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道路建設課の業務内容
道路建設課は、国土軸である高速自動車国道から県民の日常生活や経済活動に資する県管理の国道及び県道に至るまでの道路網の整備を推進しています。
また、有料道路室は、名古屋高速道路公社・愛知県道路公社の運営に関する指導監督、有料道路コンセッションに関する事務を行っています。
(1)道路整備計画について
社会資本整備の取り組み方針を示す「愛知県建設部方針2020」に基づき、「防御力・成長力・魅力」を高めるため、以下の政策に沿った道路整備を計画的に実施しています。
- 地震・津波対策の強化
- 国際競争力を強化する基盤整備
- 人の交流を支え地域を活性化する基盤整備
- 山間や離島などの暮らしを支える基盤整備
(2)交付金・国庫補助事業について
事業名 | 事業内容 |
令和元年度当初予算額 |
施工箇所 |
---|---|---|---|
道路改良事業 |
現道の拡幅や線形改良またはバイパス整備等の建設を行う事業 | 19,548,000 |
一般国道301号 始め62路線 |
踏切除却事業 |
道路と鉄道との平面交差を除却し、立体交差とするほか、ルートを付け替えることにより原則として当該踏切を除却する事業 | 1,740,000 |
一般国道155号(石仏13号踏切) 主要地方道岐阜稲沢線(苅安賀1号踏切) 主要地方道名古屋祖父江線(新清洲9号踏切) |
橋りょう整備事業 |
現道の拡幅やバイパス等の整備にあわせ橋りょうを新たに建設したり、架け替える事業 | 4,669,000 |
一般県道羽島稲沢線(新濃尾大橋) 始め11路線 |
計 |
25,957,000 |
(3)県単独事業について
事業名 | 事業内容 | 令和元年度当初予算 | 施工箇所 |
---|---|---|---|
道路改築事業 |
地方生活道路の改良(現道拡幅・線形改良など)や幹線道路の調査・設計等を実施するもの | 10,139,000 |
主要地方道名古屋岡崎線 始め47路線 |
橋りょう改築事業 |
比較的小規模な橋りょうの新設又は架替を実施したり、国庫補助事業の採択に向けた事前調査、委託を実施する事業 | 120,000 |
一般県道小坂井御津線(新白川橋) |
名古屋高速道路公社出資金 |
地方道路公社法の規定に基づき、名古屋高速道路公社に対して設立団体として基本財産のうち愛知県分の出資を行う事業 | 37,500 | |
名古屋高速道路公社貸付金 |
設立団体である愛知県及び名古屋市が国の財政投融資計画の一環として財務省資金運用部資金の融通を受け、特別転貸債として愛知県分を公社へ貸付ける事業 | 87,000 | |
計 |
10,383,500 |
(4)高速自動車国道及び直轄国道事業等の推進について
県内では、県が行う道路事業のほか、高速自動車国道、直轄国道等の幹線道路整備が行われており、当課では、これらの道路計画やその事業実施にあたり、県の事業計画との整合、地元や県の意向の反映、また、円滑な事業推進を図るよう調整を行っています。
ア 高速自動車国道事業
(ア) 名古屋環状2号線
名古屋都市圏の骨格となる環状道路であり、国際物流・交流拠点である名古屋港へのアクセス道路としても大きな役割を果たす道路です。
平成23年3月に東部・東南部区間の高針JCT~名古屋南JCT間が完成し、専用部約66kmのうち、約54kmが開通しています。
唯一残された未開通区間である西南部・南部区間の専用部(名古屋西JCT~飛島JCT(仮称)間)約12kmについては、平成24年度の国土交通省予算において工事着手が示され、その後中日本高速道路(株)が国土交通大臣から事業許可を受け、国土交通省(直轄事業)と中日本高速道路(株)(有料道路事業)の共同で事業が実施されています(完成予定:令和2年度)。引き続き、整備促進を関係機関に働きかけていきます。
一般部については、平成23年3月にJR中央線勝川駅付近交差部が完成し、全線約59kmが4車線もしくは暫定2車線で開通しています。
イ 直轄国道事業
(ア) 三遠南信自動車道(一般国道474号)
東三河、遠州、南信州地域を有機的に連絡する幹線道路であり、中央自動車道と新東名高速道路、さらには東名高速道路とネットワーク化が図られ、当該地域の交流、活性化の促進に大きな役割を果たす道路です。
東栄町~静岡県浜松市北区引佐町間約21km(県内約13.2km)の三遠道路については、平成24年3月に鳳来峡IC~浜松いなさ北IC間約13.4km(県内約6.1km)が開通し、浜松いなさ北IC~浜松いなさJCT間約0.5kmについては、同年4月に開通しました。
残る東栄IC~鳳来峡IC間約7.1kmについては、現在、本体工事が行われており、早期開通を国に働きかけていきます。
また、三遠道路の北側、佐久間川合IC~東栄IC間約6.9km(県内約1.3km)の佐久間道路については、平成31年3月に開通しました。
(イ) 名豊道路(一般国道23号)
