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愛知県陶磁美術館特別展「This is SUEKI-古代のカタチ、無限大!」へ出土品の貸出を行いました

ページID:0620196 掲載日:2025年12月19日更新 印刷ページ表示

 調査研究課の城ヶ谷です。
 愛知県陶磁美術館の特別展「This is SUEKI-古代のカタチ、無限大!」へ志賀公園(しがこうえん)遺跡出土の須恵器をお貸ししました。
 志賀公園遺跡は名古屋市北区に所在する弥生時代から近世にかけての複合遺跡です。これまで何回か発掘調査が行われてきましたが、1998年度の調査で古墳時代中期の前方後円形墳丘墓SZ09が見つかりました。SZ09は推定全長50mで、周囲に幅約6~8mの周濠を二重に巡らせた規模の大きなものです。前方部のくびれ部付近では須恵器約50個体、土師器約100個体、計約150個体からなる土器の集積が確認されました。これらの土器は完形のものも多くあり、何らかの形で古墳の祭祀に使われたものと思われます。
 今回お貸しした須恵器2点(写真)は土器集積の中から見つかったもので、ほぼ完全に近い形で出土しています。

丸い穴が開いている壺です。円窓付脚付壺

 円窓付脚付壺(まるまどつききゃくつきつぼ)は肩の部分に大きな円窓が開けられています。窓は焼成前に開けられたものですが、どのように使われていたのかは分かっていません。須恵器で、このような類例は他には見られず、全国的にも極めて珍しいものです。

甑の展示の様子です。展示中の甑

 甑(こしき)は米などを蒸すのに使われたものとされています。 
 いずれも5世紀前半代、愛知県最古の窯である猿投窯(さなげよう)開窯当初の製品と考えられ、東日本では最古段階にあたるものです。

 今回の展示は3月8日土曜日まで愛知県陶磁美術館で行われています。全国から出土した有名なもの、珍しいものもたくさん展示されています。なかには大仙陵古墳(伝仁徳天皇陵)造り出し出土の須恵器大甕(宮内庁所蔵)を始め、普段なかなか見る機会のないものも展示されていますので、ぜひ、ご覧になってください。

 なお、この展覧会は、その後3月20日から6月14日まで兵庫陶芸美術館、7月3日から9月23日まで山口県立萩美術館・浦上記念館、10月3日から12月27日まで東京富士美術館と各地を巡って実施されます。

愛知県陶磁美術館特別展「This is SUEKI―古代のカタチ、無限大!」のチラシです。
チラシ  ダウンロード 愛知県陶磁美術館特別展「This is SUEKI―古代のカタチ、無限大!」チラシ [PDFファイル/1.57MB]

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