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県立高等学校への併設型中高一貫教育制度の導入の可能性の検討について

ページID:0391347 掲載日:2022年4月6日更新 印刷ページ表示

県立高等学校への併設型中高一貫教育制度の導入の可能性の検討について

記者発表資料


 愛知県教育委員会では、2021 年12 月に策定した「県立高等学校再編将来構想」に基づき、現在、県立高校の統合や新たなタイプの学校づくり、商業高校のリニューアルなど、県立高校の魅力化・特色化、再編に向けた取組を進めています。
 この再編将来構想の策定に当たっては、学校や地域の教育関係者から様々な意見・提案をいただきましたが、その中で、地域の特性にあった中高一貫校の設置について提案があり、構想策定後、こうした提案を踏まえ、本県における県立中高一貫教育制度の導入について、検討を行ってきました。
 中高一貫教育制度については、1999 年に国において制度が創設されて以来、全国では既に41 都道府県の公立学校において導入され、生徒の自主性や個性を伸ばし、社会性や人間性を育成するための特色ある教育が各地で進められています。
 また、2022 年度から高校で実施される学習指導要領のねらいなどにも示されているとおり、これからの教育には、生徒の探究心に応える「深い学び」を通して、一人一人の個性や能力を引き出し、最大限に伸ばしていくことが求められています。
 そこで、本県においても、県立高校に県立附属中学校を併設し、6年による一貫した教育を行う、中高一貫教育制度の導入の可能性について、速やかに検討を行う必要があると考えます。
 なお、県立高校における中高一貫教育の具体的な内容については、今後、設置する検討委員会において協議を進めていきます。

1 中高一貫教育制度について

 子供たちの進路選択の幅を広げ、学校制度の複線化構造を進める観点から、中高6年間の学校生活の中で、計画的・継続的な教育課程を展開することにより、生徒の個性や創造性を伸ばすことを目的として、1998 年に学校教育法等が改正され、1999 年度から、中高一貫教育制度を選択的に導入することが可能となっています。

(1) 中高一貫教育の実施形態

 生徒や保護者のニーズ等に応じて、設置者が適切に対応できるよう、実施形態が3つに分かれています。
ア 中等教育学校
  一つの学校として、一体的に中高一貫教育を行います。
 ※本県の例:海陽学園中等教育学校
イ 併設型の中学校・高校
  高等学校入学者選抜を行わずに、同一の設置者による中学校と高等学校を接続します。
ウ 連携型の中学校・高校
  市町村立中学校と県立高校など、異なる設置者間でも実施可能な形態で、中学校と高校が、教育課程の編成や教員・生徒間交流等の連携を深める形で中高一貫教育を実施します。
 ※本県の例:県立福江高校(田原市)・田原市立福江中学校
  県立新城有教館高校作手校舎(新城市)・新城市立作手中学校
  県立田口高校(設楽町)・設楽町立設楽中学校、設楽町立津具中学校、
  東栄町立東栄中学校、豊根村立豊根中学校
図1:実施形態

(2) 全国における中高一貫教育校の設置状況

ア 実施形態別 設置校数の推移(各年度学校基本調査)
  併設型を中心に、設置校数が増加傾向にあります。
図2:設置校数推移
図3:設置校数推移2
イ 各都道府県別 公立併設型・中等教育学校の設置状況(2021 年度学校基本調査)
  公立の併設型中高一貫教育校は38 都府県で、中等教育学校は16 都道県で、それぞれ設置されています。
  全体として、41 都道府県の公立学校で中高一貫教育が導入されています。
図4:都道府県別設置状況

2 本県における併設型中高一貫教育制度の導入の可能性の検討について

  「県立高等学校再編将来構想」(2021年12月公表)の策定にあたり、学校や地域の教育関係者から、都市部や人口減少地域など、それぞれの地域の特性にあった併設型の県立中高一貫校の設置について提案がありました。
  こうした提案を踏まえ、全国の公立中高一貫教育の導入事例も参考にしながら、本県における中高一貫教育の導入について、その効果や課題、候補校、開設時期などについて、検討を行ってきました。
  検討の結果、本県においても、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)事業や、国際理解教育など、特色ある探究的な教育を実践している高校を候補として、その導入の可能性を速やかに検討していきます。具体的には、以下の4校を第一次の導入候補校として、高校の敷地内に、新たに県立附属中学校を併設し、6年間の一貫した教育の導入を行うことが可能かどうか検討していきます。

