2023年愛知県地盤沈下調査結果について

地盤沈下とは、私たちが日々生活を営んでいる大地が、知らないうちに、徐々に広い範囲で沈んでいく現象で、過剰な地下水のくみ上げが大きな原因であることがわかっています。

愛知県では、1959年の伊勢湾台風により広域で地盤沈下の存在が認識されたため、1961年から関係機関と協力し、濃尾平野の地盤沈下の状況を観測・調査しています。

この度、国土交通省、名古屋市及び名古屋港管理組合と協力して実施した水準測量、地下水位等の調査結果を基に、2023年の県内の地盤沈下の状況について、以下のとおり取りまとめました。

○ 概要

県内の地盤沈下は、全般的に見て、地下水揚水（ようすい）量の減少に伴う地下水位の上昇により、おおむね沈静化の傾向にあります。

○ 水準測量結果（地盤沈下の状況）

　2023年の水準測量は、尾張・名古屋市地域及び西三河地域において実施しました。

　＜尾張・名古屋市地域＞

前回(2022年)の測量結果と比較した結果、有効水準点560点のうち1年間で1cm以上沈下した水準点はありませんでした。

　＜西三河地域＞

前回(2021年)の測量結果と比較した結果、有効水準点53点のうち1年当たりで1cm以上沈下した水準点はありませんでした。

○ 地下水位調査結果

2023年の尾張地域、西三河地域及び東三河地域の地下水位は、昨年と比べおおむね同程度でした。

○ 地下水揚水量集計結果

　2023年度の地下水揚水量は、昨年度と比べ僅かに減少しました。

（今後の対応）　

　県内の地盤沈下は、おおむね沈静化の傾向にあります。しかしながら、渇水時には涵養（かんよう）量の減少や揚水量の増加によって地下水位が急激に低下し、広範囲な地盤沈下の発生する可能性が依然としてあることから、引き続き地盤沈下・地下水位の監視や地下水の揚水規制等を実施し、地盤沈下の防止に努めていきます。