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「地域の見守りネットワークシンポジウム in愛知 2018」を開催しました
「地域の見守りネットワークシンポジウム in愛知 2018」を開催しました
愛知県では、地域における見守りネットワークづくりに向けて、多様な関係主体相互の連携を深めるとともに、広く県民の皆様に見守り活動の重要性を考えていただく機会とするため「地域の見守りネットワークシンポジウム in愛知 2018」を開催いたしました。
当日は、島田弁護士の基調講演を始め、被害の未然防止や救済に携わる方、日ごろ高齢者と接する機会の多い団体の方、新たに見守りネットワークを立ち上げた行政機関の方をパネリストとして、高齢者等のこれからの見守りのあり方について、パネルディスカッションを行いました。
1 日時
平成30年11月1日 木曜日 午後1時から3時30分まで
2 場所
愛知県女性総合センター(ウィルあいち) ウィルホール(名古屋市東区上竪杉町1番地)
3 参加者
消費者団体、事業者、福祉・医療関係者、市町村消費者行政担当者、一般県民等268名
4 プログラム
開会式
基調講演
テーマ: 「高齢者等の消費者被害のない社会へ~気づき、つながるためのポイントとは?~」
講 師: 弁護士 島田 広 氏
基調講演では、冒頭、高齢者が狙われる背景にある三つの不安(お金、健康、孤独)や、騙される脳のメカニズムについて説明をしていただきました。その上で高齢者を消費者被害から守るため、周りの人には「気づく力」「伝える力」「つなげる力」といった「見守り力」が必要であり、高齢者の気持ちに寄り添いつつ、相談機関につなぐことが大切であるとの指摘をいただきました。
また、勧誘を受けたときに、立ち止まり考える力や疑問に思う力を日常生活の中で向上させ、「少し考える消費者」になることが、消費者被害防止にもつながっていく。ネガティブでなくポジティブに楽しみながら、消費者被害防止の活動に取り組んでいくことが、騙されない高齢者の力を引き出す、これからの見守りのあり方になるのではないかとの重要な提言もいただきました。
パネルディスカッション
コーディネーター
日本福祉大学経済学部教授 近藤 充代 氏
パネリスト(50音順)
愛知県弁護士会 小堀 良治 氏
全国消費生活相談員協会中部支部 支部長 清水 かほる 氏
名古屋市東区いきいき支援センター 見守り支援員 竹田 奈穂子 氏
豊橋市市民協創部安全生活課 課長 泙野 善朗 氏
佐川急便株式会社 名古屋営業所 営業課 課長 三嶋 裕一 氏
パネルディスカッションでは、パネリストから、高齢者の消費者被害の実態、高齢者の特性、気づき、つながるポイントや見守りネットワークづくりの必要性について意見交換しました。
【高齢者被害の実態】
・高齢者に多い被害には、「特殊詐欺」や「投資詐欺」があるが、いずれも被害の回復が困難である。
・クーリング・オフが広く知られるようになってきたが、利用の条件や期間について、まだ詳しく知られていない。
・相手に申し訳ないと思い、契約をしてしまう「断れない」高齢者が多い。
【高齢者の特性、気づき、つながるポイント】
・高齢者はあまり相談したがらないため、周りの方から話を聞いたり、訪問時に請求書等を見つけて異変に気がつくことが多い。
・他人に迷惑をかけたくない、責められたくないので、支払って終わらせたいと思ってしまう。
・高齢者の気持ちを理解し、丁寧に説得をして相談機関へつなぐ必要がある。
【見守りネットワークづくりの必要性】
・特殊詐欺などの被害に遭ってしまった場合は、救済が難しいため、予防が大切であり、そのために地域の見守りが必要である。
・消費生活相談センターは、相談が無ければ対応できない「受け身」であるので、見守りネットワークは異変を発見して、センターにつなぐ役割を担うものとして、大変重要である。
・地域づくりの一環として、見守ることができる環境づくりが重要で、周りの人が「良いお節介さん」になっていくことが必要である。地域包括支援センターを窓口に専門機関同士をつなぐネットワークが構築されていくと良い。
・見守りネットワークは、市町村を中心にできていくと、地域ごとのきめ細やかな見守りができるため、設置を進めていただきたい。
問い合わせ先
愛知県 県民文化局 県民生活部 県民生活課
県民相談・調整グループ(052-954-6163)