ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
現在地 ホーム > 組織からさがす > 陶磁美術館 > 盛田昌夫(もりたまさお)コレクション寄贈記念 特別展「イタリアの磁器‐リチャード ジノリのクラシックとモダン」

本文

盛田昌夫(もりたまさお)コレクション寄贈記念 特別展「イタリアの磁器‐リチャード ジノリのクラシックとモダン」

ページID:0575118 掲載日:2025年3月19日更新 印刷ページ表示

愛知県陶磁美術館では、盛田昌夫氏(元 株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント代表取締役会長)よりリチャード ジノリの開窯期から2000年頃までの作品149点の寄贈を受けました。
この度、寄贈記念展として盛田昌夫コレクションを初公開いたします。本展では盛田昌夫コレクションを中心に、ジノリの名品約200点を御紹介します。

みどころ

・<盛田昌夫コレクション>を初公開!
・日本では紹介される機会が少ないイタリア磁器リチャード ジノリの名品が勢揃い
・「イタリアデザインの父」といわれるジオ・ポンティのデザインによる陶磁器や椅子、タイルなどの名品も展示します。

1 会期

2025年5月17日(土曜日)から7月27日(日曜日)まで
休館日:毎週月曜日
ただし、7月21日(月曜日・祝日)は開館、7月22日(火曜日)は振替休館

2 開館時間

5月17日(土曜日)から6月29日(日曜日)まで
午前9時30分から午後4時30分まで(入館は午後4時まで)
※ただし、5月17日(土曜日)は開会式のため観覧は午前11時30分頃
から
7月1日(火曜日)から7月27日(日曜日)まで
午前9時30分から午後5時まで(入館は午後4時30分まで)

3 会場

愛知県陶磁美術館 本館1階 展示室1-A・1-B

4 出品点数

​​約200点(主な展示作品は別紙のとおり)

5 展示構成

第1章「イタリアの磁器 ドッチア窯」
第2章「リチャード ジノリの時代」
第3章「アート・ディレクター ジオ・ポンティのデザイン」
第4章「ジノリの現在(いま)」

6 観覧料

一般 900円(720円)、高大生 700円(560円)、中学生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金
※各種割引制度があります。詳細は愛知県陶磁美術館のWebページで御確認いただくか、又は、「10  問合せ先」へおたずね下さい。
(https://www.pref.aichi.jp/touji/use_guidance/)

7 開会式について

(1)日時
2025年5月17日(土曜日)午前11時から午前11時30分頃まで
(2)会場
愛知県陶磁美術館 本館1階ロビー
(3)出席予定者
愛知県知事 大村秀章(おおむらひであき)
盛田昌夫(もりたまさお)氏(元 株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント代表取締役会長)等
(4)内容
知事挨拶、盛田氏挨拶

8 関連事業

(1)記念講演会「陶磁を愛した建築家 ジオ・ポンティ」
講師:田代(たしろ) かおる氏(デザインライター、キュレーター)
日時:2025年5月31日(土曜日)午後1時30分から午後3時頃まで
会場:本館地下1階 講堂
定員:150名程度(当日先着順)、事前申込不要
参加費:無料(ただし、本展観覧券が必要です)
(2)親子向けギャラリートーク「はじめてのジノリ」
日時:2025年6月1日(日曜日)午後1時30分から午後2時30分頃まで
会場:本館1階 展示室1-A・1-B 
定員:親子10組程度(当日先着順)、事前申込不要
参加費:無料(ただし、本展観覧券が必要です)
(3)学芸員によるギャラリートーク
日時:2025年6月15日(日曜日)、7月19日(土曜日)
各日午後1時30分から午後2時30分頃まで
会場:本館1階 展示室1-A・1-B 
定員:各回20名(当日先着順)、事前申込不要
参加費:無料(ただし、本展観覧券が必要です)
(4)体験講座「ペンワークで小さなお皿に花飾りのイニシャルを描く」
内容:ヨーロッパの陶磁器装飾に見られる、ペンで細線を描く絵付け技法の
体験講座です。花飾りで彩られたイニシャルを描きます。
講師:杉山(すぎやま) ひとみ氏
(1級陶磁器製造技能士、イタリアロンバルディア州認定磁器上絵付装飾師)
日時:2025年6月22日(日曜日)午後1時から午後4時頃まで
会場:陶芸館 実習室等
定員:20名、要事前申込(応募者多数の場合は抽選)
対象:高校生以上
参加費:一般 3,500円、高校・大学生 3,340円(観覧料込み)
※申込方法、会場等詳細は、5月上旬頃に愛知県陶磁美術館のWebページにて御案内します。

