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愛知県がん対策推進計画(第2期)におけるがん診療連携拠点病院等に関する目標
愛知県がん対策推進計画(第2期)においては、県内のがん医療のさらなる充実のため、がん診療連携拠点病院等に、指定要件を満たしたうえで、さらに、推進していただく目標を定めています。
診療報酬に係る施設基準に関する目標
目標 |
項目 |
施設基準算定に求められる人員配置 (専従:他の業務との兼務不可、専任:多少の兼務は差し支えない) |
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がんの手術後等のリハビリテーションは、入院期間の長期化の回避につながるだけでなく、退院後の日常生活の質の改善にも役立ちます。そのため、県の計画では、隣接医療圏でカバーする場合も含め全12医療圏に「がん患者リハビリテーション料」を算定できる医療機関を設置することを目標に掲げ、住み慣れた地域でリハビリテーションが行える医療体制の充実を目指しています。 |
がん患者リハビリテーション料 |
医師 |
医師以外 |
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常勤専任でがん患者のリハビリテーションに十分な経験を有する医師が配置されている。 |
専従常勤でがん患者のリハビリテーションに十分な経験を有する理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が2名以上配置されている。 |
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がんと診断されたときから、患者さん本人が経験する身体的、精神的苦痛のみならず、その家族も経験する精神的苦痛に対する緩和ケアを、がん診療の中で迅速かつ適切に提供することが重要です。そのため、がん診療連携拠点病院等には、緩和ケアチームの設置が必須となっていますが、県の計画では、「緩和ケア診療加算」、「外来緩和ケア管理料」を全ての拠点病院で算定することを目標に掲げ、緩和ケアチームのさらなる充実を目指しています。 |
緩和ケア診療加算・外来緩和ケア管理料 |
医師 |
看護師 |
薬剤師 |
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どちらかが専従 |
常勤専任で3年以上の悪性腫瘍の緩和医療の経験を持つ医師が配置されている。 |
常勤専従で5年以上の悪性腫瘍患者の看護に従事した経験を有し緩和ケア病棟等における研修を修了した看護師が配置されている。 |
専任の麻薬の投薬が行われている悪性腫瘍患者に対する薬学的管理及び指導などの緩和ケアの経験を有する薬剤師が配置されている。 |
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常勤専任で3年以上の精神医療の経験を持つ医師が配置されている。 |
専門資格を有する人員配置に関する目標
目標 |
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がんの専門的な治療については、手術療法、放射線療法、化学療法を効果的に組み合わせた集学的治療が行われますが、集学的治療を行うためには、専門的な知識を有する医師、薬剤師、看護師等、様々な医療従事者が各々の高い専門性を前提に、業務を分担しつつも互いに連携・補完し合い、患者さんの状況に的確に対応する「チーム医療」を行う必要があります。そのため、県の計画においては、全てのがん診療連携拠点病院等において、以下の専門資格を有する人員を配置することを目標に掲げ、チーム医療の推進を目指しています。 |
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項目 |
資格の内容 |
がん薬物療法専門医 |
安全で有効な化学療法の推進に取り組んでいる日本臨床腫瘍学会が行う認定制度で、化学療法(抗がん剤による治療法)に携わる専門知識と技能を有した専門医として認定されます。 |
がん専門薬剤師 |
がんの薬物療法に精通した薬剤師として、日本医療薬学会が定める一定の基準を満たした場合に認定が受けられます。 |
がん看護専門看護師・がん化学療法認定看護師・緩和ケア認定看護師・がん性疼痛看護認定看護師 |
専門看護師:保健師、看護師及び助産師の免許所有者が日本看護協会認定の教育課程(大学院修士課程)を修了後、一定期間以上の実務研修終了後に認定審査に合格した場合に認定されます。現在、がん看護など11分野があります。 認定看護師:一定期間以上の実務研修を修了した保健師、看護師及び助産師の免許所有者が日本看護協会認定の看護師教育機関にて6か月以上の教育を受け、認定審査に合格した場合に認定されます。「緩和ケア」、「がん化学療法看護」、「がん性疼痛看護」、「乳がん看護」などの分野があります。 |
がん登録に関する目標
「がん登録」は、がんの罹患状況やがんと生活習慣との関連等を把握するために行う登録で、医療機関からの届出により行うものです。本県では、昭和37年から「地域がん登録」として実施しておりますが、平成25年12月に「がん登録等の推進に関する法律(平成25年法律第111号)」が公布され、平成28年1月からは「全国がん登録」として、国が一元的に実施することになります。届出された情報は、集計・分析され、がん対策の企画立案や、研究の基礎資料として活用されます。
目標 |
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院内がん登録率95%以上 |
がん診療連携拠点病院等では、「がん登録」で登録する項目に加え、がんの診断、治療、予後などの情報を詳細に集積し、院内におけるがん診療の向上と患者さんへの支援に活用する「院内がん登録」が行われています。がん登録は、もれなく登録することが統計的な精度の向上につながるため、全てのがん診療連携拠点病院等において、登録率が95%以上となることを目標に掲げ、精度の高いがん登録の推進を目指しています。 |
5大がんの5年相対生存率の公表 |
医療機関のがん医療の客観的な機能評価においては、5年相対生存率が用いられていますので、全てのがん診療連携拠点病院等において、5大がんの5年相対生存率が公表されることを目標に掲げ、県民の皆様への情報提供の推進を目指しています。なお、生存率の算定にあたっては、患者さんの死亡情報を把握することが必要となりますが、個人情報の問題や全てのがん患者さんが、最初に治療を行った病院に受診し続けるとは限らないことなどから、現状では、公表は一部の医療機関にとどまっています。 |