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県立一宮高等学校で出前講座を行いました
調査研究課の城ヶ谷です。
7月12日(土曜日)に県立一宮高等学校で出前講座を行いました。
今回の講座は考古学セミナー「土器から歴史を読む~考古学への招待~」と題し、1年~3年生の希望生徒の皆さんを対象に「考古学とはどのような学問か?発掘調査はどのように行われるのか?」などについて概説するとともに、後半部分では土器の発達と歴史とのかかわりについてお話ししました。
愛知県は古代以来、常に日本の土器(焼きもの)生産の中心的存在であり、それぞれの時代において大きな役割を果たしてきました。その発達過程が歴史の流れとどのように結びついているのかをお話しした後、実際に遺跡から出土した縄文時代から江戸時代までの土器・陶磁器を手に取って観察し、時代順に並び替えるというワークショップを実施しました。
遺物を並び替えるのはなかなか難しかったようですが、生徒の皆さんは何度も遺物を手に取って、周囲の人と意見を交換しながら一生懸命取り組んでいました。
皆さんはとても熱心で、終わりは予定時間の1時間30分を越えてしまいましたが、その後も何人かの生徒さんが質問に来たり、遺物を観察したりしていました。
最後に実施したアンケートでは「暗記があまり好きでなくて、歴史を選択しませんでしたが、このような形で歴史に触れるという体験はすごく楽しかったので、これからも考古学に触れたいと思います。」「日本史の勉強の復習にもなって楽しかった。歴史は広く学べば学ぶほど知識が深まって、より理解も深まるんだと思った。」「土師器や須恵器など単語や色の特徴しか知らなかったものが、実物で見て、触れられたので、とても新鮮でした」などといった感想が寄せられました。
今回の講座が生徒のみなさんに何らかの形でお役に立てれば幸いです。
講義風景
ワークショップ風景