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平成25年度内分泌かく乱化学物質等環境調査結果について

平成26年7月31日(木)発表

 国は、「動物の生体内に取り込まれた場合に、本来、その生体内で営まれている正常なホルモン作用に影響を与える外因性の化学物質」を「内分泌かく乱化学物質」としています。

 愛知県は、国の取組において生態系への内分泌かく乱作用を有することが推察された、あるいはその可能性がある化学物質について、環境中の状況を把握するため、平成10年度から水質、底質等の環境調査を行っています。

 平成25年度は、県内河川7地点、海域3地点において、水質10物質、底質1物質、水生生物(魚類)1物質を対象として調査を実施しました。

 その結果は、次のとおりです。

1 調査の概要

(1)調査対象物質

調査対象物質
調査対象物質用途調査地点数調査方法
 4-t-オクチルフェノール 界面活性剤の原料河川 1地点 要調査項目等調査マニュアル(平成22年10月) 準拠
 ノニルフェノール 界面活性剤の原料 水質汚濁に係る環境基準について付表11(平成24年8月改正)
 ビスフェノールA 樹脂の原料 外因性内分泌攪乱化学物質調査暫定マニュアル(平成10年10月 環境庁)
 フェニトロチオン 農薬(殺虫剤)河川 7地点
海域 1地点
 平成17年度化学物質分析法開発調査報告書
 ダイアジノン 農薬(殺虫剤)河川 5地点
 ジクロルボス 農薬(殺虫剤)河川 3地点
 シアナジン 農薬(除草剤)
 1-ナフトール 染料の原料河川 7地点
海域 3地点
 平成10年度化学物質分析法開発調査報告書
 フェノバルビタール 医薬品 平成17年度化学物質分析法開発調査報告書
 ジクロロブロモメタン 浄水場で使用される消毒剤(塩素剤)と有機物の反応による非意図的生成物

(2)調査地点

図 調査地点


※ 調査地点は、調査対象物質ごとに異なります。

2 調査結果の概要

(1)水質

・ 4-t-オクチルフェノール及びビスフェノールA

 調査を実施した1地点において、国が示した「内分泌かく乱作用試験における予測無影響濃度*1」(以下「内分泌かく乱予測無影響濃度」という。)及び「生態リスク初期評価における予測無影響濃度*2」(以下「生態リスク予測無影響濃度」という。)を下回りました。

・ ノニルフェノール

 調査を実施した1地点において、内分泌かく乱予測無影響濃度及び生態リスク予測無影響濃度を上回りましたが、「水生生物の保全に係る水質環境基準*3」を下回りました。また、過去の本県における検出値(ND~1.9 µg/L)の範囲内でした。

・ フェニトロチオン、ダイアジノン及びジクロルボス

 フェニトロチオンは調査を実施した8地点すべてにおいて、ダイアジノンは5地点中4地点において、ジクロルボスは3地点中2地点において、生態リスク予測無影響濃度を上回りましたが、いずれの物質についても「水質汚濁に係る要監視項目の指針値*4」(以下「指針値」という。)を下回りました。

 なお、この3物質については、内分泌かく乱予測無影響濃度は設定されていません。

・ シアナジン

 調査を実施した3地点すべてにおいて検出されました。なお、この物質については、内分泌かく乱予測無影響濃度、生態リスク予測無影響濃度及び指針値は、いずれも設定されていません。

・ 1-ナフトール、フェノバルビタール及びジクロロブロモメタン

 調査を実施した10地点すべてにおいて、生態リスク予測無影響濃度を下回りました。

*1 内分泌かく乱作用試験における予測無影響濃度:

 生態系影響評価のための試験により、メダカの性分化に影響を与えなかった最大濃度に安全係数(1/10)を乗じることにより求めた魚類を中心とする生態系に影響を及ぼす可能性はないと予測される濃度

*2 生態リスク初期評価における予測無影響濃度:

 水生生物の急性毒性値及び慢性毒性値のそれぞれについて、信頼できる知見のうち生物群ごとに値の最も低いものを整理し、そのうち最も低い値に対して情報量に応じたアセスメント係数を適用することにより求めた濃度

*3 水生生物の保全に係る水質環境基準:

 環境基本法に基づく水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準のうち、水生生物の保全に係る水質環境基準

*4 水質汚濁に係る要監視項目の指針値:

 長期間摂取に伴う健康影響を考慮して算出された値

 

(2)底質

・ ノニルフェノールについて、調査を実施した1地点において検出されました。

(3)水生生物(魚類)

