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農業水産局農政部農業経営課の事業内容

1  農業改良普及事業について

 農業改良助長法に基づき、国の「協同農業普及事業の運営に関する指針」を基本として、平成28年3月に、平成27年度から概ね5年間の本県普及事業の推進方向や管理・運営に係る基本的な考え方を明らかにする「協同農業普及事業の実施に関する方針」を定めた。これに基づき、「意欲ある担い手の確保・育成」、「産地の収益力向上に向けた取組の支援」、「環境と安全に配慮した農業の推進」及び「活力ある地域づくりに向けた取組の支援」に重点を置き、本県農業の情勢や地域の特性等に即した普及事業の効果的・効率的な展開を図る。

 

(1)  意欲ある担い手の確保・育成

 本県の安定的な農産物生産の中核として、基幹経営体、新規就農者、青年農業者及び女性農業者の確保・育成を図る。また、地域農業の先導的な役割を期待される農業経営士、農村生活アドバイザー、青年農業士を認定し、団体活動を支援する。

ア 経営感覚に優れた基幹経営体の育成

 経営規模等から、他産業と比べて遜色ない所得(年間農業所得概ね800万円)を確保しうる基幹経営体の育成に向けて、農業経営の継続・発展を目指す意欲ある経営体に対して、経営管理能力の向上、経営の複合化、多角化、法人化等を支援する。

(ア) 農業経営力向上支援事業

  本県農業の次世代を担う意欲ある経営体が基幹経営体となるよう育成しつつ、さらなる経営発展、円滑な経営継承、雇用による就農機会の拡大等ができるよう農業経営の法人化を推進する。
 

イ 地域を支える多様な担い手の確保・育成

 各農林水産事務所農業改良普及課(8か所)の農起業支援センターにおいて、新規就農希望者の就農相談を実施するとともに、技術・経営指導等により新規就農後の定着を支援する。また、青年農業者及び女性農業者に対して、組織活動を通じた資質の向上、経営参画の推進等を支援する。
 

(ア) 農業後継者育成指導事業

 農業を支える多様な担い手の確保・育成のため、以下のことを行う。

a 農起業支援センターにおいて、農業後継者のほか、農業以外からの新規就農希望者や企業などに対して就農相談を行うとともに、就農後は戸別訪問や集団指導によるフォローアップを行う。

b 市町村が認定する青年等就農計画の作成支援や、市町村や農協が実施する農業塾等への技術指導を行う。

c 関係機関との連絡調整会議の開催や新規就農に関する調査の実施、愛知労働局が実施する農林漁業就職フェア等関係イベントに参加する。


(イ) 農業人材力強化総合支援事業

 次世代を担う農業者となることを志向する者に対し、「準備型」として就農前の研修期間(2年以内)の生活安定に、「経営開始型」として就農直後(5年以内)の経営確立に資する農業次世代人材投資資金を一人あたり年間最大で150万円交付する。
 また、農業大学校を活用して、今後の地域農業のリーダーとなる人材の層を厚くするため、高度な農業経営者教育を実施する。


(ウ) 地域農業リーダー育成事業

a 愛知県農業経営士の認定

 優れた近代的農業を自ら営み、地域の農業の推進役として指導的役割を果たしている経営者を「農業経営士」として認定する。

農業経営士認定数
平成30年度当初平成30年度新規認定計画
 2,177人 概ね38人


b 愛知県農村生活アドバイザーの認定

 優れた能力、豊かな人間性をもった女性農業者を「愛知県農村生活アドバイザー」として認定する。

愛知県農村生活アドバイザー認定数
平成30年度当初平成30年度新規認定計画
 824人 概ね29人

 


c 愛知県青年農業士の認定

 経営者としての自信と意欲を醸成し、社会的評価を高めるため、農業生産組織や地域の中核となりうる青年農業者を「青年農業士」として認定する。

青年農業士認定数
平成30年度当初平成30年度新規認定計画
 395人 概ね30人

 (注)原則25歳以上40歳未満の農業青年のうちから選定。本人が満45歳になった当該年度を過ぎた場合は称号消滅(平成28年4月1日より)。


d 地域農業リーダー研修の実施

 農業経営士、農村生活アドバイザー及び青年農業士認定者の資質向上を図るため、研修等を実施する。


(エ) 女性農業者活躍支援事業

 女性農業者に農業経営や農業を巡る地域社会の諸知識・技術の習得を促し、魅力とやりがいのある農業経営の実現と社会参画を推進することにより、女性農業者の活躍の場を拡大するとともに、農業の魅力や女性農業者の活躍を広く発信し、就農等を支援する交流会を開催する。
 