(1) 第一次導入候補校 (附属中学校開設の目標時期 2025(令和7)年4月)

第一次導入候補校
地区 導入候補校 1学年の学級数

現在の高校における

特色ある取組

附属中学校 高校(※1)

附属中学校から

内部進学

高校から入学
名古屋 明和高等学校
(名古屋市東区)
2学級 普通科2学級 普通科6学級 SSH
(※2) 音楽科1学級  
尾張 津島高等学校
(津島市)
2学級 普通科2学級 普通科7学級 国際理解教育
半田高等学校
(半田市)
2学級 普通科2学級 普通科6学級 SSH
三河 刈谷高等学校
(刈谷市)
2学級 普通科2学級 普通科8学級 文理融合探究

 

※1 高校の1学年の学級数(中学からの内部進学者と高校からの入学者の合計学級数)は、2022年度の募集学級数を記載しています。併設中学校の開校時における高校の募集学級数は、今後検討します。
※2 明和高等学校音楽科への中高一貫教育導入の規模等については、今後検討します。

(2) 本県における中高一貫教育導入のねらい

  本県における中高一貫教育導入のねらいとしては、ゆとりのある計画的・継続的な教育指導と、中学1年生から高校3年生までの異年齢集団による活動を通して、以下のような教育を進めていくことが考えられます。
●「自分らしさの探究、創造・挑戦」
ア 新しい時代のイノベーションを創出する人材の育成
  パラダイムシフト(※)が進む変化の激しい社会にあっても、様々な課題の解決に向けて創造・挑戦し、新しい世界を切り拓いていくことができる、これからのあいちや日本、世界を担う人材を育成します。
イ 知るを楽しみ、自らを高めていく
より深く学びたい、自分の興味・関心を突きつめたいといった、知的好奇心や探究心を引き出し、自ら学び、発展的に考える姿勢や態度を育成することで、一人一人の個性や能力を最大限に伸ばしていきます。
ウ 豊かな人間性と社会性の育成(ダイバーシティとSDGsの尊重)
自分の個性に誇りを持つとともに、お互いの個性を尊重し、多様な人々と協働しながら、持続可能な社会づくりに向けて行動できる人材を育成します。
※パラダイムシフト:その時代や分野において当然のことと考えられていた認識や思想、社会全体の価値観などが革命的にもしくは劇的に変化すること。

3 中高一貫教育の具体化に向けた検討について

(1) 検討委員会の設置

  「県立高等学校再編将来構想」においては、取組の検証と更なる取組の具体化を協議するために、小中・県立高校関係者による「県立高等学校再編将来構想具体化検討委員会」を継続的に設置することとしています。
 この委員会(親会議)の下に、部会として、「中高一貫教育導入検討部会(仮称)」を設置し、第一次導入候補校における導入の可否及び具体的な枠組、第二次以降の導入の候補となる学校について、検討していきます。また、これからの地域社会を支えていく人材の育成をめざす「地域密着型」の中高一貫教育の導入についても検討し、生徒の多様な教育ニーズに応える学校づくりを進めます。
 あわせて、別の部会として「新しい時代に対応した定時制・通信制教育の在り方検討部会(仮称)」を設置し、中学校の学び直しや外国人生徒への対応等、現代的な教育課題に対応した定時制通信制教育の充実方策についても、同時に検討していきます。
 検討に当たっては、必要に応じて、外部有識者から意見聴取を行います。

(2) 今後のスケジュール

2022年
4月 検討委員会と部会を設置
5月~10月  第一次導入候補校における導入の可否、具体化検討、中学校の施設整備に向けた準備
11月 「中高一貫教育導入計画(仮称)」案公表、パブリックコメント実施
12月 「中高一貫教育導入計画(仮称)」策定
(協議の進捗状況により、スケジュールは変更することがあります。)

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