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【奥三河探訪】田峯田楽を紹介します
平成29年2月11日(土曜日)に、設楽町の田峰観音 谷高山(やたかさん)高勝寺(こうしょうじ)で田峯田楽が行われました。
田峯田楽は、五穀豊穣を祈願する伝統芸能で永禄2年(1559)に始まったとされています。毎年2月11日に行われ、昼田楽・夜田楽・朝田楽の三部構成からなっています。
一年の農作業が模擬的に演じられる夜田楽は、観音堂で行われます。
「堰(い)さらい」
水路の整備を行い、水田に水が流れるようにする所作です。鍬で落ち葉や泥を取り除く様子です。
「大足(おおあし)」
黒い布を大足(田下駄)に見立て、田の表面の草などを踏み込む作業をします。
「鳥追(とりおい)」
鳥の害だけでなく、悪いことすべてを村から追いだすことが唱えられます。
夜田楽は、およそ午後4時から午後8時までの長丁場です。途中で何度か休憩が入ります。休憩時間には田楽の解説がありました。
上の写真は田楽に使われる鍬の説明です。
「田植(たうえ)」
夜田楽最後の演目です。大太鼓の上に菰(こも:マコモを粗く編んだむしろ)を敷き、これを田として全員が田唄を唄いながら、シキミの枝で菰の上を叩きます。
田植えの最中、子守の一行が堂内に入ってきます。
子供は「ねんね様」と呼ばれ、本尊十一面観音の子とされています。
田植えは中断され、子供に昼食が与えられる所作が行われます。子供の口に蠅が飛び込まないよう、全員で扇を仰ぎます。
田植えが終わると観音堂前庭で朝田楽が始まります。
朝田楽は、前庭の四方にかがり火を焚いて、太鼓、笛、手拍子に合わせて舞が行われます。
「庭固め」
面をかぶった魔払い(さいはらい)が、太刀を腰に差し、割り松(生の松を割って束ねた物)を正面のかがり火に投げ入れます。
「火伏せ」
扇を仰ぎながら、順次4カ所のかがり火に向かって舞います。かがり火を蹴散らして火の粉が飛び散ります。