(2) 産地の収益力向上に向けた取組の支援

 (1)ICTを活用した施設の環境制御や経営管理、地域の特性や産地の方向性に沿った新品種・新技術の導入等による生産技術力の強化、(2)加工・業務用需要への対応、6次産業化の促進、知的財産権の活用等による需要構造の変化や多様なニーズに対応した販売企画力の強化、(3)生産部会の再編、ICT等を活用した生産部会内の情報共有、機能的な組織活動等による産地の強みが発揮できる組織力の強化の取組を支援する。

ア 農業技術体系化・調査研究事業
 農業の担い手の育成や地域農業の技術・経営課題を解決するため、農業改良普及課、農業総合試験場が連携して専門分野ごとに主要品目の課題を整理し、生産技術等の総合的な体系化に向けて、調査研究を実施する。

イ 生産体制・技術確立支援事業
 
農業総合試験場等で開発された新品種・新技術について、普及指導員が現地で実証を行い、産地のコーディネーターとして活動することにより、生産者と実需者の連携を促進し、強みのある産地形成を支援する。 

(3) 環境と安全に配慮した農業の推進

 生物多様性保全や地球温暖化防止等の環境問題に配慮するとともに、農業の持つ物質循環機能を生かし、肥料や有機質資材、農薬等の各種資材の適正な使用によって、土壌、水、大気、生態系等への負荷を低減し、農薬残留や有害物質による汚染等が起こらないよう農産物の安全確保に配慮した農業を推進するため、環境と調和した栽培技術の確立と普及の取組を支援する。
 

(4) 活力ある地域づくりに向けた取組の支援

 地域にある農地、水路、景観、人材等の資源を有機的に結びつけ、農業経営の継続・発展を目指す意欲ある経営体、新規就農者、高齢者、兼業農家等の地域の多様な担い手がやりがいを持って農業生産に取り組める地域づくりを支援する。
 

ア 地域戦略促進支援事業

 国の経営展望(地域戦略)を参考に、多様な農業者が生きがいを持って農業に取り組めるよう、地域の中心的な農業者や地域営農組織の活動を支援する。

イ 農業支援外国人受入事業

 農業分野における労働力を確保するため、国家戦略特区を活用した外国人農業支援人材の受入体制の構築・整備を行う。

ウ 農福連携推進事業

 農業分野における障害者雇用を促進するため、農業法人等を対象とした研修会等を開催する。

(5) 普及指導員の配置

 地域に密着した普及指導活動を行うため農林水産事務所農業改良普及課に普及指導員等197人を配置するとともに、地域を越えた広域的な課題に対応するため農業総合試験場企画普及部広域指導室に広域担当の普及指導員12人を配置する。

(6) 普及指導員の資質の向上

 目指すべき普及指導員像等を定めた普及指導員育成計画に基づき、自己啓発を基本としつつ、農業改良普及課におけるOJTを中心とし、県が主催する普及指導員研修を始めとするOffJTにより補完することにより、普及指導員の資質の向上に取り組む。

(7) 普及指導活動の方法

 農業者に対する技術指導・経営相談・組織育成等を円滑に行うための総合指導力が発揮できる体制とし、普及指導活動の対象は農業経営や地域農業の継続・発展を目指す意欲的な経営体・担い手及びその組織・集団等を中心とする。
 普及課題は、地域農業や農村の実態、農政推進上の課題、農業者のニーズ、新技術の開発状況等を踏まえ、県と関係機関・団体及び民間企業等との役割分担を整理しつつ、必要性及び緊急性が高いものについて重点化する。
 計画的・重点的な活動を実施するため、対象ごとの推進事項や目標等を示す普及指導計画(基本計画及び年度計画)を策定し、これに基づき普及指導活動を展開する。
 また、試験研究機関との連携強化、市町村・農業協同組合等・先導的農業者との密接な連携確保及び協働、民間の専門家等の活用、普及事業に関する情報発信に努める。