名古屋市と豊橋市を結び、東名・新東名高速道路、一般国道1号などとともに、名古屋港、三河港及び生産拠点を結ぶ東西軸であり、本県の物流を担う重要な幹線道路です。これまでに、全体約73kmのうち約64kmが開通(うち約31kmは完成4車線供用)しています。
残る未開通区間は、蒲郡バイパスの蒲郡IC~豊川為当IC間約9.1kmのみであり、鋭意事業の進捗が図られています。引き続き、整備促進を関係機関に働きかけていきます。
なお、県では、本道路のネットワーク強化を図るため、東三河環状線、豊川蒲郡線等の整備に取り組んでいます。
(ウ) 西知多道路
西知多道路は、伊勢湾岸自動車道(東海市)と知多横断道路(常滑市)を結ぶ全長約18.5kmの自動車専用道路です。
平成28年度に、北部の一部区間(東海JCT 約2km)が国による直轄事業(権限代行)として、南部の一部区間(青海IC(仮称)~常滑JCT(仮称)間約4km)については、県による国庫補助事業としてそれぞれ事業化されています。さらに、南部区間においては、令和元年度、日長IC(仮称)~青海IC(仮称)間約4kmについても、県による国庫補助事業として新規事業化されました。
引き続き、事業中区間の進捗を図るとともに、残る未事業化区間の早期事業化を、国に強く働きかけていきます。
また、本道路は、国際拠点空港の中部国際空港と高速自動車国道の新東名高速道路(伊勢湾岸自動車道)を直結するとともに、リニア中央新幹線の名古屋駅とも名古屋高速道路を経由してつながる重要な路線です。
県としては、重要な空港・港湾と高速自動車国道のネットワークを形成する路線については、国により整備・管理すべきと考えており、引き続き、西知多道路の国による整備・管理を要望していきます。
(5)地域高規格道路について
地域高規格道路は、高規格幹線道路と一体となって幹線道路ネットワークの形成を図り、地域相互の交流促進や空港・港湾などの広域交通拠点等と連結して社会交流を支える幹線道路として、自動車専用道路もしくはこれと同等の規格を有し、概ね時速60km以上の走行サービスを提供する道路です。
現在のところ、次の計画路線の整備に取り組んでいます。
路線名 | 起点 | 終点 | 概略延長(km) | 開通延長(km) |
---|---|---|---|---|
名古屋高速道路 | 名古屋圏 | 名古屋圏 | 81 | 81.2 |
名古屋瀬戸道路 | 名古屋市 | 瀬戸市 | 20 | 2.3 |
名岐道路 | 一宮市 | 岐阜市 | 10(県内8) | - |
知多横断道路 | 半田市 | 常滑市 | 8 | 8.5 |
西知多道路 | 東海市 | 常滑市 | 20 | - |
一宮西港道路 | 一宮市 | 弥富市 | 30 | - |
名浜道路 | 常滑市 | 蒲郡市 | 40 | - |
豊橋浜松道路 | 浜松市 | 豊橋市 | 40(県内22) | 40.5(県内22.6) |
衣浦豊田道路 | 豊田市 | 碧南市 | 40 | 4.9 |
知多中央道路 | 名古屋市 | 南知多町 | 40 | 40.5 |
名豊道路 | 豊橋市 | 名古屋市 | 50 | 41.1 |
11路線 | 379(県内359) | 219(県内201.1) |
(注) 開通延長は、平成31年3月31日現在である。
(6)道路環境対策について
自動車交通に伴う騒音、振動、排気ガス等に関する事項について、関係機関との連絡調整などを行います。
国道23号名古屋南部地域では、大型車は中央寄り走行をお願いします。(国道23号通行ルール)
(7)名古屋高速道路公社について
法人名 | 設立年月日 | 目的 | 所在地 | 代表者 |
---|---|---|---|---|
名古屋高速道路公社 | 昭和45年9月24日 | 名古屋市の区域及びその周辺の地域において、その通行又は利用について料金を徴収することができる指定都市高速道路の新設、改築、維持、修繕その他の管理を総合的かつ効率的に行うこと等により、この地域の地方的な幹線道路の整備を促進して交通の円滑化を図り、もって住民の福祉の増進と産業経済の発展に寄与することを目的とする。 | 名古屋市北区清水四丁目17番30号 |
理事長 新開 輝夫
|
ア 基本財産 317,963,000 千円(平成31年4月1日現在)
出 資 者 愛知県 158,981,500 千円 名古屋市 158,981,500 千円
イ 職 員 数
区分 | 県派遣職員 | 名古屋市派遣職員 | 公社固有職員 | 合計 |
---|---|---|---|---|
現員 |
事務:2人 技術:10人 |
事務:2人 技術:8人 |
事務:61人 技術:87人 |
事務:65人 技術:105人 計:170人 |
(注)県派遣職員には、国派遣職員1人(技術1人)を含む。
ウ 事業概要
名古屋高速道路公社は、道路整備特別措置法(昭和31年法律第7号)に基づき、名古屋市及びその周辺地域において、指定都市高速道路を建設してきましたが、平成25年11月に整備計画に定められた全線81.2kmを供用し、現在、その経営を行っています。
今年度の建設事業としては、名二環西南部連絡路工事を実施しています。
令和元年度収入支出予算
