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受粉作業が不要で、「とげ」がないナスの新品種を日本で初めて開発しました

ページID:0019669 掲載日:2008年11月11日更新 印刷ページ表示
平成20年11月10日(月曜日)発表

受粉作業が不要で、「とげ」がないナスの新品種を日本で初めて開発しました

 愛知県農業総合試験場は、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構野菜茶業研究所(以下「農研機構野菜茶業研究所」という。)と共同で、「単為結果性」と「とげなし性」を併せ持つナスの新品種「試交05-3」を日本で初めて開発しました。

 この新品種により、農家は手間のかかる受粉作業と痛い「とげ」から解放され、省力で快適なナス栽培ができるようになります。また、消費者も「とげ」を気にせずにナスを取り扱うことができます。

 果実の品質も良く、県内において今後の普及拡大が期待されます。

1 開発の経緯

 本県のナスはハウスで栽培し、10月から6月まで収穫する冬春ナスが主力作型です。冬春ナスは栽培管理に労力が多くかかるため、農家からは作業の省力化と快適化を求める声が強く出されていました。

 このため、農業総合試験場では平成14年度から農研機構野菜茶業研究所との共同研究に取り組みました。農業総合試験場が開発した品種「とげなし紺美」の親系統と、農研機構野菜茶業研究所が育成した単為結果性系統などとの交配育種により、「単為結果性」と「とげなし性」を併せ持つ「試交05-3」を新たに開発しました。

 なお、本品種は、本日(11月10日)付けで、種苗法に基づく品種登録申請を行いました。

2 新品種の特徴

(1)「単為結果性」を持ち、受粉作業が不要なため、労働時間を15%削減できます。

(2)植物体のいずれの部分(果実のへた、葉、茎)にも「とげ」は発生しません。

(3)果肉が緻密なため、焼く、炒める、揚げるなどの加熱調理に適します。

(4)果皮がやや硬く、果実の品質が長持ちします。

(5)果実は太みがあり、つやがあって揃いが良く、日焼け果などの障害もほとんど発生しません。

(6)愛知県の主力作型である冬春ナス栽培に適します。

3 問い合わせ先

  愛知県農業総合試験場園芸研究部野菜グループ 主任 穴井 尚子

   所在地 愛知郡長久手町大字岩作字三ヶ峯1-1

   電話 0561-62-0085(内線521)

4 関連説明

(1)「単為結果性」とは、受粉しなくても果実が大きくなる性質です。「試交05-3」は高温期に単為結果性が不安定になるため、受粉作業が必要となります。

(2)本県の冬春ナス栽培面積は97haで全国第5位(平成18年)です。主な産地は豊橋市、一宮市、岡崎市です。

(3)「とげなし紺美」は平成15年度に農業総合試験場が開発した日本で初めてのとげのない品種です。

(4)日焼け果は、果皮の表面がへこんでしわが寄り、つやが失われてしまう障害で、日照が強くなる春先に果皮の軟らかい品種で多く発生します。

「単為結果性」と「とげなし性」を併せ持つ新品種「試交05-3」

「単為結果性」と「とげなし性」を併せ持つ新品種「試交05-3」

慣行品種「千両」のとげ

慣行品種「千両」のとげ

ハウス栽培で必要な受粉作業

ハウス栽培で必要な受粉作業

問合せ

愛知県農業総合試験場
園芸研究部野菜グループ
担当 穴井・榊原
電話 0561-62-0085(内線521)

愛知県農林水産部農業経営課
技術・営農グループ
担当 恒川・須田
内線 3662・3673
ダイヤルイン 052-954-6410