9 主催

​愛知県陶磁美術館

後援
愛知県教育委員会、愛知高速交通株式会社(リニモ)、名古屋日伊協会

特別協力
リチャード ジノリ・アジアパシフィック株式会社、INAXライブミュージアム、ロムドシン、株式会社アルフレックスジャパン、株式会社カッシーナ・イクスシー

10 問合せ先

愛知県陶磁美術館 学芸課 担当 大槻(おおつき)・鮫島(さめしま)・植田(うえた)
〒489-0965 愛知県瀬戸市南山口町234番地
電話:0561-84-7474(代表)
FAX:0561-84-4932
メール:touji@pref.aichi.lg.jp
Webページ:https://www.pref.aichi.jp/touji/

<参考>リチャード ジノリについて

リチャード ジノリの歴史は、フィレンツェのカルロ・ジノリ侯爵(こうしゃく)が、1735年に当時ヨーロッパ王侯貴族の憧れであった磁器焼成に向けて活動を開始し、1737年トスカーナ州の自領に<ドッチア窯>を開き、磁器を完成したことから始まります。
王侯貴族らに愛好されて発展し、1896年にはミラノのリチャード陶器会社と合併して<リチャード ジノリ社>となりました。近代的な製陶会社となったこの時代には、日用品から高級磁器までさまざまなテーブルウエアを製造すると共に、装飾美術の転換期を迎えた時代を背景として、生活空間を彩る美術陶磁を制作し、世界的な陶磁器メーカーへと発展しました。
1920-30年代には建築家ジオ・ポンティがアートディレクターを務め、ジノリのデザインに新風を吹き込みます。そして2020年には「GINORI(ジノリ) 1735」とブランド名称を変更し、現在に至ります。現在まで、イタリア芸術の古典を大切にしながらも、新たなモダンデザインを模索し、数々の名品を生み出しています。

