西三河農林水産事務所用水管理課
矢作川利水総合管理
矢作川水系の利水は、国土交通省の多目的ダム(昭和46年3月完成)と農林水産省の羽布ダム(昭和38年3月完成)とを水源として、かんがい・発電・上水・工業用水等に広く利用されています。
これら目的の異なる施設を総合的、合理的に利用することによって、より高度でしかも経済的な水利用が可能となる水系の一貫した管理体制の確立が望まれました。
このため、愛知県は水源開発調整会議において、「矢作川水系水管理合理化基本要領」を決定し、これを基に昭和48年4月西三河農林水産事務所(旧岡崎農地開発事務所)に用水管理課ならびに細川管理所・岩倉管理所が設置され、昭和39年から管理している羽布ダムと併せて矢作北部・南部の共用施設の取水・配水計画とともに、施設の管理に当たることとなりました。
用水管理課長 | 調整グループ | 用水の希望配水量の申込に関すること 水源流況・河川自流等の把握に関すること 取水可能量の推定とダム利水放流量に関すること 配水量の決定通知と取水放流量の指示通知に関すること | |
吉良古川・ 鹿乗川管理所 | 吉良古川頭首工・鹿乗川頭首工の維持管理に関すること (矢作川沿岸土地改良区に管理委託) | ||
岩倉管理所グループ | 岩倉取水口及び北部幹線水路15.7キロメートルの維持管理に関すること | ||
細川管理所グループ | 細川頭首工・乙川頭首工の維持管理に関すること 明治導水路1.5キロメートル、南部共用水路14.7キロメートル、 南部幹線共用水路5.4キロメートル、農業専用水路8.4キロメートルの維持管理に関すること | ||
坂崎詰所 | 坂崎揚水機場及び南部幹線系水管理施設の維持管理に関すること | ||
羽布ダム管理所グループ | 羽布ダムの維持管理に関すること 羽布ダム小水力発電所の運営・維持管理に関すること |
羽布ダム管理所概要
羽布ダムは、矢作川水系の支流である巴川の上流約42キロメートルの豊田市羽布町東部に位置し、愛知高原国定公園にも指定されている自然豊かな場所にあり、貯水池は三河湖と呼ばれ、観光・行楽地としても有名です。
このダムは、豊田市・岡崎市・西尾市・安城市・碧南市・額田郡幸田町の5市1町の農業用水を支える水がめとして、矢作川農業水利事業によって昭和27年に着工し、昭和38年に完成した農業用利水ダムです。
河川名 | 一級河川矢作川水系巴川 | |
所在地 | 愛知県豊田市羽布町 | |
貯水池 | 流域面積 | 51.34平方キロメートル |
満水面積 | 1.06平方キロメートル | |
設計洪水位 | 467.0メートル | |
常時満水位 | 467.0メートル | |
予備放流水位 | 466.3メートル | |
総貯水量 | 19,363,000立方メートル | |
有効貯水量 | 18,461,000立方メートル | |
ダム本体 | 形式 | 直線越流型重力式コンクリートダム |
堤高 | 62.5メートル | |
堤長 | 398.5メートル | |
小水力発電施設 | 水車形式 | 横軸フランシス水車 |
最大落差 | 45.0メートル | |
使用水量 | 0.9立方メートル毎秒~3.0立方メートル毎秒 | |
発電最大出力 | 854キロワット | |
年間発電出力 | 3,200メガワットアワー ※一般家庭約900世帯の年間消費量に相当 |
羽布ダムPR動画
岩倉管理所概要
矢作ダムを水源とし、愛知県豊田市簗平町にある中部電力株式会社の百月(どうづき)ダムを利用して、矢作川から水を取り入れ、浄水場や田畑へ送水しています。
また、岩倉取水工から豊田分水工までの幹線水路(約15.7キロメートル)の点検などを行っています。
目的 | 役割 | 最大取水量 | |
農業用水 | 豊田市にある各地区の田畑(約800ヘクタール)へ給水しています。 | 1.58立方メートル毎秒 | 7.23立方メートル毎秒 |
上水道 | 豊田浄水場を経由し、豊田市・岡崎市・安城市・知立市・碧南市・みよし市へ 最大231,000立方メートル毎日を給水しています。 | 3.20立方メートル毎秒 | |
工業用水 | 愛知用水(愛知池)を経由し、名古屋市南部の工業地帯に、 最大200,000立方メートル毎日を給水しています。 | 2.67立方メートル毎秒 |
細川管理所概要
細川管理所で管理する施設は、細川頭首工、乙川頭首工、及び幹線水路16.2キロメートル等南部共用施設及び農業専用水路8.4キロメートルです。
これらの施設は、農林水産省矢作第二、矢作川総合農業水利事業、新矢作川用水農業水利事業、愛知県西三河水道用水供給事業の三事業共同事業として設置された取水導水施設です。
業務は、細川頭首工、乙川頭首工、幹線水路等の維持管理に関することです。
目的 | 役割 | 最大取水量 |
農業用水 | 岡崎市始め5市1町(新矢作) 田 5,508ヘクタール 畑 511ヘクタール 計6,019ヘクタール | 16.52立方メートル毎秒 |
西尾市・幸田町(南部農水) 田 799ヘクタール 畑 255ヘクタール 計1,054ヘクタール | 1.44立方メートル毎秒 | |
上水道 | 幸田浄水場(碧南市・岡崎市・幸田町、西三河南部水道企業団) | 1.23立方メートル毎秒 |
岡崎市水道 | 0.40立方メートル毎秒 |
坂崎詰所で管理する施設は、坂崎揚水機場、南部幹線及びその分水工です。
これらの施設は、農林水産省矢作川総合土地改良事業の一環として設置されました。
業務は、揚水機の運転、13分水工、3調整池、6ゲートの監視操作です。