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平成29年度内分泌かく乱化学物質等環境調査結果について

ページID:0191402 掲載日:2017年12月20日更新 印刷ページ表示

 「内分泌かく乱化学物質」は、動物の生体内に取り込まれた場合に、本来、その生体内で営まれている正常なホルモン作用に影響を与える外因性の化学物質であり、国において生態系影響等に関する科学的知見の集積や環境リスク評価等の取組が進められています。

 愛知県では、国の取組において生態系への内分泌かく乱作用を有することが推察された、あるいはその可能性がある化学物質について、環境中の状況を把握するため、平成10年度から環境調査を行っています。

 平成29年度は、県内河川7地点及び海域3地点において9物質を対象として水質調査を実施しました。

 その結果は、次のとおりです。

1 調査の概要

(1)調査対象物質

調査対象物質
調査対象物質 用 途 等 調査地点数 調査方法
ビスフェノールA 樹脂の原料 河川1地点 外因性内分泌攪乱化学物質調査暫定マニュアル(平成10年10月 環境庁)
フェニトロチオン 殺虫剤 河川6地点
海域1地点
平成17年度化学物質分析法開発調査報告書(平成18年7月 環境省)
ダイアジノン 殺虫剤 河川4地点
ジクロルボス 殺虫剤 河川2地点
シアナジン 除草剤 河川2地点
2,4-ジニトロフェノール 染料中間体 河川2地点 平成19年度化学物質分析法開発調査報告書(平成20年12月 環境省)
ヒドロキノン 写真現像薬
染料中間体
ゴム酸化防止剤
河川3地点 平成20年度化学物質分析法開発調査報告書(平成21年12月 環境省)
4-ヒドロキシ安息香酸メチル 防腐剤 河川7地点
海域3地点
平成19年度化学物質分析法開発調査報告書(平成20年12月 環境省)
りん酸トリフェニル 可塑剤
難燃剤
河川7地点
海域3地点
要調査項目等調査マニュアル(平成12年12月 環境庁)

(2)調査地点

図 調査地点
※ 調査地点は、調査対象物質ごとに異なります。

2 調査結果の概要

・ ビスフェノールA

 調査を実施した1地点で検出されましたが、国が示した「内分泌かく乱作用試験における予測無影響濃度*1」(以下「内分泌かく乱予測無影響濃度」という。)及び「生態リスク初期評価における予測無影響濃度*2」(以下「生態リスク予測無影響濃度」という。)を下回りました。

・ フェニトロチオン

 フェニトロチオンは調査を実施した7地点全てにおいて検出され、このうち5地点で生態リスク予測無影響濃度を上回りましたが、「水質汚濁に係る要監視項目の指針値*3」(以下「指針値」という。)を下回りました。

・ ダイアジノン及びジクロルボス

 ダイアジノンは調査を実施した4地点全てにおいて、ジクロルボスは2地点全てにおいて、生態リスク予測無影響濃度を上回る濃度が検出されましたが、いずれの物質についても指針値を下回りました。

・ シアナジン

 調査を実施した2地点全てにおいて検出されました。(シアナジンは各予測無影響濃度及び指針値が設定されていません。)

・ 2,4-ジニトロフェノール

 2,4-ジニトロフェノールは調査を実施した2地点全てにおいて検出されましたが、生態リスク予測無影響濃度を下回りました。

・ ヒドロキノン

 ヒドロキノンは調査を実施した3地点中2地点で検出されましたが、生態リスク予測無影響濃度を下回りました。

・ 4-ヒドロキシ安息香酸メチル

 4-ヒドロキシ安息香酸メチルは調査を実施した10地点全てにおいて検出されました。(4-ヒドロキシ安息香酸メチルは各予測無影響濃度及び指針値が設定されていません。)

・ りん酸トリフェニル

 りん酸トリフェニルは調査を実施した10地点のいずれからも検出されませんでした。

平成29年度内分泌かく乱化学物質等環境調査結果のまとめ
調査対象物質   水  質

調査結果

(µg/L)

調査地点数 内分泌かく乱作用試験
における
予測無影響濃度 *1
(µg/L)
生態リスク
初期評価における
予測無影響濃度 *2 
(µg/L)
水質汚濁に係る
要監視項目
の指針値 *3
(µg/L)

全国調査結果 *4

(µg/L)

ビスフェノールA 0.030 河川1地点 24.7又は47 11 <0.0017~0.28
フェニトロチオン 0.00013~0.0027 河川6地点
海域1地点
0.00021 3以下 <0.000011~0.0048
ダイアジノン 0.001~0.025 河川4地点 0.00026 5以下 <0.001~0.019
ジクロルボス 0.022~0.023 河川2地点 0.0013 8以下 <0.0003~0.020
シアナジン 0.0073~0.0078 河川2地点 <0.0004~0.0025
2,4-ジニトロフェノール 0.022~0.024 河川2地点 0.3 0.0010~0.23
ヒドロキノン <0.0015~0.0022 河川3地点 0.015 0.0035~0.075
4-ヒドロキシ安息香酸メチル 0.0012~0.0072 河川7地点
海域3地点
<0.002~0.003
りん酸トリフェニル <0.01 河川7地点
海域3地点
3 <0.01

*1 内分泌かく乱作用試験における予測無影響濃度:

 生態系影響評価のための試験により、メダカの性分化に影響を与えなかった最大濃度に安全係数(1/10)を乗じることにより求めた魚類を中心とする生態系に影響を及ぼす可能性はないと予測される濃度

*2 生態リスク初期評価における予測無影響濃度:

 水生生物の急性毒性値及び慢性毒性値のそれぞれについて、信頼できる知見のうち生物群ごとに値の最も低いものを整理し、そのうち最も低い値に対して情報量に応じたアセスメント係数を適用することにより求めた濃度

*3 水質汚濁に係る要監視項目の指針値:

 長期間摂取に伴う健康影響を考慮して算出された値

*4 全国調査結果:

 平成17年度から27年度の「化学物質環境実態調査結果(環境省環境保健部環境安全課)」のうち、直近のデータにおける検出濃度範囲(りん酸トリフェニルは「平成14年度要調査項目調査結果(環境省環境部企画課)」)

3 今後の対応

 化学物質の内分泌かく乱作用問題について、国は、平成28年6月に策定された「化学物質の内分泌かく乱作用に関する今後の対応-EXTEND2016-」の中で、化学物質の内分泌かく乱作用については、EXTEND2010によるこれまでの成果や国際的な動向を踏まえると、必要なリスク管理を行うことを目指して引き続き対応を進めていくことが必要としており、EXTEND2016により、1:作用・影響評価及び試験法の開発、2:環境中濃度の実態把握及びばく露量の評価、3:リスク評価及びリスク管理、4:化学物質の内分泌かく乱作用に関する知見収集及び5:国際協力及び情報発信の推進を行うこととしています。

 本県においても、国によるリスク評価及びリスク管理に迅速に対応するために、引き続き適切な環境調査を実施していくとともに、国等からの情報収集、科学的知見の集積に努めます。

※ 調査結果の詳細は別添のとおり。

問合せ

愛知県環境部環境活動推進課
環境リスク対策グループ
内線:3025、3026
電話:052-954-6212(ダイヤルイン)
E-mail: kankyokatsudo@pref.aichi.lg.jp

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