別紙

主な展示作品
作品写真 解説
第1章 出品作品より
オーバルプレート
1 オーバルプレート<スタンピーノ>
ドッチア窯/1735-1757年制作
磁器、下絵付(染付)
当館蔵(盛田昌夫コレクション)
ドッチア窯 最初期のテーブルウエア
スタンピーノとは、模様を切り抜いた型紙を素地に載せ、筆で絵具を塗って器に絵付けする装飾技法で、主にドッチア窯の初期の作に見られます。唐草風の草花のモチーフは、中国や日本の染付磁器に影響を受けています。東洋の磁器はヨーロッパの人々にとって憧れの的でした。
第1章 出品作品より
キャンディーボックス
2 キャンディーボックス
<イタリアンフルーツ>
ドッチア窯/1757-1792年制作
当館蔵(盛田昌夫コレクション)
伝統のデザイン イタリアンフルーツ
ジノリといえば今も多くの方がイメージするイタリアンフルーツは、二代当主ロレンツォ・ジノリの時代1770年までに始まるデザインです。当時の記録には「花とフルーツの散りばめられたモチーフ」と記されています。さくらんぼ、洋梨、りんご、プラムなどのみずみずしい果物と小花、小枝が小気味よく散りばめられたデザインは、時代を超えて世界中で愛されてきました。
第2章 出品作品より
総督のプレート
3 エジプト総督のためのプレート
<ケディヴェ>
リチャード ジノリ/1907年頃制作
個人蔵
ドッチア窯の国際的一大事業
1869年にスエズ運河が開通し、エジプトは政治・経済の重要地となりました。エジプトでは古代エジプトの歴史、文化芸術への関心の喚起の目的のために様々な文化事業に取り組まれるようになります。1872年にはエジプトの君主権を持つイスマイル・パシャ・ケディベ総督のためのセットがドッチア窯に依頼され、古代エジプトの伝統文様と洋食器の折衷様式による優雅なディナーウエアが生み出されました。高い評価を受けたことから、本品は1907年に復刻された際に制作されたものです。
第2章 出品作品より
キャビアカップ
4 カポディモンテ キャビアカップ
<イストリアート>
ドッチア窯またはリチャード ジノリ
1880-1900年制作
当館蔵(盛田昌夫コレクション)
色鮮やかな歴史画 ジノリ磁器の最高峰
良質の白い磁器の器に歴史画のレリーフを施したカポディモンテ・シリーズ。イストリアートとは歴史や伝説の光景を描く歴史画のことを言います。1851年のロンドン万国博覧会をはじめとして19世紀の数々の博覧会で高い評価を受け、ジノリ磁器の最高峰のシリーズとして知られるようになりました。
第2章 出品作品より
酔っぱらいの人形
5 カラモージョ<酔っ払い>
リチャード ジノリ
1750年頃作品の復刻(1985年頃制作)
当館蔵(盛田昌夫コレクション)
グロテスクだけど ちょっとかわいい小像
ドッチア窯では開窯初期から磁器彫刻の制作に取り組み、多くの名品を遺しています。
カラモージョとは、グロテスクで戯画的な小彫刻作品のこと。ほぼ2頭身でユニークな顔立ちのフィギュアたちは、バロック期に活躍したジャック・カロ(1592-1635)の版画や、16世紀イタリア発祥の即興仮面劇コメディア・デッラルテの仮面にアイデアを得てつくられました。本作は20世紀末に復刻されたもので、本展には歌手、マダム、骨董屋、医者などのカラモージョが出品されます。
第2章 出品作品より
孔雀
6 リバティ・ベース<孔雀(くじゃく)>
デザイン:ジョヴァンニ・ブッファ/
リチャード ジノリ制作
1905年の復刻(1995年制作)
当館蔵(盛田昌夫コレクション)
ジノリのリバティ・スタイル花器の名品
1900年のパリ万国博覧会を機に開花したアール・ヌーヴォー様式は、イタリアではリバティと呼ばれました。近代的な製陶会社となったリチャード ジノリは、装飾美術品の制作に注力しリバティ様式を積極的に取り入れました。本作はジノリのリバティ花器の傑作「孔雀の壺」が1995年に限定復刻されたものです。流れるような曲線が特徴であるリバティのデザインにおいて、優美な姿の孔雀は象徴的なモティーフのひとつでした。
第2章 出品作品より
薬草用のポット
7 薬局のためのハーブ用ジャー
ドッチア窯
1850-1896年
当館蔵(盛田昌夫コレクション)
様々な場面で愛されたジノリの実用器
日本ではディナーウエアなどの高級磁器のイメージが強いジノリの磁器ですが、町のカフェ用の丈夫なコーヒーカップや、本作のように薬局で使われる薬草用のポットなど実用的な器も制作されていました。イタリア人の生活の様々なシーンで愛されていたのです。
第3章 出品作品より
天使像
 「天使像」
デザイン:ジオ・ポンティ
制作:リチャード ジノリ
1927年頃
当館蔵(盛田昌夫コレクション)
イタリアデザインの父による傑作
1896年以降のリチャード ジノリは、アートディレクターの指導のもとに制作する組織体制へと移行しました。1923年から1930年にアートディレクターを務めたジオ・ポンティ(1891-1979)は、建築家でありながら陶磁器、家具、ステンドグラス、金工などあらゆる領域で才能を発揮しました。「イタリアデザインの父」として知られています。
古代ローマやルネサンス美術などの古典にテーマを見出しながらも、当時流行していたアール・デコ様式をたくみに取り入れた彼のモダンデザインはリチャード ジノリの磁器デザインに新風を吹き込みました。

​​※広報用の高精細画像につきましては、愛知県陶磁美術館担当までお問い合わせください。

このページに関する問合せ先

愛知県陶磁美術館学芸課
担当:大槻、鮫島、植田
電話:0561-84-7474
愛知県県民文化局文化部文化芸術課
振興グループ
担当:藤井、中村
内線:2459、2460
ダイヤルイン:052-954-6183