区分 | 収入 | 支出 |
---|---|---|
助成対象 |
出資金:75,000 (37,500) 無利子貸付金:125,000 (0) 特別転貸債:175,000 (87,000) 借入金:125,000 (0) 計:500,000 (124,500) |
高速道路建設費:407,000 調査費:0 一般管理費:83,000 業務外支出:10,000 計:500,000 |
助成対象外 |
料金収入:62,993,000 (0) 業務雑収入:90,000 (0) 受託業務収入:3,000 (0) 借入金:72,301,000 (0) 業務外収入:84,000 (23,340) 計:135,471,000 (23,340) |
受託業務費:3,000 維持改良費:36,100,000 業務管理費:11,238,000 一般管理費:1,964,000 業務外支出等:86,166,000 計:135,471,000 |
合計 | 135,971,000 (147,840) | 135,971,000 |
(注)()内は県支出金
(8)愛知県道路公社について
法人名 | 設立年月日 | 目的 | 所在地 | 代表者 |
---|---|---|---|---|
愛知県道路公社 |
昭和47年5月16日 | 愛知県の区域及びその周辺の地域において、その通行又は利用について料金を徴収することができる道路の新設、改築、維持、修繕その他の管理を総合的かつ効率的に行うこと等により、この地域の地方的な幹線道路の整備を促進して交通の円滑化を図り、もって住民の福祉の増進と産業経済の発展に寄与することを目的とする。 | 名古屋市中区丸の内三丁目19番30号 |
理事長 市川 和邦
|
ア 基本財産 73,579,525 千円(平成31年4月1日現在)
出 資 者 愛知県 73,530,525 千円 豊田市 49,000 千円
イ 職 員 数
区分 | 県派遣職員 | 公社固有職員 | 再任用等 | 合計 |
---|---|---|---|---|
現員 |
事務:3人 技術:3人 |
事務:9人 技術:16人 |
事務:2人 技術:0人 |
事務:14人 技術:19人 計:33人 |
ウ 事業概要
愛知県道路公社は、現在、道路整備特別措置法に基づく有料道路8路線及び道路運送法(昭和26年法律第183号)に基づく一般自動車道1路線の計9路線の資産管理等を行っています。
令和元年度収入支出予算
収入 | 支出 |
---|---|
業務収入:265,500 負担金収入:9,771 業務外収入:3,270,708 借入金:6,886,844 運営権対価等収入:6,099,312 |
業務費:6,998,233 維持改良費:1,285,372 業務管理費:230,068 運営権関連支出:477,897 一般管理費:501,172 業務外支出等:7,039,393 |
合計:16,532,135 |
合計:16,532,135 |
供用中路線
根拠法令 | 道路名 | 道路の区間 | 供用延長 |
---|---|---|---|
道路整備特別措置法 |
南知多道路 知多横断道路 知多半島道路 中部国際空港連絡道路 |
半田市~知多郡南知多町 半田市~常滑市 名古屋市緑区~半田市 常滑市 |
19.6km 8.5km 20.9km 2.1km |
〃 |
猿投グリーンロード |
豊田市内 |
13.1km |
〃 |
衣浦トンネル |
碧南市~半田市 |
1.7km |
〃 |
衣浦豊田道路 |
豊田市~知立市 |
4.3km |
〃 |
名古屋瀬戸道路 |
日進市~長久手市 |
2.3km |
- |
計(8路線) |
- |
72.5km |
道路運送法 |
三ヶ根山スカイライン |
西尾市~蒲郡市 |
5.1km |
- |
計(1路線) |
- |
5.1km |
- |
計(9路線) |
- |
77.6km |
(9)有料道路コンセッションについて
道路整備特別措置法は、民間事業者による有料道路の運営を認めていなかったことから、民間事業者のノウハウを活用し、低廉で良質な利用者サービスの提供や地域活性化等を図るため、平成24年2月に「民間事業者による有料道路の運営の実現」を目指し、構造改革特区を提案しました。
平成26年5月に、政府の構造改革特別区域推進本部において、道路整備特別措置法の特例を設けることとする方針が決定されました。
平成27年7月には、有料道路コンセッションを可能とする構造改革特別区域法の一部を改正する法律が国会で成立しました。また、9月には、本事業を含む国家戦略特別区域の愛知県の区域計画が、内閣総理大臣により認定されました。
これらを受け、愛知県道路公社が事業主体となり、平成27年10月にPFI法に基づく実施方針を公表し、11月から民間事業者の募集選定を開始しました。
平成28年6月に優先交渉権者を決定、8月に愛知道路コンセッション株式会社と実施契約を締結し、10月から民間事業者による有料道路事業の運営を開始しました。
現在、愛知県道路公社は、民間事業者に対する監督や道路管理者権限に関する業務等を行っています。