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「あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター研究試作展」を開催します
あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター(一宮市。以下「センター」という。)では、繊維業界への技術支援の一環として、新技術に関する研究開発を行い、企業の方々への技術移転を行っています。
この度、研究開発成果品や試作品の展示・紹介を行う「あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター研究試作展」を開催します。
センターが技術支援した企業の研究開発成果品などを展示するとともに、職員が試作に取り組み、ジャパン・テキスタイル・コンテスト2025※1でグランプリを受賞した「絣(かすり)※2格子」織物について、作品の特徴や技術的な内容を紹介します。
これらの研究試作品に興味のある方を始め、多くの方々の御来場をお待ちしています。
1 日時
2026年2月19日(木曜日)及び20日(金曜日) 両日とも午前10時から午後5時まで
(「第23回 JAPAN YARN FAIR(ジャパン ヤーン フェア) & THE BISHU(ザ ビシュウ)~糸と尾州の総合展~※3」内において開催)
2 場所
一宮市総合体育館 いちい信金アリーナ
(一宮市光明寺字白山前20番地 電話:090-6356-0436(会期中のみ))
3 入場料
無料
4 展示内容
展示会では、以下のものを含む各種研究試作品を展示します。
(1)「絣格子」織物
センターでは県内繊維企業に向けた技術支援を行っており、職員の指導力強化を目的として、日頃から織物や編物の試作を行っています。
今回試作した「絣格子」織物では、粘度を高めた染料を調合し、綛(かせ)※4にした糸に塗り込む手法を用いて染色しました。この糸染め手法では、染液を循環させて均一に染める一般的な方法と異なり、塗り込みの強弱により意図的に色の濃淡を生じさせることができました。
この染色した糸を使用して織物を試作しました。3種類の織り組織※5を組み合わせて、色糸の配置を工夫することで、モザイク柄を基本に、グラデーションのある格子を表現しました。織り上げた後、洗絨(せんじゅう)※6と軽い熱処理を施して、柔らかな風合いの織物に仕上げました。
この「絣格子」織物は、「ジャパン・テキスタイル・コンテスト2025」で最高位のグランプリを受賞しました。同会場で開催される「ジャパン・テキスタイル・コンテスト2025優秀作品展」では、本作品を使用した衣服も展示されます。
本展示会では、作品の特徴や技術的な内容を写真を交えて紹介します。
染色した糸(左)と「絣格子」織物(右)
(2)廃繊維を活用した常温アスファルト混合物
新たな常温アスファルト混合物を開発する三和興産(さんわこうさん)株式会社(一宮市)から、アスファルト強化剤として廃繊維の活用の相談を受け、技術支援を行った成果品です。
常温アスファルト混合物は、主に道路の緊急補修材料として使用されており、一般的な加熱アスファルト混合物に比べて、長期保存が可能である、常温で施工できるため作業者に優しいなどの利点がありますが、強度・耐久性に劣るという欠点がありました。今回開発した常温アスファルト混合物は、織物製造工程で多量に排出される繊維廃棄物である「捨て耳※7」を裁断し、混合物に加えることで、強度・耐久性を10%以上向上させることに成功しました。
開発品は主原料にもアスファルト廃材を破砕した再生材を利用しており、ほぼ100%再生材から製造された環境配慮型の製品です。また、カラー遮熱性顔料※8の添加により、舗装表面温度の上昇を抑える効果があることも確認しています。
裁断した捨て耳(左)と開発した廃繊維添加常温アスファルト混合物(右)
5 問合せ先
あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター
素材開発室(担当:田中、浅野、池口、加藤(一))
一宮市大和町馬引字宮浦35
電話:0586-45-7871
メール:owari-kikaku@aichi-inst.jp
【用語説明】
※1 ジャパン・テキスタイル・コンテスト2025
「次代のテキスタイル産業を担う人材の発掘・育成」、「テキスタイル産業における技術力、デザイン力、マーケティング力の強化」を目指して1991年から開催されているテキスタイル・コンテスト。
※2 絣
織物の技法の一つで、絣糸(かすりいと)、すなわち、あらかじめ部分的に濃淡に染め分けた糸を用いて織り上げて、文様を表す技法のこと。
※3 第23回 JAPAN YARN FAIR & THE BISHU~糸と尾州の総合展~
「第23回 JAPAN YARN FAIR」は、「糸(YARN)」に特化した展示商談会で、商社、紡績、合成繊維メーカー、意匠撚糸メーカー、染色整理加工企業などが、機能性、意匠性に富んだ高付加価値の糸を提案し、染色整理技術や繊維関連機器を紹介。
「THE BISHU~糸と尾州の総合展~」は、尾州産地に関連する様々な事業や企業、団体の活動などを紹介する総合展示会。15回目となる今回は「ジャパン・テキスタイル・コンテスト(JTC)2025優秀作品展」等の常設展示を実施。
主催:公益財団法人尾州ファッションデザインセンター
共催:一宮市、愛知県繊維振興協会
特別協力:日本毛織物等工業組合連合会
後援:中部経済産業局、愛知県、一般社団法人日本アパレル・ファッション産業協会、中部羊毛産業協会、愛知県撚糸工業組合、名古屋毛織工業協同組合、尾西毛織工業協同組合、尾北毛織工業協同組合、津島毛織工業協同組合、岐阜県毛織工業協同組合
協力:日本化学繊維協会、日本紡績協会、日本羊毛産業協会、日本毛整理協会、ハローワーク一宮
※4 綛
糸を枠に巻き取り、輪状にしたもの。
※5 織り組織
織物において、たて糸とよこ糸が交差する規則のこと。
※6 洗絨
毛織物の仕上げ工程で、織り終えた生地を洗剤などで洗う工程。毛織物の洗浄及び風合作りのために行われる。
※7 捨て耳
織物製造時に切り落とされる生地端の部分。ほとんどが廃棄されている。
※8 カラー遮熱性顔料
赤外線の反射率が高く、太陽光などによる混合物の温度上昇を抑えることのできる顔料。
このページに関する問合せ先
あいち産業科学技術総合センター尾張繊維技術センター
素材開発室(田中、浅野、池口、加藤(一))
一宮市大和町馬引字宮浦35
電話:0586-45-7871
メール:owari-kikaku@aichi-inst.jp