2 環境保全型農業の推進について

 安全・安心な農産物の安定供給や地域の環境保全を図るため、環境と安全に配慮した農業を推進する。

(1) 環境保全型農業推進事業

 安全で高品質な農作物の生産と、環境保全に資する農業の積極的展開を図るために、産地等に対して肥料・農薬の適正使用、有機質資材を利用した土づくりなど環境保全型農業の啓発・普及を図るとともに、愛知県GAPを始めとしたGAP(農業生産工程管理)の導入を促進する。
 また、「持続性の高い農業生産方式の導入の促進に関する法律」に基づき、土づくりなど持続性の高い農業生産方式を導入する農業者をエコファーマーとして認定するとともに、その活動に対する支援を行う。
 化学肥料・化学合成農薬をまったく使用しない有機農業についても、技術に関する研究や情報提供の強化に取り組むとともに、消費者の理解促進を図る。

(2) 環境保全型農業直接支援対策事業

 農業の持続的発展と多面的機能の健全な発揮を図るため、農業生産全体の在り方を環境保全を重視したものに転換していく必要がある。
 このため、化学肥料・化学合成農薬を原則5割以上減らした上で地球温暖化防止、生物多様性保全等に効果の高い営農活動に取り組む農業者団体等に対して支援を行う。

3 肥料取締りについて

 農業生産力の維持増進を図る上で、基本的な生産資材である肥料の品質保全と公正な取引を確保するため、肥料取締法に基づき次の事務を行う。

   (1) 普通肥料の公定規格等に照らして肥料の登録、登録更新、届出について審査し、受理する。
   (2) 肥料販売業務及び特殊肥料生産事業の開始、変更、廃止届出について審査し、受理する。 
   (3) 肥料の生産・流通過程に立ち入りし、肥料の分析等の検査及び指導を実施する。
   (4) 肥料の生産状況及び流通状況を調査する。

4 農作物病害虫防除対策について

 農業生産の安定及び生産性の向上を図るとともに、安全な農作物の確保と生産環境の保全を図るため、次の事業を実施する。

(1) 農作物病害虫発生予察事業

 農作物の病害虫発生状況を調査し、病害虫発生予察情報を関係機関等に提供して、適切な防除を推進する。

(2) 地域特産作物の総合的な防除体系の確立

 本県の重要な特産作物であるしそ、ふき、食用ぎく等を対象に、農薬の適用拡大のための試験を実施する。また、化学合成農薬以外の防除技術の導入を推進し、地域特産作物の安定生産を支援する。

 

5 農作業安全対策について

 農作業の安全向上を図るため、次の事業を実施する。

(1) 農薬安全使用対策事業

 農薬販売者及び農薬使用者に対して、立入検査及び講習会等を実施するなど、農薬取締法等の関係法令の遵守についての指導・啓発を行う。また、農薬危害防止運動を実施し、農薬の適正販売と適正使用を推進する。

(2) 農薬残留確認調査

 農業協同組合等が農産物の安全性確保のために実施する農薬残留実態調査に対して、必要な経費を助成する。

(3) 農作業安全対策事業

 農作業事故を未然に防止し農作業の安全を確保するため、事故の実態把握、農作業事故ゼロ運動の実施、安全講習会の開催等により農業者全体の意識啓発を図る。

 

6 農業金融対策について

 農業者等の資本整備の高度化及び能率的な農業技術の導入を図り、農業経営の近代化を推進するとともに、経営感覚に優れた効率的かつ安定的な農業経営体を目指す意欲ある農業者等の経営改善を図るために、次の資金の融通等を行う。

(以下の資金の融資利率等は、金利情勢により変動することがあります。最新の利率のページはこちら

(1) 農業近代化資金に対する利子補給

 愛知県農業近代化資金利子補給規則に基づき、農業経営の近代化に必要な生産施設等の整備拡充を図るため、融資機関が行う融資に対して、利子補給を行う。

   利子補給対象融資額 3,000,000千円

       [個人等施設(農業を営む者)    2,000,000千円]

       [共同利用施設(農業協同組合等) 1,000,000千円]