・ ノニルフェノールについて、調査を実施した1地点において検出されました。

平成25年度内分泌かく乱化学物質等環境調査結果のまとめ
水 質
調査対象物質調査結果
(μg/ℓ)
調査
地点数
内分泌かく乱作用試験における予測無影響濃度 *1
(μg/ℓ)
生態リスク初期評価における予測無影響濃度 *2
(μg/ℓ)
水生生物保全環境基準 *3
(μg/ℓ)
指針値 *4
(μg/ℓ)
全国調査結果
(μg/ℓ)
 4-t-オクチルフェノール0.03河川 1地点0.9920.484以下<0.01~0.15 *5
 ノニルフェノール0.700.6080.212以下<0.1~6.4 *5
 ビスフェノールA0.0224.7または4711<0.01~0.92 *5
 フェニトロチオン0.00025~0.0066河川 7地点
海域 1地点
0.000213以下<0.000011~0.0048 *6
 ダイアジノン<0.001~0.007河川 5地点0.000265以下<0.0010~0.019 *6
 ジクロルボス0.0013~0.0021河川 3地点0.00138以下<0.0003~0.020 *6
 シアナジン0.020~0.054<0.0004~0.0025 *6
 1-ナフトール0.013~0.051河川 7地点
海域 3地点
2<0.00035~0.0093 *6
 フェノバルビタール<0.004~0.033310<0.004~0.17 *6
 ジクロロブロモメタン<0.004~0.0518<0.004~0.012 *6
底 質
調査対象物質調査結果
(μg/kg-dry)
調査
地点数
内分泌かく乱作用試験における予測無影響濃度 *1
(μg/ℓ)
生態リスク初期評価における予測無影響濃度 *2
(μg/ℓ)
水生生物保全環境基準 *3
(μg/ℓ)
指針値 *4
(μg/ℓ)
全国調査結果
(μg/kg-dry)
 ノニルフェノール200河川 1地点<10~5,000 *5
水生生物(魚類)
調査対象物質調査結果
(μg/kg-wet)
調査
地点数
内分泌かく乱作用試験における予測無影響濃度 *1
(μg/ℓ)
生態リスク初期評価における予測無影響濃度 *2
(μg/ℓ)
水生生物保全環境基準 *3
(μg/ℓ)
指針値 *4
(μg/ℓ)
全国調査結果
(μg/kg-wet)
 ノニルフェノール<10~90河川 1地点<15~780 *7

*1 内分泌かく乱作用試験における予測無影響濃度:

 生態系影響評価のための試験により、メダカの性分化に影響を与えなかった最大濃度に安全係数(1/10)を乗じることにより求めた魚類を中心とする生態系に影響を及ぼす可能性はないと予測される濃度

*2 生態リスク初期評価における予測無影響濃度:

 水生生物の急性毒性値及び慢性毒性値のそれぞれについて、信頼できる知見のうち生物群ごとに値の最も低いものを整理し、そのうち最も低い値に対して情報量に応じたアセスメント係数を適用することにより求めた濃度

*3 水生生物の保全に係る水質環境基準:

 環境基本法に基づく水質汚濁に係る生活環境の保全に関する環境基準のうち、水生生物の保全に係る水質環境基準(日光川:2 μg/ℓ)

*4 水質汚濁に係る要監視項目の指針値:

 長期間摂取に伴う健康影響を考慮して算出された値

*5 「平成16 年度内分泌攪乱化学物質における環境実態調査結果(水環境)(環境省水・大気環境局水環境課)」における検出濃度範囲

*6 平成17 年度から平成24 年度の「化学物質環境実態調査結果(環境省環境保健部環境安全課)」のうち、直近のデータにおける検出濃度範囲

*7 「平成10 年度環境ホルモン緊急全国一斉調査(環境庁水質保全局水質管理課)」における検出濃度範囲

 

3 今後の対応

 国は、平成22年7月に策定された「化学物質の内分泌かく乱作用に関する環境省の今後の対応方針について-EXTEND2010-」の中で、化学物質の内分泌かく乱作用に伴う環境リスクを適切に評価し、必要に応じ管理していくことを目標として、評価手法の確立と評価の実施を加速化することをねらいとしています。

 本県においても、国による評価の結果に迅速に対応するために、引き続き適切な環境調査を実施していくとともに、国等からの情報収集、科学的知見の集積に努めます。

※ 調査結果の詳細は別添のとおり。

問合せ

愛知県環境部環境活動推進課
環境リスク対策グループ
担当:大谷、保居
内線:3025、3026
電話:052-954-6212(ダイヤルイン)
E-mail: kankyokatsudo@pref.aichi.lg.jp

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