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職員インタビュー
第1回職員採用試験採用者
化学 あいち産業科学技術総合センター 産業技術センター

村松 圭介(2012年度採用)
- 〔経歴〕
- 2012~2014 あいち産業科学技術総合センター 三河繊維技術センター
- 2015~2016 あいち産業科学技術総合センター 共同研究支援部
2017~ あいち産業科学技術総合センター 産業技術センター
愛知県職員を志望した理由は?
大学では化学の基礎研究を行っていましたが、より実生活に近い所で化学の知識や経験を活かしたいという気持ちがありました。そんな中、県の仕事は多くの人や企業に直接関わり影響し合える魅力があり、そのような場で自分の力を発揮したいと考え、地元である愛知県の化学職に応募することを決めました。
特に入りたい部局にこだわりは無く、産業関係でも環境関係でも化学の知見を人の為に役立てられそうだから良いだろうと漠然と考えていました。
現在どんな仕事を担当していますか?
技術相談、依頼試験、研究活動が主な仕事です。
技術相談は企業の方から寄せられる技術的な疑問に答える業務で、電話での簡単な相談から対面で製品を見ながらの相談まであります。依頼試験は、企業の方の必要に応じてセンターの装置を使った有償の試験を行う業務です。私の場合、包装・物流に関する部署で、主に包装技術に関する相談や、振動試験、圧縮試験などを担当しています。
研究活動では、自分の興味と地域企業のニーズからテーマを設定して取り組み、成果を学会などで発表しています。私は今、パルプモールド(紙の成形品)の化学処理に関する研究を行っています。
他にも、包装初心者向けの講習会の講師など、多岐に亘る業務を行っています。
県職員になって「やりがい」を感じた時は?
年々、地域企業の方々から頼りにされる機会が増え、それをやりがいに感じています。
特に、どうしたら良いか分からないからとりあえず村松さんに電話してみた、と指名で技術相談の電話を頂くと、頼られていることを実感して嬉しく感じます。
パッケージや紙製品の製品開発について企業の方からアドバイスを求められることもあり、その結果開発が進んだり製品化されたりすると誇らしくなります。
研究でも、2022年度に行ったパルプモールドの防炎処理に関する研究では、企業のニーズを製品に結び付ける研究開発ができ、記者発表も行って大きな達成感を得られました。
仕事で苦労したことは?
必要に応じて、元々は専門外だった知識もプロとして身に着ける必要がある点は当初苦労しました。
私の部署では包装の素材を扱う面で化学の知見も必要ですが、多くの技術相談・依頼試験業務で問われるのは輸送中の振動、衝撃などの物理的現象に関することです。
利用される企業の方々は、それら全てに専門家の知識を求めて来られます。分からない部分は同僚とカバーし合うこともできますが、基本的には各職員が十分に理解して説明する必要があります。
私の場合、規格書や解説書などを読みつつ、同僚のサポートもあり仕事の中で身に着けることができたと感じます。
My Best Work(今までで一番心に残っている仕事)について教えてください。
『民間企業と協力して新しい防災パルプモールドを開発』
現所属で、パルプモールドの新しい防炎処理技術の開発を、県内企業の協力を得て成し遂げ、記者発表できたことです。
研究に際して外部資金を獲得して試作設備を整え、最適な製造方法を検討し、得られたデータを基に企業での大規模な試作を実施し、防炎パルプモールドの成果品を作製しました。そして、この成果を広めるため、記者発表と展示会への出品を行いました。
これらの過程では企業、センター、本庁の様々な人の協力が必要不可欠でした。多くの力を借りつつ1つの形として研究成果を世に出すことができ、大変良い経験になりました。
1日のスケジュール概要を教えてください。
8時30分 出勤、本日の予定確認
9時 振動試験の来客対応
10時 研究サンプルの試作
12時 同僚と昼食
13時 振動試験の来客対応
14時 圧縮試験の来客対応
17時 試験機、試作機の片付け
17時30分 退勤
受験を考えている方へのメッセージ
異動が多いとされる公務員ですが、専門職、特に試験研究機関では高い専門性が求められるため比較的異動が少なく、10年以上同じ部署で活躍している職員も多数います。
あいち産業科学技術総合センターには機器分析、高分子、無機材料、燃料電池、金属、木材、食品、繊維、窯業など様々な専門を持った部署がありますので、最初は色々な経験をしつつも、どこかで長年のライフワークを見つけられると良いですね。
愛知県はここ40年以上製造品出荷額等で全国1位の産業立県です。そんな愛知県を化学の力で支えようという方、ぜひ一緒に働きましょう!
掲載内容は、取材当時のものです。所属についても当時のものとなっています。