   利子補給率        年 1.30% (信連等の融資機関は0.70%)

      貸付利率        年 0.30%

(2) 農業経営改善促進資金(スーパーS資金)の融通

 農業経営基盤強化促進法等により認定を受けた認定農業者を対象に、種苗・肥料・肉用素畜の購入等経営に必要な運転資金を国・県及び融資機関の協調融資により融通する。

   融資目標額        1,800,000千円

      貸付利率        年 1.50%

(3) 農業経営安定資金の融通

 認定農業者以外の農業者を対象に、種苗・肥料・肉用素畜の購入等経営に必要な運転資金を県と融資機関(農業協同組合)の協調融資により融通する。

   融資目標額        50,000千円

      貸付利率        年 1.50%

(4) 愛知県農業信用基金協会特別準備金造成費補助金

  愛知県農業信用基金協会が行う無担保・無保証人による債務保証のリスクに対処するための特別準備金の積立てに必要な経費を助成する。

(5) 愛知県国家戦略特別区域農業保証融資制度

  国家戦略特別区域法(平成25年法律第107号)に基づき、商工業とともに愛知県国家戦略特別区域の区域計画内において農業を営む中小企業者等が必要とする事業資金について、愛知県信用保証協会が債務の保証(県が25%を損失補償)を行うことにより、資金調達の円滑化を図る。

 

7 農業大学校について

 平成28年3月に策定した「愛知県立農業大学校教育研修基本計画2020」に基づき、農業技術の高度化、農業経営の専門化など、時代の要請に即応した資質の高い農業後継者等を育成するとともに、農業者及び県民に対する農業研修を行う。

(1) 教育課程及び研修の種類

 
区分教育部研修部
農学科  就農支援科担い手支援科
入学資格高校卒業者等募集の都度知事が定める募集の都度知事が定める
入学定員100名
履修期間2年
備考8専攻
(鉢物・緑花木、作物、果樹、施設野菜、酪農等)
農業者生涯教育研修
(就農希望者等を対象)
農業理解研修
農業者生涯教育研修
(担い手を対象)
農業機械研修

(2) 農業研修

 農業者を対象に、経営改善に関する知識、技術、技能を修得させるため、研修部が農林水産事務所農業改良普及課と協力して、農業者の発展段階に応じた農業者生涯教育研修を実施する。
 また、トラクターなど農業機械に関する知識、技術、技能を修得させるための研修及び県民を対象とした食料・農業・農村に対する理解と関心を深めるための研修を実施する。

 

8 農業総合試験場について

 平成28年3月に策定した「愛知県農林水産業の試験研究基本計画2020」に基づき、技術革新で創造する強い農業経営の確立などを重点研究目標として計画的に試験研究を推進する。
 また、試験研究を効率的に推進するため、産学官共同研究の取組を推進するとともに、国等が実施する公募型研究開発事業を積極的に取り入れ、研究の高度化・効率化を図る。

○ 試験研究の重点研究目標

(1) 技術革新で創造する強い農業経営の確立

 高収量・高品質安定生産、低コスト生産、次世代技術の活用などにより、競争力強化のための技術を開発することで強い農業経営の確立を図る。


(2) 消費者視点に立った新たな需要創出と食の安全を支える農業の推進

 実需者・消費者などの多様なニーズや輸出などの新需要に応える生産技術を開発する。また、農薬使用量削減を目指した農産物の生産技術などを開発し、消費者の信頼に応える。


(3) 環境と調和した農業の推進と農村・地域の活性化

 地球温暖化などの気候変動に強く、環境に負荷をかけない技術を開発する。また、中山間等地域農業の活性化を目指した技術を開発する。


(4) 愛知の強みを生かした戦略的な品種開発による幅広い需要への対応

 水稲、小麦、野菜、花き、果樹について、実需者・消費者などの多様なニーズを的確にとらえた品種、高収量・高品質安定生産が期待できる品種、地球温暖化などの気候変動に対応した品種など幅広い需要に応える品種を戦略的に開発する。また、愛知のブランド力を高める系統豚、名古屋コーチンの基礎系統の開発を行う。

問合せ

愛知県 農業水産局 農政部 農業経営課

E-mail: nogyo-keiei@pref.aichi.lg.jp