(2) 避難誘導

(3) 救出救助

(4) 検視、死体調査及び身元確認の支援

(5) 災害対策基本法(昭和36年法律第223号)第76条第1項の規定に基づき都道府県公安委員会が指定する区域又は道路の区間(以下「緊急交通路」という。)の確保、緊急通行車両の先導、被災地等における活動に必要な交通の確保その他の被災地等における交通警察活動

(6) 行方不明者等の捜索

(7) 被災地における犯罪の抑止及び犯罪の検挙

(8) 被災者等の支援

(9) その他派遣先警察の長が特に指示する活動

第4 警察災害派遣隊各部隊の名称及び主な活動

1 即応部隊

(1) 広域緊急援助隊

ア 広域緊急援助隊警備部隊

被災情報の収集及び報告並びに被災者の避難誘導及び救出救助

イ 広域緊急援助隊交通部隊

交通情報の収集及び報告、緊急交通路の確保、緊急通行車両の先導、被災地等における活動に必要な交通の確保その他の被災地等における交通警察活動

ウ 広域緊急援助隊刑事部隊

検視、死体調査及び遺族対応

(2) 広域警察航空隊

警察用航空機による被災情報の収集及び報告、被災者の捜索及び救出救助、救援物資の輸送等

(3) 緊急災害警備隊

被災者の救出救助、行方不明者等の捜索、避難所、遺体安置所等の警戒警備、無人となった集落等における警ら、被災地等における検問等の犯罪の抑止を目的とした活動その他の派遣先警察の長が指示する活動

2 一般部隊

(1) 特別警備部隊

行方不明者等の捜索、避難所、遺体安置所等の警戒警備その他の被災地等における警備警察活動及び派遣先警察の長が特に指示する活動

(2) 特別犯罪抑止部隊

被災地における犯罪の抑止を目的とした防犯カメラの設置等

(3) 被災者支援部隊

避難所等の訪問を通じた相談対応及び防犯指導並びに行方不明者等相談情報の収集及び整理

(4) 特別自動車警ら部隊

警ら用無線自動車による警戒、警ら等

(5) 特別機動捜査部隊

捜査車両を用いた初動捜査等各種捜査活動

(6) 身元確認支援部隊

死亡の蓋然性が高い行方不明者の家族等からの身元確認に資する情報及び資料の収集

(7) 特別交通部隊

信号機の滅灯に伴う交通整理その他の被災地等における交通警察活動

第5 部隊の編成等

各部隊の編成、運用等は、主管部長が別に示達する。

なお、各部隊が出動する際には、帯同する車両を整備するための職員及び被災地において現場広報を担当する職員並びに通信機器を整備するための中部管区警察局愛知県情報通信部機動警察通信隊の隊員を帯同できるものとする。

第6 派遣準備等

1 派遣準備

即応部隊の各部隊長は、県外において大規模災害発生時又は震度6弱以上(東京都23区内にあっては震度5強以上)の地震の発生を認知したときは、被災地等の状況を勘案し、派遣に必要な装備資機材、車両等を迅速に準備すること。

2 派遣措置

広域緊急援助隊及び緊急災害警備隊の出動に当たっては、迅速を旨とし、全隊員の参集を待つことなく、小隊規模での段階的派遣を検討の上、被災地への部隊展開を実施するものとする。

第7 留意事項

1 即応部隊の自活

即応部隊は、十分な食料、飲料水等を携行し、原則として自活して活動すること。特に広域緊急援助隊警備部隊は、派遣先警察から被災地における先導及び宿泊所の手配の支援を受けることを念頭に置くことなく、テント、寝袋等の自活用装備資機材を携行して活動すること。

2 受傷事故の防止

被災地等での活動の際は二次災害の発生が危惧されることから、各部隊は、装備資機材を最大限に活用するとともに、隊員相互の連携を強化するなどして各種事故防止の徹底を図ること。

3 警察災害派遣隊の活動状況等に関する広報

警察災害派遣隊は、被災地における警察活動及び被災状況についての正確な情報発信が、被災地における犯罪の抑止、被災者の不安解消等に資する重要な任務であることを十分認識し、活動状況の映像等による記録、広報部門への提供等を積極的に行うこと。

第8 その他

1 支援対策本部等の設置

(1) 警察災害派遣隊が派遣される際は、愛知県警察自然災害警備基本計画の制定(令和4年備災発甲第60号)に基づき、警察本部に支援対策本部又は支援対策室(以下「支援対策本部等」という。)を設置し、派遣部隊の支援を行うこととなることから、派遣される各部隊の部隊長は、支援対策本部等と連携を密にすること。

(2) 支援対策本部等の長は、警察災害派遣隊が派遣される際は、直ちに中部管区警察局等を通じて被災地の被害状況、気象情報、受援体制等の情報収集に当たり、派遣される各部隊の部隊長に対して、部隊派遣の準備を指示するものとする。

2 指揮支援班の設置等

(1) 指揮支援班の設置

ア 愛知県警察に、指揮支援班を設置する。

イ 大規模災害発生時に派遣先警察を管理する都道府県公安委員会からの援助の要求により派遣され、派遣先警察の長の指揮下において、被災地等を管轄する警察が設置する現地指揮所の支援活動を行う指揮支援班を編成しておくものとする。

(2) 任務

指揮支援班は、被災地等を管轄する警察が設置する現地指揮所等において、次に掲げる活動を支援する。

(ア) 被災情報の収集及び分析

(イ) 部隊の選定及び部隊活動計画の策定

(ウ) 部隊活動の報告及び記録

(エ) 関係機関との連携及び調整

(3) 編成等

指揮支援班の編成、運用等は、警備部長が別に示達する。

(4) 庶務担当所属等

指揮支援班の主管部長は警備部長とし、庶務担当所属は警備第二課とする。

3 庶務担当所属等

各部隊の庶務担当所属は別表のとおりとし、派遣計画の調整、運用等に関する細目的事項は別表に示す主管部長がそれぞれ別に定める。

なお、各部隊に共通する事項及び調整が必要な事項に関する総括的な庶務は、警備第二課において行うこと。

別表

各部隊庶務担当所属一覧表

部隊名

主管部長

庶務担当所属

即応部隊

広域緊急援助隊警備部隊

警備部長

警備第二課

広域緊急援助隊交通部隊

交通部長

交通指導課

広域緊急援助隊刑事部隊

刑事部長

刑事総務課

広域警察航空隊

警備部長

警備第二課

緊急災害警備隊

警備部長

警備第二課

一般部隊

特別警備部隊

警備部長

警備第二課

特別犯罪抑止部隊

生活安全部長

生活安全総務課

被災者支援部隊

生活安全部長

生活安全総務課

特別自動車警ら部隊

地域部長

地域総務課

特別機動捜査部隊

刑事部長

刑事総務課

身元確認支援部隊

刑事部長

刑事総務課

特別交通部隊

交通部長

交通指導課

愛知県警察災害派遣隊の設置要綱の制定

令和7年7月7日 備警二発甲第122号

(令和7年7月7日施行)

体系情報
第8編 備/第2章 備/第2節 災害警備
沿革情報
令和7年7月7日 備警二発甲第122号