本文
県立犬山総合高等学校で出前授業を行いました
調査研究課の城ヶ谷です。
7月9日に県立犬山総合高等学校で出前授業を行いました。
2年生「日本史探究」の時間のなかで、「モノから歴史を考える~考古学への招待~」というテーマで授業を行いました。
「考古学とは何か?発掘調査はどのように行われるのか?」など、考古学や発掘調査について概説するとともに、地元犬山市に所在する全国的にも著名な遺跡である「東之宮古墳(ひがしのみやこふん)」「青塚古墳(あおつかこふん)」についてお話ししました。
東之宮古墳(国史跡)は3世紀後葉から4世紀初頭に遡る県内でも最古級の古墳です。注目されるのは墳形が前方後方墳(ぜんぽうこうほうふん)であるということと、副葬品が三角縁神獣鏡(さんかくぶちしんじゅうきょう)を始めとする銅鏡11面、碧玉製合子(へきぎょくせいごうす)・装身具、豊富な鉄製武器(全て重要文化財)など畿内の同時期の古墳に比べて遜色のない内容をもつことです。時期的には大和政権が形成されて間もない頃で、被葬者の人物像や大和政権との関係など、興味深い古墳です。
青塚古墳(国史跡)は全長123mと県内でも2番目の大きさの前方後円墳です。とてもきれいに整備されており、作られた当時の古墳の姿がよくわかる古墳です。
また、石鏃、石斧、石包丁、弥生土器、土師器、須恵器といった教科書や図録等に登場するような遺物を持参し、実際に手に取って見ていただきました。
生徒のみなさんからは「身近なところにこんなすごい遺跡があるとは知らなかった。」「出土品を手に取ってみて、歴史に興味が湧いてきた。」などといった声が聞かれました。
今回の授業が生徒のみなさんに何らかのかたちでお役に立てれば幸いです。